はじめに
LANがどのように構築されているのかを理解する。
具体的な内容は以下である。
・有線LANの構成
・無線LANの構成
・無線で使用される周波数について
・LAN内で扱うIPアドレス
LANとは?
コンピュータネットワークの3分類の中で、
一番規模の小さいネットワーク。
具体的には:
有線の場合、ハブによって物理的に接続した機器で構成される範囲。
無線の場合、アクセスポイントから電波が届く範囲。
有線LAN
有線LANは、ネットワークハブを中心にしてLANケーブルで機器を接続することで、
ネットワークを構築している。
一般家庭では、ブロードバンドルータにハブの機能が
内蔵されていることが多い。
構成図
機器
有線LANを構築するための主要な機器は以下である。
1.モデム/ONU
電話回線の場合、回線を通してアナログ信号が伝達されている。
それをネットワーク機器が扱えるデジタル信号に変換するため、
モデムが必要である。
一方、光回線の場合、光信号をデジタル信号に変換するための、
ONU(光回線終端装置)が必要である。
2.ネットワークハブ
機能によって3つに分類される。
・リピータハブ
送られてきたデータを自身に接続されている全ての機器に転送する。
宛先に関わらずブロードキャストするため、コリジョンが発生しやすい。
・L2スイッチ(スイッチングハブ)
自身に接続されている機器のMACアドレスを認識しているため、
データを宛先の機器のみに転送する。
・L3スイッチ
MACアドレスに加えIPアドレスで機器を識別するため、
LAN間(VLAN)を繋げることができる。
VLANとは:
物理的な1つのLANを、仮想的な複数のLANに分割する技術。
例えば、L3スイッチに5台のホストが接続されているとき、
1~2ポートと3~5ポートをそれぞれ独立したLANとして扱うことができる。
ルータとの違い
ルータは、LANと外部ネットワークの間に設置される機器である。
一方L3スイッチは、ルータのようにNATやNAPT、VPNなどの機能が備わっていないため、
LANと外部ネットワークを繋げることはできない。
そのため、LAN内に設置される機器である。
NATとは:
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを相互変換する技術。
一方NAPTは、一意のポート番号もIPアドレスと共に変換する技術。
VPNとは:
物理的な専用回線を用いずに、
公衆回線を仮想的に独立した専用回線のように使用する仕組みのこと。
https://qiita.com/iheuko/items/0ea6f0746f185707d0e7#vpn
3.ルータ
異なるネットワーク間を繋げる機器。
ルーティングテーブル
ルータは、経路情報をルーティングテーブルとして保持している。
そこには宛先のネットワークに届けるためにはどのルータに転送すればよいか
という情報が記載されている。
ルーティングテーブルはネットワーク管理者が手作業で作成するか、
ルーティングプロトコルによって自動で作成するかの2つの方法がある。
テーブルで宛先情報を網羅できるの?:
テーブルに記載されていないネットワークが宛先の場合は、
多くの情報を持つルータに転送する。
規格
有線LANでは、通信規格であるイーサネットが利用されている。
イーサネットでは、ソフトウェアとハードウェア仕様を
合わせて定義している。
具体的には:
ソフトウェア仕様では、イーサネットフレームフォーマットなど。
ハードウェア仕様では、ケーブルの仕様など(材質や伝送速度、電圧の変化etc)。
無線LAN
電波通信によってネットワークを構築している。
通信制御方式は、CSMA/CAを採用している。
CSMA/CAとは:
機器間でデータの混信を防ぐ方法の1つ。
電波を発信する際に、他の機器が発信していないことを確認してから送信する。
他の機器はその通信が終了するまで待機する。
親機はACKで知らせる。
構成図
機器
無線LANを構築するための主要な機器は以下である。
1.モデム/ONU
2.無線LAN親機(ルータ)
規格
無線LANは、Wi-FiやBluetoothなどの無線通信規格が利用されている。
周波数
無線LAN規格によって異なるが、
周波数帯は2.4GHz帯と5.GHz帯を使用している。
周波数帯を一定のHz幅にチャンネルとして分割することで、
複数の機器を電波の干渉をさせず接続している。
例えば、2.4GHz帯なら22MHz毎に区切り13チャンネル存在する。
チャンネルボンディング:
複数のチャンネルをまとめて、1台の機器が使用すること。
通信速度の高速化が期待できる。
周波数とは?
1秒間で繰り返す波の数。
単位はHz。
1組の山と谷で1Hzを示す。
1回振動した時の長さ(山から次の山まで)を波長という。
周波数の正体:
周波数は、特定の事象を示す言葉ではない。
重さや速さなどの様に、多分野で使用される物事の指標の1つである。
音や光、電波や電気信号などで用いられる。
電波
電波とは、空間を伝わる電気エネルギー(電磁波)の一種。
電波の大きさは周波数で表される。
電磁波の内、周波数が3THz以下のものを電波と呼ぶ。
電波は、色々な場所で利用されている。
例えば、無線LAN、ラジオ、気象レーダー、衛星放送など。
それぞれで使用できる電波の周波数帯は決められ、割り当てられている。
例えば、スマホなら300MHz~3GHz周辺。
伝わり方
電波は、音や光と似た性質を持つ。
障害物に対しては、反射するか縁に沿って裏側に回り込む。
また、障害物の材質によって通り抜けることもある。
上記の事が発生するたびに、電波は弱まっていく。
プライベートIPアドレス
IPアドレスの一定範囲だけプライベートIPとして、
LAN内で使用することができる。
範囲:
10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
サブネットマスク
IPv4で使用されている、
Ipアドレスのネットワーク部を示すアドレスのこと。
IPv4:
2進数32ビットの数値。
10進数表記の場合、8ビット分を1かたまりに4分割してドットで区切っている。
・表記法
サブネットマスクは、2進数表記とCIDR表記(プレフィックス表記)がある。
2進数表記の場合、ネットワーク部を1、ホスト部を0として示す。
CIDR表記の場合、IPアドレスに続けて10進数表記でネットワーク部を示す。
例:
2進数表記 11111111 11111111 11111111 00000000
CIDR表記 192.168.0.1/24
・管理者
グローバルIPアドレスの場合、プロバイダがサブネットマスクを管理している。
プライベートiPアドレスの場合、企業や家庭のネットワーク管理者が管理している。