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Windows/Python3でpylearn2を使う

Last updated at Posted at 2014-11-17

正直不可能だと思い始めていたが、なんとかできたのでその足跡を残す。PythonではできるだけWindowsを避けること、が真理ではある。

  • 事前準備
  • Theanoのインストール
  • pylearn2のインストール

事前準備

今回はMinicondaを利用して環境を構築する。これはバイナリライブラリの取得が楽だからだが、virtualenvでもWindowsバイナリを利用すれば同様に環境構築可能(この場合、Git shellで作業していれば後述のpylearn2インストール時の問題は発生しない)。

普段はバイナリ版でスキップする忌々しいvcvarsall.batエラーは今回不可避になるので、Visual Studioを入れるかWindows SDKを使うかしてコマンドを使えるようにしておく。

Visual Studioインストール後の設定
Python で “error: Unable to find vcvarsall.bat” が出た場合。

このためにVisual Studio?冗談じゃないという方のためにwindows SDKを利用する方法の参考。
sms tools in Windows

-----以下の準備は、libpythonをインストール(conda install libpython)すればOKのはず(念のため残しておく)。

Cコンパイルが避けられないのでMinGWをインストールする。インストール方法は以下が分かりやすいと思う。

MinGWのインストールと使い方(2014年版)
Windows に MinGW-w64 と MSYS を導入する

MSYSも必要なので導入しておく(勝手に入ってくれた気もするが・・・)。まずはgcc/g++を使えるようにする。

次に、定義ファイルを作成するためのコマンドgendefをインストールする。これは後々重要な役割を果たす。

gendef
Setting up a MinGW-w64 build environment/Setup Python for compilation of extensions

ソースをここから落としてきて、ディレクトリ上でコンパイルを仕掛ける。この作業はMSYSコンソールで行う必要がある(MSYSインストールディレクトリにあるmsys.batを実行すると立ち上がる)。

cd ~/gendef 
./configure --prefix=/mingw
make -j4 && make install

これでgendefコマンドが使用できることを確認。

-----(libpythonがあれば不要と思われる準備、ここまで)

後は、condaコマンドで環境を作成して準備完了(以下は最小構成。Theanoのテストを動かしてみたいならnose、またpylearnで画像系の処理を行いたい場合はPIL、SVMならscikit-learnなどが必要だが、これらは簡単に入れられるはず。詳細な依存は公式参照。)。

conda create -n my_learn numpy scipy cython libpython matplotlib ipython pip

activate my_learn (my_learnの名前はお好きに)で環境を有効化しておくのを忘れずに。これを忘れるとグローバルに入ってえらい目に合う。なお、pipを仮想環境に入れておくと、pip installを行ったときに仮想環境にのみインストールしてくれる。これでcondaとpipの併用が可能になるのだ。

Theanoのインストール

pip install Theanoで快適に行きたいところだが、pipでインストールできるバージョンではPython3がサポートされていないらしい(2014/11現在)ので最新版を使用する(インストール手順は公式も参照。ただ、実はうまくいかないけど、の注意書きが多い)。

以下のコマンドを実行するのだが、注意点が何点か。

pip install --upgrade --no-deps git+git://github.com/Theano/Theano.git

※なお、git cloneからのpython setup.py developではpythonのソースを2to3で変更する処理が動かないので、うまくいかない。また、git://のプロトコルが使えない場合はここをhttps://にする。

pipバグ対応(1.5.6)

Windows上で発生するエラーがpipにあるので(1.5.6現在。ただ、修正は完了しているので時期リリースでは多分治る)、ソースを一部修正する。修正するファイルは、仮想環境に入れたpipのファイルということを忘れずに。Minicondaインストールディレクトリのenvsに作成した仮想環境のフォルダがあるので、そこのLib\site-packages\pip\util.pyを以下のように一時的に変更。

def rmtree_errorhandler(func, path, exc_info):
    """On Windows, the files in .svn are read-only, so when rmtree() tries to
    remove them, an exception is thrown.  We catch that here, remove the
    read-only attribute, and hopefully continue without problems."""
    exctype, value = exc_info[:2]
    if not ((exctype is WindowsError and value.args[0] == 5) or #others
            (exctype is OSError and value.args[0] == 13) or #python2.4
            (exctype is PermissionError and value.args[0] == 5) #python3.3
            ):
        pass #raise

exctype is PermissionError and value.args[3] == 5の箇所でエラーになるので、インデックスを修正しかつ例外をraiseを揉み消す。不要ファイルを削除するための処理のようだが、コメント化しても削除されるので問題ない。心配な場合C:\Users\xxxxxx\AppData\Local\Tempをチェックすること。

import theanoでのエラー対処

Theanoはimport時に走るコンパイルがあり(lazylinker)、これでしこたまエラーになるので対応を行う。

-----以下は、libpythonがインストールされている場合対応不要なはず(念のため残しておく)。

コンパイルのために、Python用の定義ファイルを作成する。仮想環境フォルダの直下で、以下を実行(pythonXX.dllのXXはバージョンにより読み替え)。

gendef pythonXX.dll
dlltool --as-flags=--64 -m i386:x86-64 -k --output-lib libpythonXX.a --input-def pythonXX.def

dlltoolコマンドの--as-flags=--64 -m i386:x86-64は64bit用なので、32bitの場合不要。
これでできたlibpythonXX.aファイルを、libsフォルダに移す(Libではないので注意。ヘッダーファイルが入っているフォルダ)。

そして、theanoの設定ファイルである.theanorc%USERPROFILE%フォルダに作成する(C:\Users\[your_user]直下)。

.theanorc
[blas]
ldflags = 

[gcc]
cxxflags = -shared -I[mingw installed folder]/include -L[conda env folder]/libs -lpython34

[mingw installed folder]はMinGWをインストールしたフォルダ、[conda env folder]は作成した仮想環境のフォルダになる。

詳細はこちらを参考。

Python:Installing Theano on Windows 64bit with Python 3

-----(libpythonがインストールされている場合対応不要なはずな処理、ここまで。)

これでimport theanoがつつがなく完了すれば第一段階OK。

pylearn2のインストール

pylearn2はもともとpipでインストールできないので、git cloneでとってきて使用する。
手順はこちらの通りだが、Windowsだとpylearn2/utils\_window_flip.c(2133) : warning C4013: 関数 'rand_r' は定義されていません。int 型の値を返す外部関数と見なします。の後failed with exit status 1120で落ちる。

これはWindowsでrand_rという関数が定義されていないために起こるが、実はこの対応は既にpylearn側で行われている。ただ、この修正の中の分岐がPython3ではうまく動かないので、ここをちょっと修正する。

pylearn2/utils/_window_flip.pyx
IF UNAME_SYSNAME == u"Windows":
    cdef extern from "stdlib.h":
        int rand()

UNAME_SYSNAME == "Windows"だと比較が上手くいかないようなので、これをユニコード文字列にして比較する(Python3では区別がなくなったはずだが・・・)。

最終的にimport pylearn2がエラーなくできれば完了。それと、以下の環境変数を設定しておく。

  • PYLEARN2_DATA_PATH : データの補完先
  • PYLEARN2_VIEWER_COMMAND : 画像データを表示する際のスクリプト。Windowsの場合以下を設定。
    start /wait %SystemRoot%\System32\rundll32.exe "%ProgramFiles%\Windows Photo Viewer\PhotoViewer.dll", ImageView_Fullscreen

セットアップは以上。お疲れ様でした。
※なお、これでimport pylearn2は通るようになりますがいろいろ動きません。こちらのマージをいましばらく待ちましょう。

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