Microsoftからリリースされた「Loop」とは?
マイクロソフトが開発しているコラボレーションアプリケーションです。
まだ正式なリリースはされておらず、3月22日よりパブリックプレビュー版として使えるようになりました。
Loopは、チームメンバーがアイデアや情報を共有し、プロジェクトを進めるための一つの場所として機能します。このアプリケーションでは、Notes、Tasks、Presentationsの3つのツールを使用して、文章、タスク、プレゼンテーション、画像、リンクなどのファイルを共有し、編集できます。
また、LoopはMicrosoft Teamsと統合されており、Teams内から直接アクセスできるため、より簡単にコミュニケーションを取ることができます。
似たようなサービスだと「Notion」があり、見た目や使い勝手もNotionとかなり近いです。
特徴
このアプリ内では大きく三つの規模の要素を組み合わせて構築していきます。
1. ワークスペース
チームメンバーが協力して作業するための場所です。
ワークスペースは、特定のプロジェクトに関連するすべての情報やタスクをまとめて表示することができます。
単位としては社内のプロジェクトや所属部署・チームなどで作成していくことになるかなと思います。
また共同作業者などのアクセス権限もここで付与します。
2. ページ
タブのように機能することができます。
ひとつのページに異なる種類のコンテンツを配置することができ、たとえばテキスト、画像、表、タスクリスト、グラフなど、さまざまなフォーマットを組み合わせることができます。
また、Loopのページには、外部データソースをインポートすることも可能で、アプリケーションの拡張性を高めることができます。
Loopのページは、メンバー全員が共同作業を進めるための中心的な場所です。チーム内でアイデアを共有し、プロジェクトプラントを策定し、進捗状況を共有するために使用されます。Loopは、チームの視点を強化することで、チームの生産性を向上させるために設計されています。
3. コンポーネント
テキスト、画像、ビデオ、Web リンク、ファイルなどの種類の情報を共有するために使用されます。
ユーザーは、各コンポーネントに必要なデータを追加し、他のループのメンバーと共有することができます。
リアルタイムの情報や更新内容を効率的に共有することができ、仕事の効率化に大きく貢献します。
後で実際に試してみますが、Teamsに直接コンポーネントを投稿することができ、ユーザーはわざわざLoopにアクセスして作業しなくてもTeams上で作業することができ、Loopアプリ上にはリアルタイムで反映されます。
実際に色々使ってみる
1. ワークスペース作成まで
以下のURLからアプリにアクセスできます。
※会社のアカウントによってはアクセスできないようになってるようなので、管理者に問い合わせる必要あり
https://loop.microsoft.com/
右上の「+」から新しいワークスペースを作成します。
ワークスペースのアイコンと名前、カバー背景を選択。
ちなみにカバー背景は予め用意されてるものしか現状設定できません。
もしかしたら製品版ではNotionみたいに外部から画像を引っ張ってきて使うことができるようになるかもです
2. ワークスペース内のサイドバー
先ほど作成したワークスペースに遷移すると中身はこのようになってます。
左のサイドバーには現在作成されてるページが一覧で表示されます。
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メンバー追加
左サイドバーのワークスペース名の下にある「1 Members」からメンバーを招待できます。 -
ページ追加
ワークスペース名の右側にある「+」ボタンからページを追加することができます。
また、ここの「+」ボタンから「新しいリンク」というのも追加できて、ExcelファイルやSharePointをページと同じ階層に配置することができます。 -
アクティビティ設定
「+」ボタンの左側にあるボタンを選択すると「アクティビティ」をONにすることができ、
ONにすることでワークスペース内のメンバーが閲覧・作業しているページをリアルタイムで確認することができます。
3. 実際にページに色々書いてみる
「/」を入力することで、テキストや表など色々配置することができるようになります。
ちなみに左側の行番号をドラッグ&ドロップすることで行の順番も変更できちゃいます。
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タスクリスト
チェックリストよりちょっと豪華になりました。
担当者にはワークスペースに選択しているメンバーを入れることができ、選択されたユーザーはメールで通知が飛んできます。
一点注意点があって、このタスクは行(タスク数)は追加できるものの、列の追加はできないようです。
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投票テーブル
こちらは表同様に行と列の追加、列名、列の種類の変更ができます。
メンバー内で意思疎通したい時とかに使えそう。
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進行状況トラッカー
タスクリストより細かい情報を設定できます。
タスク管理はこちらを使った方が良いのかなと思いました。
ただ、いっぱい内容を書こうとすると改行されすぎて見づらくなる可能性あります。
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個人メンション
ページ内でメンバーにメンションをつけられます。
メンションつけられると通知が飛んできます。
現状はできないですが、Teamsのように複数人まとめたカスタムメンションを作成できたりして欲しいなと思いました。
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こんなこともできる
追加された表やテキストの左側のチャットボタンから「いいね」や「ハート」などの反応をつけることもできます。
コメントも入れることができます。
4. コンポーネントを作成してTeamsに連携
作成した表やテキストをTeamsに貼り付けて、リアルタイムで同期できるようにします。
ここがNotionとは違う最大のポイントかと思われます。
各表やテキストにある左側のメニューボタンから「Loopコンポーネントの作成」を選択します。
コンポーネントとして作成されるとこのような見た目になります。
右側にある共有ボタンを選択してリンクを作成します。
Teamsに貼り付けることができました!
