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なぜメタゲノム解析するのか?

Last updated at Posted at 2019-11-30

「そこにメタゲノムデータがあるからだ(大嘘)」

はじめに

メタゲノマーによるメタゲノマーの為のアドベントカレンダーではありますが、アドベントカレンダー初日なので、ここにいざわーるど解釈の「メタゲノム解析って何?」的なポエム記事を書いておきます。

そもそも「メタゲノム解析」って何?

遺伝子を全部調べたい

この記事を読んでいる方なら「ヒトゲノム解析計画」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。「ゲノム」は「遺伝子全部」のような意味で、「ヒトゲノム解析計画」自体を平易な日本語にすれば「ヒトの遺伝子を全部を調べる計画」のような意味です。
ヒト以外にも様々な生物に関して「遺伝子を全部を調べる計画」が行われていますが、ある生物の遺伝子を全部調べる利点として、創薬、医学や、生物工学など様々な応用研究の基盤になることが期待されています。

さて、問題の「メタゲノム解析」についてですが、特に微生物に対して使われることの多い手法です。
「メタゲノム解析」の「メタ」は「meta-」という接頭語であり、「高次的な〜」みたいな意味を持っています。小説なんかで登場人物する読者を意識したような発言を「メタ発言」と言いますがあのメタです。
通常の「ゲノム解析」が単一の生物の遺伝子を調べる手法だったのに対し、「メタゲノム解析」の「メタ」は「高次」≒「多種多様な微生物」の意味と取れるでしょう。
つまり、「メタゲノム解析」は「多種多様な微生物の遺伝子を全部調べる」という感じの意味になります。

なぜメタゲノム解析するのか?

肉眼では見ることができない微生物の研究には、長らく培養法が用いられてきましたが、土壌、海洋、ヒト腸内など様々環境に存在する微生物の中には、培養が難しいものも多く、環境微生物の網羅的な把握は困難でした。

そんななか、30年ほど前からのPCRやDNAシークエンシングなどの「遺伝子を調べる方法」が発展したことにより、ある環境サンプル(土壌なら土から、海洋なら海水から、ヒト腸内なら糞便から)から多様な微生物の遺伝子をより網羅的に調べる、つまり「メタゲノム解析」が可能になりました。

培養法による限られた微生物の研究からも人類に有用な物質が得られていたため、より多様な微生物を網羅的に調べることができる「メタゲノム解析」なら、創薬、医学や、生物工学等々の応用研究にの基礎となる有用な知見が多く得られるはずです。
メタゲノム解析、やるしかない!!!!!!!(ババーン

メタゲノム解析やるしかない...では次は?

メタゲノム解析計画を成功させるため、既にある知見を活かして、必要なサンプル数、大量のシークエンスデータ、大規模計算環境などを用意して解析を始めるのですが、未知微生物との遭遇などにより想定していなかった問題が発生したりします。そのため当初描いていた最終的な目標までは結構曲がりくねった道を行くことになったりします。

そんな、先人が曲がりくねった道を行った先に見た結果、また後人達がよりまっすぐ目標に到達できるようにするために作られたツールなどがこのアドベントカレンダーでは紹介されていくことでしょう。

以降24日間(この記事を書いている時にはまだ3,4日分くらいのエントリーしかなく悲しいことになりそうですが)にわたるメタゲノマー達の技術/論文紹介などの記事を参考にメタゲノム解析、やっていきましょう。

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