株式会社Neverのshoheiです。
株式会社Neverは「NEVER STOP CREATE 作りつづけること」をビジョンに掲げ、理想を実現するためにプロダクトを作り続ける組織です。モバイルアプリケーションの受託開発、技術支援、コンサルティングを行っております。アプリ開発のご依頼や開発面でのお困りの際はお気楽にお問合せください。
TL;DR
- 弊社のGoogle Play Console デベロッパーアカウントが突然停止、公開していたアプリが全て削除、アプリのアップロードもインストールもできない状態に
- 自社ゲームアプリのポリシー違反によるものだが、違反内容に思い当たる節は無く、再審査請求をした
- 1ヶ月後、再審査請求が承認され、アカウントが復旧
- 2回目の停止を喰らったが、1週間でアカウントが復旧
- 対策を検討中
概要
弊社が運用していたGoogle Play Console デベロッパーアカウントが突然停止され、自社アプリが全て削除されました。
急な出来事かつ停止した理由に思い当たる節はなくとても混乱しました。
巷でアプリの配信停止はたまに聞いていましたが、アプリを配信していたアカウント自体が停止した話は聞いたことがなかったので、私と同じような境遇に合われた方のために記録致します。
状況を時系列で紹介。
日時 | 内容 |
---|---|
2023年11月14日(火) 14:23 | ゲームアプリがポリシー違反のため削除された デベロッパーアカウントがポリシー違反のため停止された(1回目) |
2023年11月14日(火) 14:56 | 再審査請求(1回目) |
2023年11月15日(水) 12:30 | Googleから受理および調査する旨の回答 |
2023年11月17日(金) 11:02 | 催促の連絡をするが、調査中と回答される |
2023年12月7日(木) 10:23 | 催促の連絡をするが、調査中と回答される |
2023年12月10日(土) 9:12 | 本記事を投稿、XのGoogle Play公式アカウントより連絡があり、DMで再審査の催促をした |
2023年12月14日(木) 17:44 | Googleからメールで再審査請求の承認の連絡が届き、アカウント復旧 |
2024年2月15日(木) 3:37 | 前回の違反より停止状態となった(公開していない)ゲームアプリがポリシー違反のため削除された デベロッパーアカウントがポリシー違反のため停止された(2回目) |
2024年2月15日(木) 6:05 | 再審査請求(2回目) |
2024年2月22日(木) 13:00 | アカウント復旧(2回目) |
2024年2月28日(水) 14:30 | 本件についてデジタルプラットフォーム取引相談窓口の方々と打ち合わせ |
アカウント停止から復旧までちょうど1ヶ月の惨劇でしたが、2月15日に同様の理由で公開していないアプリが同じ理由で違反扱いになり、アカウントが停止されました(2回目)
アカウント停止までの流れ
平和な日常でそれは突然起こりました。
私が近所のコンビニでおでんを購入していた時、突然、Googleから2通のメールが届きました。
1通目、運用していたゲームアプリがGoogle Play Consoleから削除されましたメール。
このゲームアプリはMVPで開発し、ユーザーからの評価が得られず削除する予定だったのでちょうど良かったと思いメールを閉じました。(確認直後は削除された理由について特に見ず。。。)
ただ、同時刻に来た2通目のメールを見て、目ん玉が飛び出ました。
2通目、運用していたGoogle Play Console デベロッパーアカウントが終了しましたメール。
すぐにGoogle Play Consoleの画面を確認すると無惨な姿になっていました。
ステータスは「アカウントを削除・すべてのアプリを Google Play から削除」になっていました。
これは洒落にならない。
Google Play Storeで公開していたアプリは全てアクセスできず、Google Play Consoleのアプリの管理画面にもアクセスできなくなりました。
対応内容
こちらとしては「再審査請求」するしかありません。
デベロッパーアカウント停止のトリガー?となったゲームアプリの違反内容を確認しました。
Malware, Mobile Unwanted Software & Behavior Transparency
マルウェア、モバイルの迷惑ソフトウェア、および動作の透明性
Additionally we’ve identified your app falls into one or both of the two categories below:
- Your app contains code that could put a user, a user’s data, or a device at risk, and/or
- Your app does not deliver on the promises made to the user.
