はじめに
ビジネスモデリングを行うときに、対象とする市場の調査を行い、結果をもとに「どの市場を狙うか」「どんな戦略を取るか」を決めるためプレゼン資料を作成すると思います。
今回は、市場調査~プレゼン資料作成までAIを使用して行いたいと思います。
市場調査
① 市場調査プロンプト
市場調査には「GeminiのDeepResearch機能」を使用します。
DeepResearch機能は、AIが多くのサイトなどから対象の調査を行い、結果をレポートとしてまとめてくれる機能です。簡単なプロンプトから調査計画→調査→レポートを出力してくれます。
DeepResearchを行うために以下のような内容を入力します。
- 調査の目的・背景
なぜ市場調査をするのか?どのような結果を求めるか? - 対象市場の定義
調査対象の 製品・サービスのカテゴリなど - ビジネス課題や仮説
「なぜこの市場が有望だと思うのか?」という 仮説
今回は「Flutterに強いSler企業の新規事業展開としてエドテック(教育×技術)分野への新規事業展開に関する市場調査」を仮定してプロンプトを作成してみました。
※ この対象市場もDeepResearchを使用して決めました
# コンサルティング依頼:エドテック分野への新規事業展開
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## 目的
当社は、**モバイルアプリケーション開発**、特に **Flutter** を主要な技術スタックとするSlerとして、成長著しい **エドテック(教育テクノロジー)分野** への新規事業展開を検討しています。
本コンサルティングの目的は、**当社の技術的強みを最大限に活かし、エドテック市場における具体的なビジネス機会を特定し、実現可能な参入戦略を策定すること** です。
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## 背景
近年、教育分野ではデジタル化の波が加速しており、**オンライン学習の普及** や **個別最適化された学習体験へのニーズ** が顕著に高まっています。
日本市場においても、**エドテック市場は2025年に147億9,710万米ドルに達し、2033年にかけて年平均成長率20.06%で成長する見込み** であり、教育アプリ市場全体も同様に高い成長が予測されています。
一方で、教育現場には以下のような課題が存在します。
- 教育の格差
- グローバル人材育成の難しさ
- 個別のニーズへの対応不足
- 教育現場の過重労働
これらの課題を解決するため、デジタルソリューションの導入が強く求められています。
当社の強みである **Flutter** は、単一のコードベースで **iOS / Android 双方に高品質なアプリを効率的に開発できるクロスプラットフォーム技術** であり、**リッチなUI/UXを少ない工数で実現可能** です。
これにより、**インタラクティブで魅力的な学習アプリや教育コンテンツを迅速に市場投入できる可能性** を秘めています。また、**既存の教育機関のシステムとの連携も容易** であり、**AIを活用したパーソナライズされた学習体験の提供** にも適しています。
このような市場環境と当社の技術的優位性を踏まえ、エドテック分野への参入は大きな成長機会をもたらすと考えています。
しかし、教育現場特有の **商習慣や法規制への対応、質の高いコンテンツ開発、デジタルリテラシーの底上げ** といった課題も存在するため、**専門的な知見を持つコンサルタントの支援を仰ぎ、成功確度の高い事業戦略を構築することを目的としています**。
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## 出典
- [日本EdTech市場規模、動向、予測レポート2033 - IMARC Group](https://imarcgroup.com/report/ja/japan-edtech-market)
- [教育アプリ市場規模、共有 | 2033年の調査レポート](https://globalgrowthinsights.com/jp/market-reports/education-apps-market-110618)
- [教育テクノロジー(Ed Tech)とスマート教室市場レポート 2025年New Data | 2033年の成長予測](https://marketgrowthinsights04.gorillawiki.jp/entry/dd38ca2546784d768822fccb76b496c6)
- [教育現場を変革する「エドテック(EdTech)」とは?具体例や導入メリットを紹介](https://edix-expo.jp/hub/ja-jp/blog/blog36.html)
- [いま注目のEdTech(エドテック)業界を解説!市場規模や現状、課題をご紹介 - Wantedly](https://wantedly.com/companies/sejuku/post_articles/934754)
② DeepResearchによる市場調査結果
プロンプトを実行することで以下のような調査レポートを取得することができます。
※ 全文:レポート
プレゼン資料作成
① スライド用のプロンプト作成
スライド生成AIサービス用に、レポート内容からスライド作成用のプロンプトを作成します。
プロンプト作成用のメタプロンプトに項目を入れます。
- スライドを作成するプロンプトであること
- ページ数
- ページごとにタイトルをつけて内容をまとめること
- 音声読み上げソフト用の発表内容を項目として追加すること
※ メタプロンプトはプロンプトを作るためのプロンプト
※ メタプロンプト→プロンプト→AIでスライド生成
生成されたプロンプト:プロンプト
② Gammaによるスライド生成
①で作成したスライド用プロンプトを使用して、スライドを生成します。
スライド生成にはGammaを使用します。
Gammaは与えたテキストの内容を要約してスライドを生成してくれる機能があるので、生成時にプロンプトの内容のみ使用してスライド生成することができます。
生成されたスライド:スライド
③ スライドの読み上げ音声生成
①で作成したスライド用プロンプトから、音声読み上げソフト用の「発表内容」項目をGeminiで抽出します。※ スライド移動部分は修正
抽出したテキストをGoogle AI Studioを使用して音声生成を行います。
Google AI Studioでは無料でテキストから音声生成を行うことができ、まるで人間が話すような音声を作成することができます。
生成された音声は、スライドの1ページ目に[音声]として挿入します。
※ Googleスライドで別タブで音声は開く必要があります
活用方法
以下のような使用方法ができるかなと考えています。
- 「発表用スライド」を関係者や意思決定者に共有することで、調査結果・方向性などを視覚的・聴覚的に伝えることができます。
- また発表用スライドの根拠となる「調査レポート」をNotebookLMに取り込んで共有することで、発表用スライドに関する疑問などのQAをNotebookLM内でしてもらうことができます。
- そのQAでも解決しない内容や追加の調査などを人間が再度AIを使用して行います。
おわりに
今回は、AIを使用した市場調査から資料作成までを考えてみました!
様々な工程で適切にAIツールを使用すれば、効率が何倍にもなると思います。