目的
TestLinkのテストケース編集で起こる問題と直し方を記載します。
背景
古いバージョンのTestLinkを使用していると、テストケース編集後に編集したフィールドが表示されなくなったり、ひどい状態になるとテスト項目が表示されなくなり、編集することができなくなることがあります。
TestLinkを使われる多くの方がトラウマになってしまう出来事なので、あらかじめ知って回避いただければと思います。
環境と設定
TestLinkはFireFoxをサポートしており、その他のブラウザで多くの問題が起こるようです。
また、新しいバージョンのTestLinkでは問題が起こる前にエラー表示を行って壊れることを防いでいるようです。
古い環境
問題の確認に使用した環境 TestLink 1.9.15(Tauriel)
Google Chrome バージョン89.0.4389.90 (Offical Build) (64ビット)
新しい環境
問題解消の確認に使用した環境
Windows10
+VirtualBox(6.1.18r142142)
+Bitnami-TestLink(1.9.20-18-r53)
+Google Chrome バージョン89.0.4389.90 (Offical Build) (64ビット)
chocolateyを使っているならVirtualBoxのインストールは、管理者権限でcmd(またはWindows PowerShell)を起動して以下のコマンドを実行する。
> choco install virtualbox
途中選択肢が出る場合は、a(または、すべてy) + Enterする。
こちらの記事を参考に以降のセットアップを実施した。
TestLinkのVMファイルは、リンク先に行って、[On my computer]の [Virtual Machines]をクリックして、ダウンロードする。
VirtualBoxを起動して、ダウンロードしたファイルをインポートする。
その後、[インポート]を二回クリックすと、以下の通り認識されるので、起動する。
TestLinkへのログインや最初の設定もこちらの記事を参考に実施した。
問題の内容
TestLinkが壊れるケース
私が知っている範囲では、壊れるケースは2種類あります。
- 大きなデータを書き込んだケース
- FireFox以外のブラウザで編集したケース
1.大きなデータを書き込んだケース
要約や前提条件などの入力個所に大きなデータを書き込んむと、それ以降のフレームが崩れて表示されます。
例えば、以下のイメージが正しく表示されている状態とします。
以下のイメージのように、要約欄に大きめの画像を何枚か貼り保存します。
以下のイメージのように、要約の内容を一部失い、要約のフレーム内に前提条件の内容が含まれてしまいました。
前提条件欄に大きめの画像を何枚か貼り保存した場合は、以下のイメージのように、前提条件の内容を一部失い、要約のフレーム内に手順以降の内容が含まれてしまいました。
新しいバージョンのTestLinkでは、編集後の保存時に以下のエラーとなり、壊れることはなくなりましたが、保存しようとしていたデータは失われ、前回保存した編集内容にしか戻れません。
2.FireFox以外のブラウザで編集したケース
TestLinkはFireFoxをサポートしており、その他のブラウザでは多くの問題が起こるようです。
例えば、Google Chromeで編集してコピー&ペーストすると、以下の画面イメージのようにテストケースのフレームが壊れます。
壊れ方は色々あるようですが、いずれにしても編集ボタン等が押せなくなるので直せなくります。
壊れたTestLinkの直し方
1.大きなデータを書き込んで壊したケースの直し方
編集ボタンが押せるので、壊れるきっかけになった編集箇所を、再度編集モードにして問題が起こる前の状態に戻しましょう。
フレームが元に戻ればOKです。
2.FireFox以外のブラウザで編集して壊したケースの直し方
表示上は壊れてデータが無いかのように見えますが、この状態でもデータの大部分は残っています。
そのデータをエクスポートして、テキストエディタなどで開き、壊れた箇所のデータを修復して、インポートすることで直します。
具体的な修復に入る前に、
先に以下のイメージの正常なテストである「壊れるテスト1」をエクスポートしてその構造を確認しておきます。
「要約です。」「前提条件です。」「操作の手順1です。」「期待結果1です。」の場所を上下のイメージについて比較すると、エクスポートしたxmlの構造がわかると思います。
「壊れるテスト2」が壊れている場合、以下のイメージのように、ツリーに「Repair」テストスイート(=フォルダアイコン)を作り、その中に「壊れるテスト2」をドラッグ&ドロップで移動して、「Repair」でエクスポートします。
先ほどの正常なケースと比較すると、以下のイメージになります。
この例では、期待結果1を編集して保存したタイミングで壊れたので、以下のイメージのように期待結果を削除します。(XMLが読めるなら、修正しましょう)
このファイルを以下のイメージのようにインポートすると表示できるようになります。
以下のイメージのように、無事表示されるようになりました。
後始末として、「壊れるテスト2」を元の場所に戻して、「Repair」を削除しておきましょう。
おわりに
直せることがわかっていれば、いざというとき焦ることもないかと思います。
どうぞ、ご活用ください。
- TestLinkを最新のバージョンに更新する。
- TestLinkを編集する際は、FireFox以外のブラウザを使わない。
- もしも壊れたらこの記事を参考に直しましょう。
関連リンク
(slideshare)超簡単!!なTestLinkの使い方
(Qiita)テスト工程の管理をするツール、TestLinkについて
(wiki)TestLink
(wiki)ドキュメント
(pdf)TestLinkマニュアルjp v1.7.0
(ブログ)プログラマの思索