はじめに
経験のないエンジニアがユーザビリティテストを簡単に始められるように準備すべきことをまとめています。
ターゲットユーザ(ペルソナ)が明確になっていることが前提条件です。
流れ
- 開発メンバに説明
- テスト対象の選定
- ユーザシナリオの洗い出し
- インタビュー内容の洗い出し
- テスト当日向けの事前準備
1. 開発メンバに説明
1人でやるものではないので、チームのみんなに必要だと共感・納得してもらう必要があります。
※1人で実施できないわけではありませんが、お勧めはできません。観察からの気付きが減ったり、共通認識が取れていないことによってメンバ間の開発物に差が生じて手戻りが発生することになります。
説明の流れ
- ユーザビリティテストとは?
- なぜやるのか?
- 何に使えるのか?
- どうやってやるのか?
2. テスト対象の選定
全てをテストすることは現実的ではありません。実行するハードルを低くするためにも、対象シナリオを1~2つに選定します。使用頻度、タイミング、状況、場所などから優先順位をつけましょう。
(例)導入時にターゲットユーザが取る行動2つ(○○設定、△△設定)
3. ユーザシナリオの洗い出し
実際のターゲットユーザは設定した利用状況でどのような行動を取るか想定します。システムのボタン押下、〇〇の入力など細かく書くのがポイントです。この時点で「あれ?このシステムって使いづらい・・・」と改めて気付きます。
4. インタビュー内容の洗い出し
実際にタスク実行中の様子を観察しないと分かりませんが、事前に全員で考えつく限りの内容を洗い出すことをお勧めします。なぜかというと、タスク実行後のインタビューは基本的に1人で行うものです。初心者のインタビュアーが「1人でインタビューしてユーザの行動理由、感情、心理などを引き出さなければならない」というプレッシャーに耐えられるでしょうか。事前に全員で考えておくことによって、リラックスしてインタビューできます。また、観点抜け漏れの防止に役立ちます。
5. テスト当日向けの事前準備
はっきり言ってここが一番大変です、やることが多いです。やらなくてもいいこともありますが、先を見据えてテストするのであれば数値で比較できる「評価指標の選定」はやっておいた方がいいと思います。
必須
- プレテスト用の被験者と日程調整(最低でも2時間くらいを想定)
- テスト用の被験者と日程調整(3~5名に実施、予想以上に時間がかかります)
- タスク指示書の作成(ターゲットユーザになるべく分かりやすい言葉にしましょう)
- 当日用説明資料作成
- プレテストの実施
任意
- 営業に日程調整(営業からの説明を受けた後にターゲットユーザがタスク実行する場合)
- 評価指標(定量調査)の選定(SUS、NPSなど)
- 開発メンバがタスク実行したときの時間の計測