概要
iOS 14より始まった、ユーザーからトラッキングの許可をもらうための機能 App Tracking Transparencyですが、許可をリクエストするためにOSからダイアログが表示される場合があります。
そのダイアログを表示する前に、許可をしてもらうためにメッセージを表示することがあるかと思いますが、そのメッセージの内容によってはリジェクトとなりますので、リジェクトされないためのメッセージを検討します。
ガイドライン
ひと昔は、ダイアログ表示前のメッセージにはガイドラインは無く、各社凝ったメッセージを出して、なるべく許可をしてもらうための工夫がとられていましたが、現在は正式にHuman Interface Guidelinesに Accessing User Data and Resources としてガイドラインが設けられました。
これに沿わないメッセージを表示したりするとレビュー時にリジェクトされる可能性があるため、どのようなメッセージがガイドライン違反になるか見ていきます。
許可にインセンティブを与えない
Don’t offer incentives for granting the request. You can’t offer people compensation for granting their permission, and you can’t withhold functionality or content or make your app unusable until people allow you to track them.
許可をすることにインセンティブを与えるような説明をしてはいけません。
また許可によって機能がアンロックされるようなこともしてはいけません。
タイトルに「許可」などの文言を使わない
Don’t display a custom message that mirrors the functionality of the system alert. In particular, don’t create a button title that uses "Allow" or similar terms, because people don’t allow anything in a pre-alert screen.
カスタムメッセージ部分では許可の機能を与えることはできないため、「許可」などのタイトルを使ってはいけません。
標準のダイアログを表示したり、カスタムしたりしない
Don’t show an image of the standard alert and modify it in any way.
OSのダイアログをキャプチャして表示してはいけません。
ガイドラインでは、ダイアログキャプチャ画像に許可部分を円で囲って強調していますが、そのようなこともしてはいけません。
システムダイアログのデザインを装飾するようなことをしてはいけない
Don’t draw a visual cue that draws people’s attention to the system alert’s Allow button.
表示されるダイアログを想定して、注意を引くような視覚的な装飾をしてはいけません。
そもそもダイアログはユーザーの設定によってサイズが可変になるので、場合によっては「Appにトラッキングしないように要求」に対して装飾が当たってしまう恐れがあります。
さらに大きな文字(標準) | さらに大きな文字(最大) |
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まとめ
ダイアログを表示する前のメッセージで許可を強調したりするとリジェクトされることになります。
Accessing User Data and Resources のDisplaying Custom Messaging Before the Alertの項目に、リジェクトされない一例が載っているので、そちらを参考にすればリジェクトはなさそうです。