はじめに
このドキュメントでは、TDD(テスト駆動開発)の学習として、カスタムORMの実装に取り組んだ経験をまとめています。Claudeの提案により、ORMの実装は以下の理由でTDDの学習に最適だと判断しました:
- 明確な要件定義が可能
- 段階的な機能追加が自然
- テスト可能な単位が明確
- リファクタリングの機会が多い
1. TDDとAIを活用した開発の本質
1.1 なぜTDDなのか
TDDを選んだ理由は、単なるテスト手法の学習ではなく、より本質的な開発の質を高めるためでした。特に、AIを活用した開発において、TDDは以下の点で重要な役割を果たします:
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設計の質の向上
- テスト可能な設計の自然な導出
- インターフェースの明確化
- 責務の適切な分離
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開発の効率化
- 明確な目標の設定
- 段階的な機能追加
- 早期のバグ発見
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保守性の向上
- テストによる仕様の文書化
- リファクタリングの安全性
- 変更の影響範囲の把握
1.2 AIとの協業での気づき
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実装の粒度
- AIは大きな単位での実装を提案しがち
- 小さな単位での実装を要求する必要がある
- テストケースを先に書くことで、適切な粒度を維持
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エラーハンドリング
- AIは基本的なエラーケースしか考慮しない
- エッジケースのテストを追加することで、より堅牢な実装に
- エラーメッセージの具体性を高める
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リファクタリング
- AIの提案をそのまま採用せず、テストを書きながら改善
- コードの重複を発見し、適切な抽象化を検討
2. 実践的な学びと気づき
2.1 テストケースの具体例
実際の開発で遭遇した興味深いケースを紹介します:
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カラム名の命名規則
@Entity class User { @Id private Long id; @Column // 名前を指定しない場合 private String myName; @Column(name = "user_name") // 名前を指定する場合 private String userName; // スネークケース }
このようなケースで、カラム名の解決が正しく行われない問題を発見しました。mynameというカラムが生成されるという結果になり、my_nameという期待値とずれてしまうというものです。テストを書くことで、命名規則の例外ケースに気づくことができました。特に、アンダースコアを含むケースでの抜け漏れが多かったです。
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実装の分割
- 小さな単位での実装を心がける
- テストが書きやすい設計を意識
- リファクタリングの機会を逃さない
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AIの活用方法
- 具体的な指示を出す
- 段階的な実装を要求
- テストケースの優先順位を明確に
2.2 実際の開発での課題
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テストの優先順位
- 基本機能のテストを先に書く
- エッジケースは後から追加
- パフォーマンステストは最後に
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実装の分割
- 小さな単位での実装を心がける
- テストが書きやすい設計を意識
- リファクタリングの機会を逃さない
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AIの活用方法
- 具体的な指示を出す
- 段階的な実装を要求
- テストケースの優先順位を明確に
3. 今後の展望
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TDDの深化
- より体系的なテスト設計
- テストカバレッジの向上
- テストの自動化
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機能の拡張
- リレーションシップのサポート
- トランザクション管理
- マイグレーション機能
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学習の応用
- 他のプロジェクトへの適用
- チーム開発での活用
- ベストプラクティスの確立
4. まとめ
TDDによるカスタムORMの実装を通じて:
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TDDの実践的な理解
- テストファーストの効果
- リファクタリングの重要性
- 継続的な改善の価値
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設計の質の向上
- テスト可能な設計の導出
- 明確なインターフェース
- 保守性の高いコード
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開発プロセスの改善
- 段階的な機能追加
- 早期のバグ発見
- 継続的な品質確保
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AIとの協業
- 適切な指示の出し方
- 実装の分割と統合
- 学習の効率化
これらの経験は、今後のプロジェクトでも活かせる貴重な学びとなりました。特に、AIを活用したTDDの実践において、適切な粒度での実装とテストの重要性を学ぶことができました。
5. おわりに
カスタムORMの実装を通じて、TDDの実践的な学びを得ることができました。特に、AIを活用した開発において、テストの重要性を再認識しました。
ORM作成はまだまだ途中なので、今後も引き続き続けていこうと思います。
GitHub:https://github.com/iineineno03k/custom-orm