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インターネットの構成

Last updated at Posted at 2024-02-20

はじめに

 インターネットがどのように構築されているのか理解する。
 内容は以下である。

 ・インターネット
 ・プロバイダ
 ・AS
 ・IPアドレス



要約

 インターネットは、世界中にあるTier1と国内の基幹ISPが
 相互接続されることで形成されている。

 ネットワークを管理する組織は、
 自身が管理する複数のネットワークをASとしてまとめて管理している。
 そのため、インターネットのスケールで考えるとAS間で通信が行われている。



インターネット

 コンピュータネットワークの3分類の中で、
 一番規模の大きいネットワーク。



プロバイダ(ISP)

 インターネットへの接続をサービスとして提供する会社。


階層構造

 ISPは、役割毎に階層構造になっている。

・基幹ISP
 最上位に位置するISPが基幹ISP(一次ISP)。
 各国には一次ISPが複数存在していて、それらは直接またはIXを介して接続されている。
 その中で、他国と海底や陸上ケーブルで直接接続されているものを
 Tier1という。

バックボーン:
 世界中のTier1が繋がることで形成されるネットワークや、
 国内の基幹ISPが繋がることで形成されるネットワークは、
 インターネットを形成する中核を担っているため、
 バックボーンと呼ばれている。

・二次/三次ISP
 基幹ISPの下層に位置する二次ISPは、一次ISPと直接またはIXを介して接続されている。
 三次ISPも同様の形態で二次ISPと接続されている。


     Wire LAN architecture


IX(インターネット・エクスチェンジ)

 世界中にあるISPやIDC(インターネットデータセンター)を接続するためのもの。

 無数にあるそれらを全て相互接続するのは、現実的ではない。
 そのため、IXが接点となって繋がりあっている。

IXは、LAN内におけるハブのような役割を担っている。


回線

 ISPは、物理的な回線を以下のように構築している。

・専用線
 専用線として自身で用意する。

・公衆回線
 回線事業者が保有する公衆回線(光ケーブルや電話回線など)を
 借りる。



AS(自律システム)

 いくつかのネットワークをまとめたネットワーク。
 インターネットはAS単位で相互接続して形成されている。

ASの範囲定義は?:
 ASはIANAに申請することで一意の番号(AS番号)が割り振られて使用される。
 つまり、地理による区画やISP毎というわけではなく、
 申請者が申請したネットワークの集まりがASである。

概要図

     Wire LAN architecture


プロトコル

 ASは、ルーティングプロトコルを用いて経路情報をやりとりしている。
 AS同士と、AS内の各ネットワーク間で使用するプロトコルは異なる。


接続方式

 AS間の接続は、ピアリングとIPトランジットの2つがある。

・ピアリング
 AS同士が接続する方式で、プライベートとパブリックピアリングがある。
 プライベートピアリングは、2つのASを接続する。
 パブリックピアリングは、IXを用いて複数のASを接続する。

・IPトランジット
 宛先のASに接続する時、間に別のASが介在する接続方式。
 介在するASはサービスとして提供している。

Tier1や基幹ISPなどの大規模ISPは、
多数のASと接続しているため、経路情報を保有している。
それをサービスとして下層ISPに提供している。



IPアドレス

 グローバルIPアドレスは、世界中にある管理組織が階層構造を形成し管理している。

 最上位に位置する団体がICANN(IANA)で、
 そこから地域(アジアやヨーロッパ、アフリカなど)、国(日本ではJPNIC)、
 そしてISPへと割り当てられていく。


    JPNIC
                              ©2015-2024 JPNIC

DNS

 IPアドレスとドメイン名を対応付けし、相互変換するためのシステムをDNSという。

ドメイン名:
 ドメイン名は1つのIPアドレスと対応付けするだけでなく、複数のIPアドレスと
 紐づけることができる。また、ドメイン名に別称を付けることができる。
 冗長性や負荷分散のため、それらが利用される。

