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Box EditでもExcelマクロは使えるか?

Last updated at Posted at 2023-12-08

はじめに

Box Edit とは、Boxに格納されているOffice文書をofficeデスクトップアプリケーションで開ける機能です。

Boxに関わらず、通常、ExcelマクロはOffice Onlineでは実行できません。
そのことから、BoxとExcelマクロの関係について、
 「ファイルサーバからBoxに移行したらExcelマクロは使えなくなる」
 「ExcelマクロはBox Driveでしか使用できない」
のようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

今回は、Box Edit を使用して Excelマクロ が動作する であろうケースについて、いくつか実際に検証してみました。

結果

結果はこうなりました。
image.png

1つ目は、1ブック内でマクロが完結しているケース

このケースは、以下の動画の通り、問題なく動作しました。

<検証動画>

この検証では、次のことを行っています。
1. Box内に保存されているExcel(マクロ有効化ファイル)をBox Editで開く
2. そのファイル内に予め作成しておいたマクロでフォームを開く
3. 範囲を選択して、書式設定用のマクロが関連付けられたボタンをクリック
4. 予め設定された条件(Deploy<80, Active<50)に従って、書式設定(赤字網掛け)される

使用したコードは以下の通り。

Private Sub Format_Active_Click()
'
' Deploy率が80%以下を赤くする
'
    Selection.FormatConditions.Add _
        Type:=xlCellValue, _
        Operator:=xlLess, _
        Formula1:="=50"
        
    Selection.FormatConditions(Selection.FormatConditions.Count).SetFirstPriority
    
    With Selection.FormatConditions(1).Font
        .Color = -16383844
        .TintAndShade = 0
    End With
    
    With Selection.FormatConditions(1).Interior
        .PatternColorIndex = xlAutomatic
        .Color = 13551615
        .TintAndShade = 0
    End With
    
    Selection.FormatConditions(1).StopIfTrue = False
End Sub

Private Sub Format_Deploy_Click()
'
' Deploy率が80%以下を赤くする
'
    Selection.FormatConditions.Add _
        Type:=xlCellValue, _
        Operator:=xlLess, _
        Formula1:="=80"
        
    Selection.FormatConditions(Selection.FormatConditions.Count).SetFirstPriority
    
    With Selection.FormatConditions(1).Font
        .Color = -16383844
        .TintAndShade = 0
    End With
    
    With Selection.FormatConditions(1).Interior
        .PatternColorIndex = xlAutomatic
        .Color = 13551615
        .TintAndShade = 0
    End With
    
    Selection.FormatConditions(1).StopIfTrue = False
End Sub

2つ目は、外部のテキストファイルを読み込むケース

このケースも、マクロから参照するファイル(データファイルなど)が絶対パス参照出来る環境(PC上などのBox外)にあれば動作しました。
一方で、Box内にあるファイルはUNCを含めたパス指定が出来ないため、Box Editから参照することはできませんでした。

<検証動画>

この検証では、次のことを行っています。
1. Box内に保存されているExcel(マクロ有効化ファイル)をBox Editで開く
2. 絶対パス参照出来る位置にデータファイルを置く(C:\ExcelVBA\data2.txt)
3. 外部ファイル参照用のマクロを実行
4. データファイル内の文字列を読み込んで表示される

使用したコードは以下の通り。

Sub 外部ファイル参照_絶対()
    Dim n As Integer, i As Integer, txtLine As String
    
    If Dir("C:\ExcelVBA\data2.txt") = "" Then
        MsgBox "ファイルが存在しません"
        Exit Sub
    End If
    
    n = FreeFile
    Open "C:\ExcelVBA\data2.txt" For Input As #n
    
    Do While Not EOF(n)
        i = i + 1
        Line Input #n, txtLine
        MsgBox txtLine
    Loop
    Close #n
End Sub

3つ目は、Boxに格納された複数のExcel間でデータをやり取りするケース

このケースも、関連するExcelブックを予め開いておけば、問題なく動作しました。
一方で、マクロ内で参照するBox内のファイルに直接アクセスすることは出来ないため、ファイルを開いている状態で作業する必要があります。

<検証動画>

この検証では、次のことを行っています。
1. Box内に保存されているExcel(マクロ有効化ファイル)をBox Editで開く
2. Box内に保存されているExcel(通常のファイル)をBox Editで開く(データファイル)
3. Active Book 間のデータ転送用マクロを実行
4. 片方のExcelからデータが読み込まれて、もう片方のExcelへ書き込まれる

使用したコードは以下の通り。

Sub Box内のExcelファイル間データ転送()

    For i = 1 To 10
        ActiveCell.Value = Workbooks("データ.xlsx").Worksheets("データ").Cells(i + 1, 2)
        ActiveCell.Offset(1, 0).Select
    Next i

End Sub

まとめ

BoxとExcelマクロは相性が悪いと思われがちですが、実はマクロの作り方次第で、多くのユースケースがBox Editでも実行可能であることが分かりました。
WebアプリケーションからのExcelマクロ活用の一助になれば幸いです。

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