画像と音声で正確な同期ができないケース
映像信号処理回路(グラフィックカードなど)と音声信号処理回路(サウンドカードなど)で、動作クロックの根源が異なる場合で問題が生じます。(外部接続する画像出力装置と、音声出力装置の組み合わせでもあり得ます)
例えば、
映像信号処理回路のクロック: 300MHz で誤差 ±30kHz (100ppm)
音声信号処理回路のクロック: 200MHz で誤差 ±40kHz (200ppm)
とします。問題は、誤差があることですが、誤差のない製品を作る(量産する)ことは不可能なので
誤差があることを前提
にしなければなりません。
どれくらいズレるのか?
例として、ディスプレイへの出力を毎秒 50 フレームとする(ディスプレイとの同期による影響は考慮しない)と、50 フレームでは、
映像: 1 ± 0.0001 秒
音声: 1 ± 0.0002 秒
の処理時間になり、最大で 0.0003 秒の差が発生します。
1フレームは 0.02 秒なので、約66秒で、1フレーム分の差がつきます。
面倒なので、1分で1フレームの差とすると
50分の動画再生で、映像と音声が1秒もズレる
ことになります。
これより良い環境もあれば、悪い環境もあるでしょう。
どんな不具合が出るのか?
この問題を考慮していない再生プログラムでは、映像または音声のバッファー オーバーフロー時の処理によって
- 映像:止まる、早送り
- 音声:途切れる、欠落
などが、瞬間的または一時的、断続的に生じることになります。
対処法方
映像の動きより音声の不具合の方が、視聴者のダメージは大きいので、音声優先で対処することなにります。また、表示画面の更新間隔は微調整できないシステムが殆どなので
表示映像の時刻と、再生済み音声の時刻を比較して
音声の再生速度(ピッチ)を人には分からないレベルで微調整
することになるでしょう。