はじめに
この文書はAtomic simulation environment (ASE)を東京大学物性研究所システムB (ohtaka) へ導入する/した際の導入手順です。ドキュメントに書いてある通り何も考えずにpip
を実行するとうまくいかないことが分かったので、後のために記録することにしました。この文章は基本的に過去に作ったものをコピーして作成しています。
環境
使用しているモジュール
module list
の出力結果
Currently Loaded Modulefiles:
1) oneapi_compiler/2023.0.0 2) oneapi_mkl/2023.0.0 3) oneapi_mpi/2023.0.0
ASEのインストール
ASEのwebpageに書いてあるように以下を実行するとうまくいかないことが分かりました。
pip3 install --upgrade --user ase
そこでホームにASE
というディレクトリを作成し、そこで以下の仮想環境(ase)を作成しました(ディレクトリ名等は適宜変更して下さい)。GPAWのビルドにpython 3.8が必要なので、明示的にpython3.8を指定しました。
python3.8 -m venv ase_oneapi_2023.0.0
今の場合、以下のようにして次に環境を有効にしました。
source ./ase_oneapi_2023.0.0/bin/activate
先ずはこの仮想環境においてpipをアップグレードします。
pip install -U pip
次にASEと関連するモジュールを以下のようにインストールしました
pip install numpy scipy ase cymem cython decorator mpi4py pytest
pip list
の出力結果。
Package Version
------------------- -------
ase 3.22.1
contourpy 1.1.1
cycler 0.12.1
cymem 2.0.8
Cython 3.0.7
decorator 5.1.1
exceptiongroup 1.2.0
fonttools 4.47.0
importlib-resources 6.1.1
iniconfig 2.0.0
kiwisolver 1.4.5
matplotlib 3.7.4
mpi4py 3.1.5
numpy 1.24.4
packaging 23.2
pillow 10.2.0
pip 23.3.2
pluggy 1.3.0
pyparsing 3.1.1
pytest 7.4.4
python-dateutil 2.8.2
scipy 1.10.1
setuptools 41.6.0
six 1.16.0
tomli 2.0.1
zipp 3.17.0
追記
ASEのインストール手順とは直接関係はありませんが、上記の手順でインストールしたASEを使って振動解析を行おうとしたところ、openMPに関連すると思われるエラーで計算がうまくいかないことがありました。
詳しい人に相談してみて、.bashrc
にLD_LIBRARY_PATH
等が設定してあったことが問題だったようです。ジョブをサブミットする際に.bashrcに記載された環境変数は反映されないと思い込んでいたのですが、そうではないようです。余分は環境変数等は.bashrc
には記述しない方が良いのかもしれません。