21
27

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

pybottersでbybitの約定履歴と板情報をMongodbに保存するスクリプト

Last updated at Posted at 2021-07-13

仮想通貨トレードbotのオープンソースライブラリpybottersを利用して、バックテスト用のデータを保存するスクリプトです。本記事の内容はpybotters開発者のまちゅけんさんのDiscordでのレクチャーを、私が勝手にまとめたものになります。まちゅけんさんがすでに同様の記事を書いているので、まずはこちらを参照してもらったほうがいいかもしれません。(参考)BybitのWebSocketから約定履歴をデータベースに溜め込むスクリプト【pybotters】

スクリプト本体

以下のスクリプトを実行すると、bybitの約定履歴と5秒ごとの板情報がMongodbに保存されます。

bybit_mongodb.py
import asyncio
import pybotters
import motor.motor_asyncio
import json
import time
from rich import print
import datetime


async def main():
    async with pybotters.Client() as client:
        store = pybotters.BybitDataStore()
        await client.ws_connect(
            'wss://stream.bybit.com/realtime',
            send_json={
                'op': 'subscribe',
                'args': ['orderBookL2_25.BTCUSD', 'trade.BTCUSD'],
            },
            hdlr_json=store.onmessage,
        )

        # MongoDBクライアント
        mongo = motor.motor_asyncio.AsyncIOMotorClient()
        db = mongo['bybit']
        collection_orderbook = db['orderbook']
        collection_trade = db['trade']

        # 最初のsnapshotが送られてくるまで待つ
        while not len(store.orderbook) >= 50:
            await store.orderbook.wait()

        while True:
            # trade保存
            trade = store.trade.find()
            if trade:
                # DBに保存する分はDataStoreから削除
                store.trade._clear()
                await collection_trade.insert_many(trade)
                print(trade)

            # orderbook 保存
            symbol = 'BTCUSD'
            orderbook = store.orderbook.sorted({'symbol': symbol})
            text = json.dumps(orderbook)
            doc = {'time': time.time(), 'symbol': symbol, 'orderbook': text}
            await collection_orderbook.insert_one(doc)

            # best_ask, best_bid 表示
            # この部分は動作確認用のprint機能なのでなくても動きます
            best_ask = float(orderbook['Sell'][0]['price'])
            best_bid = float(orderbook['Buy'][0]['price'])
            spread = best_ask - best_bid
            spread_ratio = spread / best_ask
            time_str = datetime.datetime.now().strftime('%Y-%m-%d %H:%M:%S')
            print(
                [
                    time_str,
                    {'best_ask': best_ask, 'best_bid': best_bid},
                    {'spread': spread, 'spread_ratio': '{:%}'.format(spread_ratio)},
                ]
            )

            # データを保存は5秒ごとに行う
            await asyncio.sleep(5)


try:
    asyncio.run(main())
except KeyboardInterrupt:
    pass

実行結果

実行するとターミナルに5秒ごとにbest ask, best bidと約定履歴がprintされます。
Screenshot from 2021-07-12 22-22-50.png

Mongodbには以下のように約定履歴が保存されます(GUIツールはMongoDB Compassを使用しています)。
Screenshot from 2021-07-12 22-27-42.png

板情報についても5秒ごとに{"Sell": [], "Buy": []}の形でask, bidの価格、サイズがリストでソートされたものが保存されていきます。

スクリプトの概要

bybitのpublic websocketに接続し、約定履歴と板情報を取得しています。データの保存に関しては、pybottersのDataStoreクラスを用いて、約定履歴(trade)、板情報(orderbook)を5秒ごとにDBに書き出しています。スクリプト上でstoreという名前で定義されているのがそれです。

        store = pybotters.BybitDataStore()

DataStoreクラスは、Websocketから受け取った情報をリアルタイムで格納しておくためのもので、実際のbotトレードではstoreに格納されている情報を参照し売買ロジックの計算を行います。DataStoreクラスはbotトレード用の機能であり、今回のようなデータ収集のための機能ではないのですが、それを転用してデータ収集にも使えますという感じです。

