概要
IBMの可観測性(Observability)ソリューション Instanaのモニタリング用エージェント、
Instana Agentには複数種類があり、モニタリング対象によって利用するエージェントが違います。
エージェント毎にモニタリング対象と簡単なセットアップ方法をまとめておくと、便利かなと思い、マニュアルベースで一覧化してみました。
エージェント別機能一覧
ホスト・エージェント
Instanaのホストエージェントには動的と静的の2種類があり、モードにはOFF、インフラストラクチャ、APMの3つが存在します。動的エージェントは自動更新が可能で、静的エージェントは更新されません。
エージェントのタイプ
エージェントのタイプ | 説明 |
---|---|
動的エージェント | 起動時に最新のセンサーセットをリポジトリからダウンロードし、デフォルトで毎日自動更新します。バージョン固定による更新制御も可能です。新機能やバグ修正の迅速な取り入れに適しています。 |
静的エージェント | リリース時の最新コンポーネントを含む自己完結型で、動的な更新機能がありません。ネットワークが制限された環境で推奨されますが、更新のためにはAnsibleやTerraformのようなツールを使用する必要があります。一般的には、可能な限り動的エージェントの使用が推奨されています。静的エージェントは更新が頻繁に行われないため、新機能や改善を逃す可能性があります。 |
ホストエージェントの動作モード
動作モード | 機能説明 |
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OFFモード | このモードではホストエージェントは監視を行わず、Instanaバックエンドに定期的にアイドル状態を通知します。 |
INFRASTRUCTUREモード | ホストエージェントが基盤となるホストを監視し、Instanaがサポートするすべての技術に対してセンサーを活性化しますが、アプリケーションのトレースは行いません。 |
APMモード(デフォルト) | このモードでは、ホストエージェントがInstanaが提供する全体的な経験を提供し、サポートされるすべての技術に対する監視とトレースを行います。 |
クラウド・サービス・エージェント
クラウドのアカウントと連携させ、各種クラウドサービスのモニタリングを行う。
クラウド環境モニタリング用の専用ホストに対して、ホストエージェントを導入し、AWSモードで動作させたり、各クラウドのセンサーを有効化させる必要がある。
対象クラウド | セットアップ方法 |
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AWS | ホストエージェントをAWSモードで実行 |
Azure | Azureセンサーの有効化が必要 |
GCP | GCPセンサーの有効化が必要 |
IBM Cloud | IBM Cloud用に特殊なセットアップが必要?(調査中) |
Alibaba | Alibabaセンサーの有効化が必要 |
サーバレス・エージェント
クラウド・サービス・エージェントと同様にホストエージェントを導入し、各クラウドと連携させる点は同じだが、
サービスによって追加でセットアップが必要になってくる。
「サーバレスなサービスをモニタリングするエージェント」という意味であり、
「エージェントレスなエージェント」という意味ではない点に注意。
対象サーバレスサービス | セットアップ方法 |
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AWS Lambda | Instana LambdaトレーサーのLambda関数への追加が必要 |
AWS Fargate | Fargateコレクターのセットアップが必要 |
Azure Functions | Instana Azure FunctionsトレーサーのAzure Functionsアプリケーションへの追加が必要 |
Google Cloud Run | Instana Cloud Native Buildpackによるセットアップが必要 (手動セットアップも可) |
Webサイト・エージェント
Webアプリケーションにモニタリング用のJavaScriptエージェントを組み込むことで利用する。
ホストエージェントによるAPM機能とは別にエンドユーザーモニタリング (EUM)、リアルユーザーモニタリング (RUM)を行うことができる。
対象エージェント | セットアップ方法 |
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JavaScriptエージェント | Instana UIで提供されるコードを組み込む(調査中) |
モバイル・エージェント
各モバイルアプリケーションの開発プラットフォームに組み込むことで利用する。
Webサイト・エージェントと同様にモバイルアプリケーションでも、エンドユーザーモニタリング (EUM)、リアルユーザーモニタリング (RUM)を行うことができる。
対象エージェント | セットアップ方法 |
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iOSエージェント | Swift Package Manager(Xcode)またはCocoaPodsでインストール |
Androidエージェント | GradleプラグインとSDK依存関係を追加 |
ReactNativeエージェント | npmでパッケージ追加 |
Flutterエージェント | pub.devからパッケージをダウンロードして追加 |
まとめ
Instanaではモニタリングできるセンサーが300種類以上搭載されており、
ホストエージェントを入れればすぐモニタリング可能になるものが大半です。
とはいえ、各種クラウドサービスやEUM/RUMを行うとなると特別なセットアップが必要になるものもあります。
その辺がパッと分かればいいかなーと!
細かいセットアップ手順はマニュアルを参照してもらう必要がありますが、
マニュアルの項目ベースでまとめているので、検索しやすいかと思います。
(調査中のところは後日アップデート予定)