この記事は富士通株式会社FSWebユニット(旧株式会社富士通システムズウェブテクノロジー)が企画するいのべこ夏休みアドベントカレンダー 2021の15日目の記事です。本記事の掲載内容は私自身の見解であり、所属する組織を代表するものではありません。
はじめに
本記事ではAsana社のサービスであるAsanaの具体的な活用方法について紹介したいと思います。
私は過去にJiraの記事をいくつか書いていますが、Jiraは本格的なスクラムのプロジェクトでないとピタッとハマらないというのを改めて実感しています。そこで、自分の組織のタスク管理にはTrelloを使い始めましたが、このツールもカンバン指向が強いというか、どうもしっくりこない。。。
そんな感じで、様々なタスク管理ツールを試行錯誤している中でAsanaというツールに出会いました。無料版の範囲でも今のところ良い感じに活用できているので、私なりの使い方を紹介しようと思います。
ちなみに先日、プログラムに合格しAsanaアンバサダーに認定されました。
個人タスク管理とツール
私はしっかり個人タスク管理をするタイプの人間です。やるべき仕事を忘れていて納期超過するようなことは過去にほとんどありません(確信犯で納期超過することは日常茶飯事ですが)。
私は社会人歴20年くらいになりますが、入社以来、我流で個人タスク管理をしてきました。(改めて調べてみるとGTD(Getting Things Done)が酷似しており、我流でGTDを編み出したと勝手に思っていますwww)
タスク管理の具体的な方法はテキストエディタによる原始的なものです。実際に仕事を通して発生するタスクの複雑さと変更頻度に耐えられるツールがテキストエディタ以外に無かったからです。
そんな私のタスク管理ツールの座をテキストエディタから20年振りに奪い取ったのがAsanaです。
仕事と個人タスクの特性
そもそも仕事で発生するタスクとはどういうものでしょうか?
主で担当しているプロジェクトの作業は、プロジェクトのWBSとして誰かが管理してくれるので忘れることはありません(忘れると進捗会議とかで怒られるので忘れない)。一方、「雑用」的なタスクはどうでしょうか?メールやチャットで届く依頼事項への対応、会議の予約、e-Learningの受講、月例の事務作業、・・・。こういった雑用的なタスクが多方面から超大量に降ってくるというのが仕事の現実です。
個人タスク管理で意識すべきは、プロジェクトWBSではなく、雑用の方です。というより、プロジェクトWBSと雑用をフラットに管理する意識を持った方が上手くいきます。プロジェクトWBSは1つ1つを消化するのに時間がかかりますが数はそれほど多くないと思います。一方、雑用は小さいが数は膨大になります。雑用をどのように捌いていくかが重要なのです。
雑用管理に耐えられるツール「Asana」
プロジェクトWBSを管理するツールとしては、Redmine、Jira、Trelloなどは優良だと思いますが、これらのツールは私の基準では個人の雑用の管理には耐えられませんでした。それはツールの応答性能(もっさり感)と過剰なUI(カンバン)が主な理由です。そこで私は応答性能が良く、シンプルに使えるテキストエディタを愛用していました。
しかし、テキストエディタで満足していたか?というと必ずしもそうではありませんでした。管理職になって、部下に雑用を依頼して完了まで監督することが多くなってきたため、チームの雑用管理を上手くやる方法はないか?と考えるようになりました。
こんな潜在的な悩みを抱えていた頃に、Asanaに出会いました。
Asanaはいわゆるチームのチケット管理ツールです。チャットツールのように軽快に動作してタスクを入力でき、タスクの視認性がとても良いことが私が気に入っている理由です。また、後で知ったのですが、Asanaのマイタスク画面は上述したGTDのコンセプトに基づいて設計されているらしく、どおりで私の我流と相性が良いはずですwww。
私が他のチケット管理ツールとAsanaが決定的に違うと感じている点は以下の点です。すなわち、Redminie、Jira、TrelloはプロジェクトWBS管理はできても、私の個人タスク管理の要求は満たせませんでしたが、Asanaは私の個人タスク管理の要求を満たした上で、チームのタスク管理、プロジェクトWBS管理まで拡張できる可能性を秘めている点です。
本記事ではチームのタスク管理、プロジェクトWBS管理までは説明できませんが、まずは個人タスク管理としての使い方について説明していきたいと思います。
Asanaアカウントを作成する
Asana本家サイトから「無料で試す」をクリックして始めましょう(2021年8月時点のスクリーンショットです)。
するとメールが届くので氏名、パスワードを入力します。以降、質問に答えていくと下記のようなホーム画面が表示されます(途中のスクリーンショットは割愛します)。
Asanaによる個人タスク管理
本記事では、「マイタスク」を使って個人タスクを管理する方法について具体的に説明していきます。
タスクを追加する
早速タスクを追加していきましょう。「マイタスク」画面の上部ボタン「タスクの追加」をクリックしてみましょう。「Recently assigned」というセクションの下に「タスク名を入力」という行ができカーソルが点滅しているはずです。ここにタスク名を入力するだけです。
我流タスク入力のコツ
我流のタスク入力のコツを記載します。
- タスク名には明日の自分が思い出せる文章でタスクを入力する
- 明確な期日があるタスクには、タスク名に「アドベントカレンダーの記事を執筆する ~8/30」のように期日を文章として入力する
- 「期日」列に、次にこのタスクのことを思い出して着手する日を入力する
- 「期日」列は未入力にしない(未入力だと永久に着手しない)