一点注意が必要でパブリックプレビュー版ではチャットにしか貼り付けることができず、チームの投稿には貼り付けることができない仕様になってます。
今後の期待
以下は自分の勝手な願望です。
現在のがパブリックプレビュー版ですので、本リリース版では実装されてる可能性は大いにあります。
1、ページ内にページを入れる
サブページとして階層構造にすることはできますのが、Notionのようにページの中にページを入れることはできないです。
2、カレンダー
こちらは今後の本リリース版では出てきそうな気がします。
3、動画の貼り付け
開発中のバグとかを内容と一緒に再現動画を載せられると便利なので、機能として入れて欲しいです。
4、計算機能
こちらもあると便利...!
5、FigmaやXDといった外部サービスの埋め込み
6、タスク管理のUI改善
NotionのボードビューみたいなUIになると最高
7、Loopアプリ内からPower PointやTeamsの投稿へ書き込み
こちらも今後できそうになる気がします。
所感
スルスル動く!
遅延やローディングなどのストレスがなく全くなく動作します。
Teamsから入力した内容も即座に反応してくれます。
ただ現在は一人で作業してるだけなので、今後複数人かつワークスペース内で色々ページを作成して作業した時にどうなるかはまだ分からないです。
Teams上で書き込みできるのは楽
今までだと共有されたファイルやURLをクリックしてブラウザで表示して作業する必要がありましたが、それがなくなりました。
ユーザーは他のメンバーに記入して欲しい箇所だけをコンポーネントとしてTeamsに貼り付けることでき、
入力する側の人はTeams上でその箇所だけ確認できて、その場で書き込みできるので負担をかなり軽減することができるのではないのでしょうか。
とにかくお洒落
Notionは「無駄を削ぎ落としたシンプルなメモアプリ」って感じですが、
Loopは近未来を感じさせるようなUIで、かなりデザインにも手を込まれてます。
その分、初めはどのように使えば良いのか若干分かりにくいという意見もちらほらお聞きします...
肝心のタスク管理自体はちょっとしにくいかも..?
実際にタスク管理をするとなると、現状は「進行状況トラッカー」を使うことになるのかなと思うのですが、
タスクの情報が横に伸びていくので、情報が増えれば増えるほど一つ一つの列が圧迫されて見にくくなります。
Notionみたいに一つのタスクもページのようなUIにして、タスク一覧には表示したい内容だけ表示されるようにするととても便利になります。
Azure Dev Opsとの使い分け
現状プロジェクトのタスク管理はDevOpsのBoardsを使用していてLoopとの使い分けが大事になりそうです。
PJ内の大事なタスク自体はDevOpsのBoardsで管理
結論、プロジェクト内の大きいタスクはDevOpsで管理して、
その大きいタスクごとにLoopでページを作成して、タスクに対するコミュニケーションは作成したページで行うのが良いかと思いました。
DevOpsではSprintごとやアサインメンバーごとにタスクを絞り込みできたり、編集作業のアクセス権限が厳重なため安全です。
また、現状ソースコードの管理もDevOpsのReposで行ってるためプルリクとタスクの紐付けも容易なため、タスクの管理自体はDevOpsが良さそうです。
Loopでは切り分けられたタスクに関する小さい単位のタスク、コミュニケーションに使用
その点、Loopではメンバーが色々書き込むことができるため、気付かぬうちに大事な情報が書き換えられてる可能性があります。今後編集履歴が表示されると良いのですが、、
ただ、DevOpsはアクセス権限が厳重な反面、手軽なコミュニケーションがしにくいため、
そのタスクに関するコミュニケーションや意思疎通、プロジェクト始動中に発生した一時的な情報共有など手軽に使用したいときはLoopを使うようにできればと考えてます。
最後に
Copilotの導入
パブリックプレビュー版では試すことができませんが、LoopにもCopilotが導入されるようです。
月額の追加課金とかになるのかなと思われます。
ワークスペースのジャンプスタート
こちらをONに切り替えると、ワークスペース作成時に自分のOne Drive上からワークスペース名に関連しそうなファイルをピックアップして提案してくれます!
また、自分でキーワードを設定して追加で検索をかけることも可能です。
会社の情報があるので隠してますが、キーワードに対して関連するファイルの一覧の精度は高かったので、使えそうです。