あくまで自説であるが、それにしては自信満々だが、人間の手はマウスのボタンを押すようにはできていない。手の関節という構造物は「回転」を行うように作られており、上から「押す」動作は苦手である。回転運動を複数組み合わせて「押す」動きを実現しているにすぎない。
これがピアノの鍵盤であれば体重を使って「押す」を実現することもいくらか容易であろう。しかしながらマウスというのは「位置をずらす」という大前提があり、体重をかける訳にはいかないのである。
なので、マウスボタンは「指先を手元に引き寄せる」回転運動で押せるようにしとかないと「押しにくい」。確かにマウスボタンは傾斜を持っているが、部品であるスイッチの位置が妙に手前にあることから推測して、やはり「上から押す」ことを前提としているようだ。
実際の話、手元に引き寄せる動きを想定したマウスは稀である。昔のケンジントンのマウス、大昔のミツミのマウス程度である。(電気部品で鳴らしたミツミだけあってスイッチの使い方はうまい、品質も言うことなし。)
人間工学に無知と言ってもいいマウス設計家のお陰で、そういったマウスが全く見られなくなった。なので、その中でも比較的ボタンを押すときに人の指に優しいものを探す必要ができてしまった。以前はあったのだ。ある程度ベテランなら使ったことがあるだろう。マイクロソフトのナス型マウスである。
手元にないので画像のリンクを貼るしかないが、これ、類を見ないほど「ボタンの端っこが底面から離れている」。
http://mineko.fc2web.com/box/mice-room/items/res/microsoft-intellimouse-1_1a/front.jpg
なので、指先をマウスの外に投げ出せば、引っ張る動作でボタンが押せるのである。スイッチの質もよく、それだけでしっかりとクリックにカウントされる。マイクロソフトに部品を供給しているという噂のアルプスの(超大昔の)マウスも同じような感触であった。アルプスのマウスは重心が先端に極端に寄っており「めちゃくちゃ使いやすかった!」2本の指先で不自由なくカーソルを移動できたのである。
かくして、そーゆーマウスを探しているのだが、今のところLogicoolしか、底面とボタンが離れていて/スイッチがしっかり押せる、ものがない。
ポインティングデバイスに多額の投資をし、楽なオペレーションを実現していた私は、かくして会社指定のマウスで毎日のようにクリックが空振りしている。
もともとパソコンの反応が鈍いものだから「押したと認識してくれてないのか/単にレスポンスが悪いのか」、体感的に10秒、余分な時間が必要となる。