バイオリン製作者ごとの重量一覧(顎当て除く)【2025/03/09版】
ChatGPT o3-mini-high が報告したバイオリン製作者ごとの重量一覧の資料を、ChatGPT o1 をもちいて再精査しました。この結果をここに貼り付けます。(10文字ほど調整しましたが、それ以外は o1 の出力ママ)
バイオリンの重量(顎当てを除く)は、顎当てやフィッティングの材質・形状、弦の種類、修復歴、測定時期や方法などにより大きく変動し得ます。
ここでは文献・オークション記録等から得られた複数の数値を基に、代表的な範囲と一言目安を示しています。
注意
- 「軽め」「中程度」「重め」などの分類は厳密な定義があるわけではなく、主に 400g 前後を境にした便宜的な目安です。
- 同じ製作者でも個体差が大きいため、下表の範囲と一致しないケースも珍しくありません。
- 元の文献に不確かなものが混在していたため、現状で比較的信ぴょう性が高いと考えられる情報のみを整理しています。
目次
一覧表
製作者 | 生年 | 顎当て無し重量範囲 | 重さ目安 (一言) |
---|---|---|---|
Andrea Amati | 1505 | 335~350g | 非常に軽量 |
Nicola (Niccolò) Amati | 1596 | 340~360g | 軽め |
Francesco Rugeri | 1628 | 360~440g (個体差大) |
幅広 (軽量~中/重め) |
Antonio Stradivari | 1644 | 370~420g | やや軽め~中程度 |
Pietro Guarneri (Peter of Mantua) |
1655 | 440~465g | 重め |
Carlo Bergonzi | 1683 | 360~370g | 軽め |
Domenico Montagnana | 1686 | 460~480g | 非常に重め |
Bartolomeo Giuseppe Guarneri (del Gesù) |
1698 | 420~460g | 中程度~重め |
Giovanni Battista Guadagnini | 1711 | 410~440g | 中程度 |
Lorenzo Storioni | 1744 | 435~455g | やや重め |
Giovanni Francesco Pressenda | 1777 | 405~430g | 中程度 |
Johann Baptist Schweitzer | 1790 | 430~445g | 中程度~やや重め |
Jean‐Baptiste Vuillaume | 1798 | 415~430g | 中程度 |
Nicolas François Vuillaume | 1802 | 420~435g | 中程度 |
Enrico Ceruti | 1806 | 425~440g | 中程度~やや重め |
Giuseppe Rocca | 1807 | 390~420g | 軽め~中程度 |
Gaetano Antoniazzi | 1825 | 410~430g | 中程度 |
August Riechers | 1836 | 435~450g | やや重め |
Stefano Scarampella | 1843 | 445~460g | 重め |
補足
- ストラディバリは文献により350g台の報告もあるが、測定条件等が不明確な場合が多いため上表では 370g~ とした。
- Francesco Rugeri は 360~440g と幅広く、保存状態による差が非常に大きいという報告が散見される。
各製作者のコメント
Andrea Amati (1505頃)
16世紀クレモナ派の創始者的存在。現存する楽器はオリジナルから改造を受けているものが多く、
顎当てを除いた重量335~350g程度との記録がある。非常に軽量な傾向。
Nicola (Niccolò) Amati (1596)
同アマティ一族の中心人物。340~360gほどとされ、軽量な個体が多い。
Francesco Rugeri (1628)
アマティ派の流れを汲む。360~440gという幅広い報告がある。
個体差・修復歴の違いで大きく変わると推測される。
Antonio Stradivari (1644)
最も有名な製作家。370~420g程度が多いが、
報告によっては350g台や430g超などバラツキもある。
多数の個体が現存し、それぞれ修復歴が異なるため一概には断定しがたい。
Pietro Guarneri (Peter of Mantua) (1655)
グァルネリ一族。440~465gのやや重めの楽器がよく報告されている。
Carlo Bergonzi (1683)
クレモナ派。360~370g程度が多いが、測定条件によっては多少上下する。
Domenico Montagnana (1686)
ヴェネツィアの名工。バイオリンは460~480g程度とかなり重め。
チェロの製作でも名高いが、バイオリンも大柄でずっしりしているとの指摘がある。
Bartolomeo Giuseppe Guarneri (del Gesù) (1698)
ストラディバリと並ぶクレモナの名匠。420~460gが多い。
“Il Cannone”は顎当てなしで約428gなど、やや重め。
