はじめに
先日私が書いたこちらの記事がQiitaのトレンド1位になりました。ありがとうございます!
今回はこちらの構成を作成するにあたって参考になった書籍を紹介していこうと思います。どれも大変素晴らしいので、是非読んでみてください。
今後も良かった書籍があればどんどん追加していきます!
ただ、何よりも参考になったのは 公式ドキュメントとそのサービスを実際に触ってみる事です。英語のドキュメントしか無いものも多く大変だとは思いますが、気になったサービスは是非一度公式ドキュメントを見ながら触ってみてはいかがでしょうか。
※先日の記事で紹介した"ぼくのかんがえたさいきょうの"運用・監視構成をもう一度載せておきます。
監視
全般
入門 監視
言わずもがなオライリーの本です。こちらは監視のアンチパターンとデザインパターンと、何をどのように監視すればいいかを学べます。
監視を入門する際はまずこちらの本から読むのがおすすめです。監視についての基本的な考え方が身につきました。
システム運用アンチパターン
正解ばかりを学ぶのではなく、アンチパターンを学ぶのも重要だと思います。こちらの本は運用におけるアンチパターンをいくつか紹介しており、大変参考になりました。
オブザーバビリティ・エンジニアリング
モダンな監視を行うためにはオブザーバビリティの理解が不可欠です。そんなオブザーバビリティについて詳しく書かれているのがこちらの本です。何故従来の監視では足りず、オブザーバビリティが必要になるのかを理解する助けになりました。
Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps
今回の構成でKubernetesは登場しませんが、Kubernetesはクラウドネイティブの標準プラットフォームです。
この本でKubernetesについて学ぶことで、クラウドネイティブについての理解を深めました。
マイクロサービスアーキテクチャ 第2版
今回の構成は主にマイクロサービス向けの構成になるので、マイクロサービスについての理解が必要でしたが、こちらの本はとても勉強になりました。
監視や、IaC、SSOについても記載されています。
Amazon CloudWatch[本格]入門 ~クラウドネイティブオブザーバビリティストーリー~
AWSの監視について知るにはまずAmazon CloudWatchを知ることからだと思います。Amazon CloudWatchの機能が全て紹介されているのでとても勉強になりました。
AWSコンテナ設計・構築[本格]入門
ECSを監視するにはまずコンテナとECSの理解が必要だったのですが、その際に参考にしたのがこちらの本です。
ログ監視において紹介したFireLens(Fluent Bit)についても紹介されています。この本のハンズオンは本当に感動しました。
著者である新井さんと馬勝さんは先ほどの『Amazon CloudWatch[本格]入門』を書かれた方々です。また、監修である佐々木さんの本もこの後何冊か紹介します。この方々が書かれている本は良本ばかりなので反射的に購入してしまいますね。
メトリクス監視
入門 Prometheus
Prometheusの教科書のような本でした。Prometheusを理解するにはPrometheusのクエリであるPromQLの理解が大事なので、そこが詳しく書かれていてとても勉強になる本でした。
そしてPromQLが理解できればGrafana LokiのクエリであるLogQLもすぐに理解できます。
Prometheus実践ガイド: クラウドネイティブな監視システムの構築
こちらもPrometheusについての本です。オライリーの本より分かりやすく、Prometheusを触ってみたいという方はまずこちらから読むと理解しやすいだろうなと思います。
Amazonでは電子書籍版はありませんが、BOOTHにて電子書籍版も購入できます。
ログ監視
Fluentd実践入門 ── 統合ログ基盤のためのデータ収集ツール
Fluent Bitの理解にはまずFluentdも理解しておくべきだと思います。Fluentdについて詳しく書かれた本はおそらくこの本だけだと思います。
ただFluent BitはFluentdとは設定ファイルの書き方が違うのでそこは公式ドキュメントを読むしかありません。
トレース監視
トレースに関しては既に紹介している『オブザーバビリティ・エンジニアリング』や『マイクロサービスアーキテクチャ 第2版』が参考になりました。
セキュリティ監視
AWSの薄い本Ⅱ アカウントセキュリティのベーシックセオリー
AWSのセキュリティについて書かれた本です。AWSの薄い本"Ⅱ"とありますが、"Ⅰ"も後ほど紹介します。
AWSの薄い本というタイトルで興味を持って読んでみましたが、大変良本でした。
AWSではじめるクラウドセキュリティ: クラウドで学ぶセキュリティ設計/実装