DataStoreクラスを使わないでデータを保存する方法は、まちゅけんさんの記事が参考になります。BybitのWebSocketから約定履歴をデータベースに溜め込むスクリプト【pybotters】

スクリプトの流れ

Websocket接続のコード

今回は板情報と約定履歴が欲しいので、orderbook2_25とtradeのチャンネルをsubscribeします。ハンドラ関数の部分は、store.onmessageとし、storeにWebsocketから流れてきたデータをリアルタイムで格納するようにします。

    async with pybotters.Client() as client:
        store = pybotters.BybitDataStore()
        await client.ws_connect(
            'wss://stream.bybit.com/realtime',
            send_json={
                'op': 'subscribe',
                'args': ['orderBookL2_25.BTCUSD', 'trade.BTCUSD'],
            },
            hdlr_json=store.onmessage,
        )

約定履歴の保存

store.trade.find()でstoreに格納されたtradeの情報を参照しています。store.tradeは直近10万件の約定履歴を保存する仕様になっていますが、今回は5秒ごとにstoreからDBにデータを移し替えて、移し替えた分のstore.tradeの値は削除したいので、保存処理(insert_many)の前にclear()処理を入れています。

(補足)insertする前にclearするようにしてください。今回はinsertが非同期処理のため、insert処理実行中にもstoreには約定履歴が溜め込まれています。insertしてからclearしてしまうとinsert実行中に溜め込めれたデータがあった場合はDBに保存されずにclearされてしまいます。insertする前にclearしておけば、このような事態を避けられます。

            # trade保存
            trade = store.trade.find()
            if trade:
                # DBに保存する分はDataStoreから削除
                store.trade._clear()
                await collection_trade.insert_many(trade)
                print(trade)

板情報の保存

orderbookは、直近の板情報がstore.orderbookに格納されています。sorted()でask, bidをソートしてリストとして出力できるので、これをDBに保存します。

            # orderbook 保存
            symbol = 'BTCUSD'
            orderbook = store.orderbook.sorted({'symbol': symbol})
            text = json.dumps(orderbook)
            doc = {'time': time.time(), 'symbol': symbol, 'orderbook': text}
            await collection_orderbook.insert_one(doc)

ループ処理の頻度

今回は5秒おきに板情報を保存するのでasyncio.sleep(5)として、5秒ごとのループを実行します。こちらの数字を変更すれば、何秒おきに保存するかを設定できます。またawait store.trade.wait()のように書き換えれば、約定があったタイミングで板情報を保存できます。

            # データを保存は5秒ごとに行う
            await asyncio.sleep(5)

応用

bybit以外でもFTX, Binanceなどの取引所でDataStoreクラスが整備されているため、今回のようなスクリプトでデータ収集できます。またWebsocket接続部分で、複数通貨をsubscribeすれば、複数通貨のデータを同時に収集できます。板情報を書き出す際はorderbook = store.orderbook.sorted({'symbol': symbol})のsymbolを、特定の通貨に書き換えてデータを保存してください。

私の実行環境

上記のスクリプトを24時間流すことでバックテスト用のデータを自炊することができます。私はなるべくコストを抑えて自炊したいので、ラズパイにHDDを接続してスクリプトを流しています。ラズパイを用いるときの注意ですが、MongoDBは64bitのOSしかサポートしていないため、ラズパイが32bitだと上記のスクリプトを実行することができません。ラズパイを用いる場合は64bitのOSをインストールしてください。私はUbuntuの64bitをインストールしています。

最後に

pybottersのDataStoreクラスを用いて、バックテスト用のデータをMongodbに保存することができました。このような素晴らしいライブラリをオープンソースで提供してくれたまちゅけんさんに感謝。

21
27
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
21
27

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?