Asanaのタスクには「期日」があるのに、なぜタスク名に文章として期日を入力するのでしょうか?この使い方はかなり我流で奥が深いです。Asanaでは「期日」は特別扱いされています。超過すると赤くなります。期日が近づいてくると「今日」「明日」という文字で緑色表示、1週間先までは「火曜日」「水曜日」といった表記になり目立ちます。この期日列に着目して、今日やるタスクを見落とさないようにすることが上手く活用するコツです。
すべてのタスクが1日で完了できるような簡単なものであれば良いのですが、何日かかけてコツコツやらなければ完了できないタスクも多いでしょう。そんな何日もかかるタスクに対して最終期日を「期日」として設定してしまうと、着手することを忘れてしまい、気づいた時には手遅れとなってしまう可能性があります。これを避けるために、タスク名の本文に最終期日を記載し、期日は次に着手する日を設定するという方法を提案します。
タスクをセクションに振り分ける
「マイタスク」画面は、初期設定で「Recently assigned」「Do today」「Do next week」「Do later」の4つのセクションに分かれています。作成したタスクを各セクションに振り分けましょう。その際に、私は以下の基準を採用しています。
- Recently assigned - 空にする
- Do today - 今日着手するタスクを配置する
- Do next week - 明日以降、近日中にやるタスクを配置する
- Do later - 上記以外のタスクを配置する(一旦、忘れてもいいタスクを配置する)
(最近のバージョンアップでマイタスクのセクションを増やしたり名前変更ができるようになりましたが、一昔前は「最近の割り当て」「今日」「近日」「後日」という4つのセクションで固定でした。3つ目の「Do next week」というのがしっくりこない。今日の次は翌週ではない・・・。「近日」の方が良かった。)
セクション移動の操作方法は下記スクリーンショットの通り、タスクにカーソルを合わせて「↓↑」アイコンをクリックすると出てくるコンテキストメニュー「セクション間で移動する」から移動先を選択するだけです。
タスクを完了する
タスクが片付いたら、タスク名の左側のチェックアイコンをクリックしましょう。するとタスクが完了状態になり表示されなくなります。どんどん消し込んでいきましょう。
1日の流れ
Asanaを使った個人タスク管理を具体的にイメージできるように、朝仕事を始めてから夕方仕事を終えるまでの流れをシミュレーションしてみたいと思います。
朝イチ⇒「Do today」セクションの計画
今日やる予定のタスクを「Do today」セクションに移動します。
見落としがないようにより詳細に思考を言語化すると下記の通りです。マイタスクにあるすべてのタスクを上から順に見ていきます。期日が「今日」になっているタスクであれば、内容を思い出して今日やるかどうかを決めます。今日やるなら「Do today」セクションに移動します。今日やらなくてもいいと思ったら期日を見直してもOKです。その場合は「Do next week」セクションか「Do later」セクションに移動しておきます。期日が「今日」になっていなくても、今日やっておいた方が良さそうと予感するものは「Do today」セクションに移動しましょう。
そのあと、今日のタスクをドラッグ&ドロップしてやる順番に並び替えておきましょう。私の場合は管理職ということもあり会議が多いので、会議の予定もその日の朝イチにタスクとして入力するようにしています。
例:タスク名「◆8/15 10:00~11:00 チームミーティング」
このように会議をタスク化しておくと、その会議の前までにやらなければならない準備タスクの時間の確保や、会議の間のスキマ時間などがイメージしやすくなるため、1日の時間の過ごし方を計画しやすくなります。
以上の手順を実行すると、今日やる予定のタスクが「Do today」セクションに入っている状態になると思います。あとは基本的に上から順番に片付けていくだけです。
日中⇒新たなタスクの追加
日中に仕事をしていると、望む・望まないに関わらず新たなタスクが発生します。例えば会議でアクションアイテムを担当することになった、メールやチャットで依頼事項を受け取った、やるべきタスクを思いついた等です。
こういった新たなタスクは発生した時点ですぐにマイタスクに追加していきましょう。それだけ軽快に操作できるツールです。タスク名や期日を適切に入力する余裕がないときは「Recently Assigned」セクションにタスク名だけ乱書きしておきましょう。そして余裕ができたときに、あとで思い出せるようにタスク名を訂正し、期日を設定して、適切なセクション「Do today」「Do next week」「Do later」に振り分けておきます。
夕方⇒今日中に終わらないタスクの期日見直し
夕方になって「Do today」セクションにあるタスクがほぼ片付いていることは稀です(私の場合)。「Do today」セクションにあるタスクを棚卸して、今日中にやるのか?明日以降に先送りしてしまうのか?を決めます。先送りするタスクは「期日」を変更して「Do next week」「Do later」セクションに振り分けてしまいます。そして、「Do today」セクションに残っているタスクを片づけて1日の仕事を終わりにしましょう。
まとめ
私はAsanaを使うことで、以前はテキストエディタで行っていた個人タスク管理を置き換えるができました。もし共感される方がいたら参考にしていただけると幸いです。
この記事は以上ですが、Asanaの可能性は当然ながら個人タスク管理には留まりません。個人タスク管理だけであればテキストエディタから乗り換えるほどの動機にはならなかったでしょう。自分がチームを持った時に、チーム内で雑用を含むタスクを管理していくときに真価が発揮され始めます。後続の記事をご期待ください(いつになるか分かりませんが)。