こちらもAWSのセキュリティについて書かれた本です。AWSのセキュリティにスポットを当てた本は数少ないですが、良本揃いでありがたいです。
クラウドにおけるセキュリティについて詳細に書かれているのでとても勉強になります。
現在Amazonでは電子書籍版はありませんが、BOOTHにて電子書籍版も購入できます。
要点整理から攻略する『AWS認定 セキュリティ-専門知識』
こちらはAWS Certified Security - Specialtyの参考書ですが、AWSのセキュリティサービスについて紹介されているのでAWSのセキュリティサービスについて知りたい方にはこちらもおすすめです。
Elastic Stack実践ガイド[Elasticsearch/Kibana編]
OpenSearchは元々Elasticsearchから派生したものなので、OpenSearchの理解にはElasticserachの本が役立ちました。
コスト監視
Amazon Web Services コスト最適化入門
AWSサービスの料金体系とコスト最適化の方法、またコスト最適化に役立つサービスについて紹介されています。
前回紹介したAWS Cost and Usage Reportの可視化の方法について紹介されていたので参考になりました。
AWSではじめるデータレイク: クラウドによる統合型データリポジトリ構築入門
「データレイク」とは「多様なデータを保存しておける場所」のことです。Amazon AthenaやAWS Glue、またOpenSearchの理解を深めるのに役立ちました。
Amazonでは電子書籍版はありませんが、BOOTHにて電子書籍版も購入できます。
運用の自動化
AWS Lambda
AWS LambdaやAWS Amplifyを利用するにあたってプログラミングの学習も行いましたが、プログラミング学習に使用した教材については下記の記事にて紹介しております。
AWS Lambda実践ガイド 第2版
AWS Lambdaの理解を深めるのにとても役立ちました。実践編ではコードが記載されているので、「プログラミング出来ないけどAWS Lambdaを触ってみたい」という人にもおすすめの本です。
独自ツールの開発
AWS Amplify
AWS Amplify Studioではじめるフロントエンド+バックエンド統合開発
バックエンドの管理やFigmaとの連携が行えたりするAWS Amplify Studioを使った開発方法が学べます。AWS Amplifyをガッツリ触っていきたい方におすすめです。
Cognito
Cognito UserPool ユーザー移行入門
Amazon Cognitoについての本はこれ以外ないので大変参考になりました。ページ数も少なく価格も500円なのでAmazon Cognitoの入門に大変良かったです。
構築
全般
Infrastructure as Code
TerraformやAnsible等のInfrastructure as Code(IaC)のツールはどうやって運用・管理していくかが課題になると思うので、それについてが学べるこの本はとても参考になりました。
Terraform
実践Terraform AWSにおけるシステム設計とベストプラクティス
Terraformの基本的な操作・構文とAWSでの実例や運用方法まで学べます。AWSでTerraformを使いたい場合はこの1冊で十分だと思います。
Ansible
Ansible実践ガイド 第3版
Playbookの構文や実例、運用方法まで紹介されています。Terraformと同様Ansibleもこの本1冊で十分だと思います。
その他
AWS と Packerで実現するInfrastructure as Code
Packerについての日本語の本はおそらく無いので、こちらのUdemyの講座で勉強しました。
こちらの講師である津郷さんの他の講座も参考になるものばかりです。
アカウント管理
IAM
AWSの薄い本 IAMのマニアックな話
AWSを使う上でIAMの理解は何よりも大切だと思いますが、IAMにスポットを当てて詳しく書かれた本はこの本だけなのではないでしょうか。
SAML
SAML入門
SAMLについて詳しく理解していなくてもSAMLを利用したSSO(シングルサインオン)は導入できますが、SAMLを実装する側の知識を得る事ができ大変勉強になりました。
おまけ
こちらのサイトではCloud Native Computing Foundation(CNCF)が推進するツールやサービスが紹介されています。あまりの多さに圧倒されると思いますが、色んなツールやサービスを知る事ができます。是非眺めてみてください。
最後に
「未経験から1年でこれを全部理解したのか!」と思われるかもしれませんが、まだまだです。(頭から抜けていたり、最後まで読めていない本もあります。。)
新しい知識を増やしていくだけではなく、今の知識を深めていくのがこれからの課題だなと感じました。一度読んだだけで満足せず何度も読み返したいですね。