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Raspberry Pi で MPEG-2 TS の動画を H.264 にハードウェアエンコードする(ffmpeg版)

Last updated at Posted at 2017-03-05

この記事について

Raspberry Piを使って、どのご家庭にもある.tsなファイルを圧縮してディスクの空き容量を増やし、
さらに溜め込んでいくぞという試みです。

以下の2モデルで確認しています。

  • Raspberry Pi(初代) Model B+
  • Raspberry Pi3 Model B

従来、Raspberry PiでのハードウェアエンコードではGStreamerを使って行うのが一般的でした。
しかし、GStreamerはそもそもこのような単純な動画エンコードを目的としたツールではないため、

  • オプションなどがわかりにくい
  • 情報が少ない

などの問題がありました。
そこで、本記事では皆さんが使い慣れたFFmpegを使ってハードウェアエンコードを行っていきます。
なお、FFmpegがRaspberry Piのハードウェアエンコードに対応したのは2016年中頃のようです。

事前準備

  • Raspbianの初期設定
  • MPEG-2ライセンスの入手と設定

この辺りの説明は割愛します。各自お好きなようにしてください。

FFmpegのビルド

ここから本編です。

$ wget https://ffmpeg.org/releases/ffmpeg-snapshot.tar.bz2
$ tar jxvf ffmpeg-snapshot.tar.bz2
$ cd ffmpeg
$ ./configure --enable-static --enable-omx-rpi --enable-mmal

# 使用している Raspberry Pi のCPU数に応じて変更 (Pi=>1, Pi3=>4 あたり)
$ make -j4
# Piだと6時間弱, Pi3でも40分程度かかります

$ sudo make install

エンコード

ビルドしたffmpegを使ってエンコードしていきます。
ハードウエアエンコードにありがちですが、以下の操作をしようとすると、エンコード速度が落ちます。

  • 解像度を変更する
  • インターレースを解除する

あくまでファイル容量削減程度に考え、割り切ってエンコードしていくのが良さそうです。

hoge.tsをH.264に変換する例です。h264_omxがポイントです。

$ ffmpeg -fflags +discardcorrupt -i hoge.ts -bsf:a aac_adtstoasc -c:a copy -b:v 5000k -c:v h264_omx -y hoge.mp4

-fflags +discardcorrupt -bsf:a aac_adtstoasc あたりはaudioのコピーをするためのオプションです。
audioをそのままコピーすることによってエンコード速度低下を防いでいます。

-b:v 5000k でmovieのビットレートを指定できます。
元の解像度や好みによって変えると良いと思います。

上記オプションの場合、
- Raspberry Pi: 動画長さの3倍程度の時間
- Raspberry Pi3: 動画の長さとほぼ同じ時間
でエンコードできるようです。

あとは各自でスクリプト書くなりして、どんどんエンコードしていきましょう。💪

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