さらに、あなたのアプリが以下の 2 つのカテゴリの一方または両方に該当することが判明しました。
- アプリには、ユーザー、ユーザーのデータ、デバイスを危険にさらす可能性のあるコードが含まれています。
- あなたのアプリはユーザーとの約束を果たしていません。
思い当たる節が全くありません。
当該のアプリはUnity
で作ったシンプルなミニゲームアプリです。ストアの説明文やスクリーンショットと実際のアプリは乖離していません。
アプリのアセットはUnity アセットストア
で購入してゲーム内で利用しています。
もしかすると、同じアセットを使ったゲームがたくさんあるので、そこに抵触した原因があるのか?と思いましたがよく分からず。。。
こちらとしては受け入れられない内容ですので、すぐに再審査請求をしました。
そして、既存のアプリを使っていただいているAndroidユーザーに対して、本件と全てのアプリでGoogle Play Storeからアプリの確認およびダウンロードができない旨を伝えました。
その1日後、Googleから再審査請求の受領および調査する連絡がきました。
停止されたらどうなるか
- Google Play Storeから全てのアプリが確認できない
- Google Play Consoleから全てのアプリが確認できない
- Google AdMobから「ポリシー違反のため早急にご対応をお願いいたします」の連絡後、広告が停止
- サブスクリプション購読者の購読状態は続くが購読者からの支払いはされない、アプリ復旧後は購読者がアプリを開いたタイミングで購読解除。つまり、全ユーザーのサブスクリプションは自動的に解約される
これら、Google Play Consoleからアプリを確認できないので対応できません。
できることは再審査請求の調査結果を待つのみです。
再審査請求した結果
アカウント停止してから1ヶ月後、無事アカウントが復旧できました。
復旧直後のGoogle Play Consoleです。
アプリのステータスが全て削除された状態ですので、公開する手順をGoogleに質問して教えてもらいました。
復旧後のアプリ公開手順
- Google Play Console にログイン
- アプリを選択
- [ストアでの表示] > [メインのストアの掲載情報] を選択
- [保存] をクリック
[保存] ボタンがグレー表示の場合は、ストアの掲載情報に小さな変更を加えるとボタンがアクティブになり、アップデートの送信ができます。
また、 AdMobとは連動していないため、AdMobのコンソール画面で広告配信を再度有効にするようAdMobチームに問い合わせするように言われましたが、確認したところ、アプリの公開をAdMobが検知するまで待つようです。
手順を踏み、無事に幣アプリがダウンロードできる状態になりました。
アカウント停止の理由
再審査請求の結果が気になったので、Googleにアカウント停止した理由を聞きました。その回答がこちら。
また、誠に恐れ入りますが、お客様のアプリ、アカウントに関する審査プロセスについて私どもからコメントすることはいたしかねます。今般さらなる審査を行いました結果、お客様のアプリが当社のポリシーに準拠していることが判明したため、異議申し立てが承認されましたことをご理解ください
まぁ...そういう返答だろうなと思いました。
真相は闇の中。
教訓
アカウント停止されてしまった場合のアクションと、停止されないための対策をまとめてみました。
アカウント停止後のアクション
- Google Play Consoleより、再審査請求をする
- アプリを使っているユーザーへ状況を説明する
- 再審査請求の結果が遅い場合は、 異議申し立ての確認のお知らせメール又はXのGoogle Play公式アカウントへ催促の連絡をする
- 再審査請求の結果がくるまで待つ
また、Xでリプいただいた方から教えていただいたのですが、デジタルプラットフォーム取引相談窓口に相談も有効かと思います。
経済産業省からGoogleへ連絡していただけれるようです。
相談フォームはこちらです。
注意として、2分以内に入力をしないと記載した内容がリセットされる(入力内容を確認するを選択すると次の画面に遷移せず、フォームがクリアされた状態になる)仕様なので、あらかじめ送信する内容を準備しましょう。
アカウント停止されないための対策
アカウント停止のリスクを抑えるため、メンテナンスしない不要なアプリは非公開にすることです。
非公開にしても違反通知が来たので、メンテナンスしないアプリは削除してください。ただし、削除するには以下の条件が必要です(Googleからの説明をそのまま記載)
- アプリが良好な状態である(否承認、ブロック、停止されていない)
- アプリのインストール数が全期間を通じて 0 である
- アプリが審査中ではない
- アプリが 24 時間公開停止状態である(インストール数が 0 になるようにしてください)
また、アプリを非公開にする手順は以下の通りです。
- アプリを選択します
- 左側のメニューで、[セットアップ] > [詳細設定] > [アプリの可用性] を選択します
- 「非公開」ボタンをクリックします
非公開にできない場合は「管理対象の公開」機能をオフにする必要があります。
最後に
アカウントが停止されたことで自社アプリ開発のやる気が一気になくなりましたが、無事復旧できてよかったです。
悲劇の1ヶ月でしたが、いい経験になりました。
この経験で思った事は、第三者のアプリを幣ストアで管理していなくて本当によかったなと。もし取引先様のアプリを管理していたら、取引先様のアプリも削除されてどうなっていたことやら...
このような巻き込み事故のリスクもあるので、第三者のアプリは第三者のストアでしっかり管理していただくということを強く伝えていけそうです。
QiitaやXの投稿にいいね、拡散していただきありがとうございました。
この記事が誰かのためになれば幸いです。