・ドメイン名の定義
 webサイトのURLの内、一部をさしてドメイン名と呼んだり、
 ホスト名を含めてドメイン名(FQDN)と呼ばれることがある。

 例えばhttps://www.yahoo.co.jp/の場合、
 yahoo.co.jpをドメイン名と呼んだりwww.yahoo.co.jpをFQDNと呼ぶ。

wwwの意味は?:
 webサーバの慣習的な表し方。


DNS構造

 DNSは、キャッシュDNSサーバと権威サーバ(コンテンツサーバとも)で構成されている。
 2つを併せてネームサーバもしくは、DNSサーバと呼ぶ。

ネームサーバは、文脈によって権威サーバのみを指す場合がある。

     JPRS_nameserber
                   ©2001-2024 Japan Registry Services Co., Ltd.


・キャッシュDNSサーバ
 クライアント端末が名前解決で問い合わせるサーバ。

インターネット上でwebサイト閲覧やメール送受信時に、
内部的に名前解決が行われている。

 どこにある?
  契約しているプロバイダやルータが持っている。

 挙動
  クライアントから問い合わせを受けると、コンテンツサーバに問い合わせる。
  その結果をクライアントに返し、一時的に自身もその結果を保持する。
  同じ依頼が再度来た場合、コンテンツサーバに問い合わせをせず、
  自身の持つ情報を返す。


・権威サーバー
 実際にドメイン名を管理しているサーバ。

 階層構造
  1つの権威サーバが、ドメイン名情報をすべて管理しているわけではなく、
  複数のサーバが階層構造を成して管理している。
  最上位に位置するのがルートサーバで、以降はドメインのレベル毎の層に成っている。

ドメインレベルとは?:
 ドメイン名のドットで区切られた部分の呼称。
 右から順にトップレベル、セカンドレベルと続いていく。

lebel                  ©2001-2024 Japan Registry Services Co., Ltd.

    lebel
                          ©2015-2024 JPNIC

 管理する情報
  自身が管轄するIPアドレスとドメイン名の対応表や、下位サーバ情報を持つ。
  それらをゾーン情報という。
  ゾーン情報は、レコード形式のデータである。

レコード例:
 Aレコード:ドメイン名とIPアドレスの対応表(名前解決するためのレコード)
 NSレコード:委任する下位サーバのIPアドレス
 MXレコード:メールサーバを示す

  ルートサーバは、トップレベルドメイン(TLD)を管理するDNSサーバの
  IPアドレスなどの情報を保持している。
  TLDを管理するサーバは、自身が管理するTDLと下位サーバの情報を
  保持している。
  例えば、jpを管理しているサーバは、ne.jpやco.jpを管理している
  下位サーバの情報を持っている。

どこにある?
  プロバイダや企業、団体が保持している。

 挙動
  キャッシュDNSサーバから問い合わせを受けると、
  自身が持つゾーン情報を確認する。
  Aレコードがあればそれを返すが、ない場合は下位サーバのIPアドレスを返し
  そこに問い合わせし直すように促す。


nslookupコマンド

 DNSサーバと接続して名前解決を行うためのコマンド。
 引数で指定したIPアドレスもしくはドメイン名と、
 対応するドメイン名もしくはIPアドレスを調べることができる。

ドメイン名からIPアドレスを調べることを正引き、
IPアドレスからドメイン名を調べることを逆引きという。

 画面の見方

     nslookup

 ・サーバー
  自身が接続したDNSサーバのドメイン名。
  一般家庭では、契約したプロバイダもしくはルータのキャッシュDNSサーバ。
  問い合わせるサーバにドメイン名が登録されていないとUnknown表示になる。

 ・権限のない回答
  結果の表示。
  キャッシュDNSサーバが回答すると権限のない回答になる。
  コンテンツサーバに直接問い合わせをすると「権限のない回答」は表示されない。

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