前回からいろいろとプリアンブルが増えて大変になったので,今一度プリアンブルを書き出してみる.
自分のメモ用.
documentclassの指定
\documentclass[dvipdfmx]{jsarticle}
\usepackage{graphicx}
\documentclass
は原稿全体の体裁を決める命令.日本語論文や軽いノートの場合はjsarticle
.英語で書く場合はarticle
にすればO.K.
graphicx
は図の取り込みに必要なパッケージ.正直おまじない程度にしか理解していない.
パッケージの羅列
\usepackage{amsmath}
\usepackage{amssymb}
種々の特殊記号や高度な数式を書けるようにするパッケージ.人権なのでとりあえず入れたほうがいい.
\usepackage{comment}
これを入れておくとcomment
環境を使える.環境内に書いた文はすべてコメントとして扱われる(文書に出力されない).ある一部分を文書内から消したいが,後で使うかもしれないから文章としてコードには残しておきたい,というときに便利.雑に入れ得.
参考:https://medemanabu.net/latex/comment/
\usepackage{enumerate}
箇条書きで用いるenumerate
環境のカスタマイズができるパッケージ.デフォルトの番号付き箇条書きスタイル「1., 2., 3., ...」を,「(a), (b), (c), ...」とか「i), ii), iii), ...」とかに変えられる.
詳しくはこちら: http://www.yamamo10.jp/yamamoto/comp/latex/make_doc/item/item.php#ENUMERATE_STY
最近では新たにenumitem.sty
なるパッケージが出てきた。こちらのほうがカスタマイズが豊富らしい1。
\usepackage{mathrsfs}
花文字を使うためのパッケージ.\mathscr{文字列}
で花文字が出力される.ちなみに花文字を使う機会がいまのところ全くない.\mathcal{文字列}
のほうがよっぽど使うんだよな.
参考:http://xyoshiki.web.fc2.com/tex/mathrsfs.html
\usepackage{mathtools}
AMSパッケージの拡張.これを入れておくとなんかいろいろなことができるらしい.amsmath
と一緒に入れておこう.
参考:https://qiita.com/Yarakashi_Kikohshi/items/6362bf26828bfcfdb289
\usepackage{proof}
証明図を書くときに必要なパッケージ.数理論理学をやる人ならまあ必須.時間があったら解説記事を書きたいが,時間がないのでかけていない.
公式:http://research.nii.ac.jp/~tatsuta/proof-sty.html
参考:https://swimath2.hatenablog.com/entry/2013/12/06/013552
\usepackage{qtree}
木構造を書くときに必要なパッケージ.一回入れたけどあんまり使ってない.
\usepackage{subcaption}
図を並列して配列するためのパッケージ.長らく使ってない.
\usepackage{siunitx}
SI単位系はじめ,単位をきれいに書けるパッケージ.たとえば,以下のように使う.
入力:\SI{30}{kW}
出力: $30 \ \textrm{kW}$
物理量を書くときは,数字と単位の間を半角スペース分あける,単位は立体にするといった細かな規則がある.siunitx
を使えば簡単なコマンドでこれらの規則に合うように出力してくれる。
学部のころ物理・化学のレポートを書いたときお世話になった.現在の分野(数理論理学)ではあまり使わない.
参考:https://medemanabu.net/latex/siunitx-package/
\usepackage{url}
\url{ページのURL}
で簡単にURLを挿入できる優良パッケージ.よく考えなくても入れたほうがいい.
\usepackage{xcolor}
文字色とか背景色を変えられるパッケージ.HTML
オプションを使えばカラーコードが使えるので超便利。
後述するhyperref
とか,lstlisting
とかで使う.
参考:https://mathlandscape.com/latex-color/
TikZ
\usepackage{tikz}
\usetikzlibrary{automata}
みんなだいすきTikz TeX内部で図を書けるというスグレモノ.
拡張機能を使うと様々な図を書くことができる.私はオートマトンを楽に書けるautomata
を使っています.
amsthm
\usepackage{amsthm}
\theoremstyle{definition}
\newtheorem{dfn}{Definition}[section]
\newtheorem{ex}[dfn]{Example}
\newtheorem{prop}[dfn]{Proposition}
\newtheorem{lem}[dfn]{Lemma}
\newtheorem{thm}[dfn]{Theorem}
\newtheorem{cor}[dfn]{Corollary}
\newtheorem{rem}[dfn]{Remark}
\newtheorem{fac}[dfn]{Fact}
\renewcommand{\qedsymbol}{$\blacksquare$}
過去の記事で紹介した定理・証明環境.数学はじめ理論系分野ではほぼ人権パッケージ.
listings
\usepackage{listings}
\lstset{
basicstyle={\small\ttfamily},
columns={fullflexible},
frame=tlrb,
rulecolor=\color{black},
backgroundcolor=\color{black!10}
}
プログラムのソースコードを直接貼り付けるためのパッケージ。lstlisting
環境を使えば、プログラムのコードを直接テキストファイルとして貼り付けることができます。
これも学部時代に課題で使ったっきりで今は有効活用できていません。
hyperref
\usepackage[colorlinks=true, hidelinks]{hyperref}
\usepackage{nameref}
章・節番号とか,定理番号とか,\ref
コマンドで引用したものをワンクリックで参照するためのパッケージ.オプションを加えることで
入れたほうがいいパッケージ
- 人権:
amsmath
,amssymb
,mathtools
- 雑に入れ得:
comment
,enumerate
(enumitem
),url
,xcolors
- 数学系なら欲しい:
amsthm
(環境構築)
気に入ったものがあったら引用して使ってください.
おしまい
-
例えば,場合分けのカウンターを太字にすることができる(「(a), (b), (c), ...」). ↩