Giovanni Battista Guadagnini (1711)
イタリア各地で活動し、多くの楽器を残した。410~440g程度の範囲との報告例が多い。
Lorenzo Storioni (1744)
18世紀後半~19世紀初期クレモナの代表的製作家。
435~455gほど。やや重めの個体が多い印象。
Giovanni Francesco Pressenda (1777)
19世紀のトリノ派。405~430g前後で、比較的中庸な重量帯と言われる。
Johann Baptist Schweitzer (1790)
ドイツ系の製作家(ラベル表記では“Schweitzer”)。
430~445g程度とされ、やや重め寄り。
Jean‐Baptiste Vuillaume (1798)
19世紀フランスの名工。415~430g程度。ストラディバリやグァルネリを模範とするコピーも多い。
Nicolas François Vuillaume (1802)
ジャン=バティストの親族。420~435gほど。ミルクールで活動した。
Enrico Ceruti (1806)
クレモナの19世紀製作家。425~440gとの報告が多く、中程度~やや重め。
Giuseppe Rocca (1807)
19世紀イタリア。390~420gほどで、軽めの個体も見られる。
フィッティングや弦の選択によっては400gを切る場合もあるかもしれない。
Gaetano Antoniazzi (1825)
ミラノなどで活動。410~430g前後が一般的という報告が多い。
August Riechers (1836)
ドイツ系製作家。435~450g程度と、やや重めのイメージ。
Stefano Scarampella (1843)
19世紀末~20世紀初頭のイタリア製作家。
445~460gほどで重めだが、音量豊かな個体が多いとの評価。
参考:有名楽器の具体例
Antonio Stradivari, 1704「Betts」
- 一部で「約370g」の記述もあるが、Waddle & Loenらによる400g台後半報告なども存在。
- 顎当てや弦、部品を変えるだけで数十g前後する可能性があり、測定条件に要注意。
Bartolomeo Giuseppe Guarneri (del Gesù), 1743「Il Cannone」
- パガニーニ所有で知られる名器。顎当て無しで約428gとされることが多い。
- 分厚い板が特徴で、結果的に重めになるとも言われる。
伊賀が個人所有のオーダーメイドバイオリン (Betts型紙 × Il Cannone板厚)
- この記事の依頼主の私物例。荒木奏一製作。顎当て込みで502g。顎当てを外せば約430g前後と推定。
- ※現代製作では材質やセットアップ次第で重量が変動する。
要注意・要検証文献について
当初の資料には多くの文献が挙げられていましたが、
以下のような実在確認が難しい著者・書名が含まれています。
- “Alessandro Bianchi” 著書・編書 (例: *「Italian Violin Makers: Tradition and Innovation」(2005)*等)
- “David M. Thompson” 著論文一式 (例: *「Acoustic and Physical Analysis of 18th Century Italian Violins」(2008)*等)
これらは専門のデータベース等を調査しても該当の書誌が見つからず、
ChatGPT等が生成した架空文献である可能性が高いため、
本資料からは削除し、要注意として扱っています。
参考文献・情報源
-
Tarisio Auctions Catalog
オークションハウス Tarisio による楽器カタログ・アーカイブ。
出品情報に重量・寸法等が掲載される場合もあり、更新頻度が高い。 -
John R. Waddle & Jeffrey S. Loen
-
Weights of Violin, Viola, and Cello, Catgut Acoustical Society Journal (CASJ), 2003年頃。
多数のオールド楽器の板厚や重量を計測した研究。 -
Joseph Curtin
-
Tap Tones and Weights of Old Italian Violin Tops, VSA Papers, 2006年前後。
ストラディバリやデル・ジェスなどの表板重量の実測データ。 -
Erik Jansson
-
Acoustics for Violin and Guitar Makers, KTH (スウェーデン王立工科大学)のオンライン資料。
バイオリンやギターの音響特性について網羅的に解説。
留意事項
- これらの文献・オークション記録に示される数値も、測定条件や楽器の保存状態に依存します。
- 実際の計測では顎当てを付ける/外す、弦の素材など多岐にわたる要因が重量に影響します。
- よって、特定の製作者・特定の個体が「必ず○○g」とは断定しにくい点をご承知おきください。
最終更新: 2025-03-09
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この記事には、内容を精査する前の更新前の記事があります。
- バイオリン製作者ごとの重量一覧【2025/03/02版】