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Physics Lab.Advent Calendar 2024

Day 5

宇宙班紹介

Last updated at Posted at 2024-12-05

挨拶

 初めまして。明日締め切りかつ未完成のレポート二つを抱え、さらには締め切りを過ぎて今このアドカレを書いており途方に暮れている宇宙班班長です(なぜそんなことになってしまったのかは最後に触れたいと思います)。まずは、宇宙班について簡単に紹介させていただきます。

宇宙班の活動

 宇宙班の普段の主な活動は他の班同様自主ゼミです。よくゼミが立つ分野としては

  • 宇宙物理学
  • 一般相対論

の二つが挙げられます。

 前者は、我々の生きる太陽系をはじめとして恒星・銀河・宇宙論といったトピックについて物理学的観点から学んでみようという趣旨のゼミで、本としては福江純さん著の「完全独習現代の宇宙物理学」などを輪読することが多いです。

 後者は、2年生Aセメスターで習う特殊相対論のさらに先にある一般相対論を学ぼうという趣旨のゼミで、ランダウさんとリフシッツさんの書いた「場の古典論」などを輪読することが多いです。現時点では他にも、一般相対性理論の演習形式で学ぶゼミ(『SGCライブラリ194 演習形式で学ぶ 一般相対性理論』 前田恵一, 田辺誠 共著)や一般相対論向けの擬Riemann幾何学のゼミ(「Semi-Riemannian Geometry With Applications to Relativity』Barrett O'Neill 著)といったさまざまな趣向のゼミが盛んに行われています。

相対論について

 宇宙班と言いつつ筆者は一般相対論のゼミにしか参加したことがないので、ここでは相対論がどんなものであるかについて、あんまり聞いたことがないという方向けにゆるゆるとごく簡単に説明します(適当なことを書いていたらすみません、、)。

 そもそも相対論とは、二つの観測者(座標系)がいたとき実は観測者によって見え方が変わってくるよ〜という話題を扱っています。ここでは簡単のため特殊相対論(一般相対論の特殊なバージョン)に限って説明すると、二つの観測者が相対的に光速に近い速さで動いているとき、

  • 観測者によって流れる時間が異なる!
  • 観測者によって物の長さが変わって見える!

というような一見摩訶不思議な現象が起きます。ゾクゾクするのはこれがでたらめでもなんでもなく、理論的に導出できるところです。

具体的な数式についてはここでは割愛しますが、導出のアイディアとしては、

  • 物理学の法則はあらゆる観測者で同じ形で成り立つ
  • 光速はどの観測者から見ても不変

という原理をもとにして、それぞれの観測者に座標を入れたとき、それらの座標同士がどのように変換されるべきか(ローレンツ変換1)を考えていくことで先述の"不思議な"現象を説明できるという流れになっています。驚くべきことに、この変換自体は中高生でもわかるレベルの初等的な計算で導けるのです。なんとも美しいですね。

 ところで特殊相対論一般相対論は何が違うのという話ですが、前者は相対的に等速直線運動をする系(慣性系)同士の範疇で考えているのに対して、後者は相対的に加速しているような系(非慣性系)同士も含めたより一般の範疇で考えているという点で異なっています。

 一般相対論は慣性力(非慣性系で働く力)と重力は等価であるという原理のもとで重力場を扱うことで理論を展開していきます。かの有名なアインシュタインの重力場方程式


R_{\mu\nu} - \frac{1}{2} R g_{\mu\nu} + \Lambda g_{\mu\nu} = \frac{8\pi G}{c^4} T_{\mu\nu}

も一般相対論を学んでいくとその導出を理解することができます。この方程式は、左辺が時空の曲がり具合、右辺が物質の分布を表しているのですが、このシンプルな等式を解くことでブラックホールを表す解(シュヴァルツシルト解)が得られたり、等方的な宇宙モデルを説明できたり、重力波の成り立ちについて説明できたりと、宇宙論に関してさまざまな知見が得ることができます。もうなんというかゾクゾクが止まりませんね。

結び

 私が宇宙に関していいなと思うところは、夜空に浮かぶ星の数々やさまざまな天体写真を見るとこの世のものとは思えないほど美しい世界の広がりを感じられる一方で、その現象の裏側を物理学を用いて数式的にさまざまに説明できる点です。今回は筆者の力量不足により宇宙物理学のごくごく狭い範囲のお話しか触れることができませんでしたが、宇宙物理学で掘り下げるべき話題はいくらでもあると思います(来年の五月祭のポスター発表等もお楽しみにしていてください!)。筆者自身も相対論については場の古典論をもう一回読み返して復習したいですし、他の相対論の本も読んでみたいですし、そのために幾何学をはじめとした数学もしっかり勉強したいですし、宇宙に話を繋げれば初期宇宙論についてももっと学んでみたいですし、素粒子(場の量子論)についてももっと知りたいですし、本当に勉強したいことで溢れかえっています。勉強だけに時間を割くわけにもいかない日々ですが、使える時間はすべて物理に捧げてこれからもたくさん精進していきたいなと思う所存です。

雑談

 挨拶や結びでも若干触れましたが、最近の筆者の平日は物理を学んでいる時間と同じぐらい(いやそれ以上に?)サークル活動に時間を使っています。音楽系の部活で、元々練習自体は週2-3時間×3あるのですが、最近は演奏会の広報活動に追われています。行政に後援名義使用の申請を出したり、広告会社とやり取りをしたり、音楽団体や学校などの宣伝先に電話をかけまくったりメールを出しまくったり、チラシやポスターや手紙をひたすら仕分けて運搬したり、OBOGに連絡を取ったり、SNSのコンテンツを作ったり、本当にやるべき作業がたくさんあるんですよね。自分はこういう仕事をするのが初めてだったので、いつもしれっと演奏会に参加していた裏でこんなに(あるいはこれ以上に)たくさんの仕事をやってもらっていたんだなというのを実感しているところです。何はともあれタスク管理能力を身につけながらたくさんのお客様に来てもらえるよう最大限努力しつつ、物理の勉強も質・量とも充実させられるように頑張っていこうと思います。
 まずは、明日〆切のレポートを無事に出すこと...ということで今日はもう眠りにつこうと思います。お休みなさいませ!2

  1. この変換で実は時間と空間は混じり合うものだということがわかります(!)

  2. いい感じに締めてしまって書く場所を見失ってしまったのですが、私の尊敬する人物であるところの羽生結弦氏についてもいつかまた記事を書くことがあったら語ってみたいです。

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