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パーフェクトシンク対応人間になって仮想空間でナルシストになろう

Last updated at Posted at 2022-12-01

この記事は クラスター Advent Calendar 2022 :1 の 1日目です。


2022年のみなさんこんにちは、今年も年に一度自分のアバター体験について書く季節がやってきました。
受肉、バ美肉といったフレーズも既に目新しいものではなくなった昨今、いかがお過ごしでしょうか。

仮想空間をアバターで過ごす

2018年にはこんな記事を書いていた私ですが、環境もあり、世の中にくらべ一足早く「アバターを使った生活」をはじめているといえるでしょう。

特にこの4年はCOVID-19の流行もあり、仕事もプライベートも、何かとオンライン化が進んだ期間でした。

各メタバースPF内の熱量の高まりは言わずもがなといったところです。もちろんまだまだ一般的とは言えないかもしれませんが、この空間で過ごした時間の濃密さは、すでに現実の経験とさほどの区別もないものです。
image.png
▲ 仮想空間のクラブで深夜に踊り狂っている私(メカのすがた)です

私の環境で特に面白い観点は、やはり仕事での利用かと思います。2020年には既にこんなツイートをしていましたが、その後アバターを使う人も、使う機会も増えています。

今年は私の所属するPMチームも結構採用を頑張ったため、かなりの数面接を担当させていただきましたが、ほぼすべてアバターで応対しています。アイスブレイクにもなっていいものです。
最近では候補者側の方にもアバターで来ていただくことも増え、「逆に生身は失礼か…?」という事態にもなっています。

このようにまだまだビデオ会議の出番も多いです。アバターでビデオ会議に参加することで、ビデオ会議の場もある種の「仮想現実」として機能します。このあたり、ZoomやMeetの「バーチャル背景」や、Snap Cameraなどのビデオ会議用ツールなども流行しましたね。

そろそろ本題に入りますね

さて、こうしたビデオ会議等で利用する場合、私は VRM 形式のアバターを利用しています。VRMのアバターでは設定した表情を切り替えて、何種類かの表情を出すことができます。

image.png
▲ こちらはVRM製のアバターを作成できる「VRoid Studio」の画面です。

通常であれば、これら基本的な表情をボタン操作などで「切り替えて」使うのですが、やはりぱっと表情が切り替わるのは、やや趣に欠ける体験です。
そこで、iPhoneのARKitによる表情トラッキングを利用した「 パーフェクトシンク 」という技術が登場します。

これであなたもパーフェクトシンク対応人間!!!ヌルヌル動く表情で仮想空間にさらなる没入体験を得よう。

どうですか、この豊かな表現力。 圧倒的に可愛いですね、そうでしょう?
対応人間になると、このように通常のVRMの表情以上に滑らかな表情変化や、舌を出す、頬を膨らますといった変化も楽しめるようになります。ヌルヌル動く表情を見ているだけで、自分のアバターのことがより大好きになること間違いなしです。

あまりに気持ちがよすぎて、テレビ会議中もついつい自分のアバターの動きを目で追って、いろんな表情を取って楽しんでしまいます。リアルの自分ではなかなかやらないようなナルシスティックなしぐさですが、自己肯定感の高まる瞬間でもあります。こうして没入感を高めていくことで、仮想空間上の自分という存在が、より強化されていく感覚を味わうことができます。

ワンクリックで設定可能!スーパーイージー!

とはいえ難しいんでしょう? 私もそう思っていた時代がありました。
なんとVRoid製のアバターを使っている方は、有志のツールを使うことでハチャメチャ手軽にパーフェクトシンク対応アバターを作成することが可能です。

というわけで、これを使ってみんな仮想空間のナルシストになりましょう!

用意するもの

image.png
システムの構成はこんな感じになります。

  • VRoid 製のアバター
  • HANA App 1,500円
    • image.png
    • VRMアバターのBlendShapeClipを編集するアプリです
    • 正直今回このツールの紹介が最も価値のある情報です!!!!
    • VRoid製アバターなら、パーフェクトシンク対応をワンクリックでやってくれます!
      • 超絶お手軽です。感謝しかありませんね。1,500円は安すぎる。ブーストしましょう。
      • 細かいClip調整も可能です。こだわりを追求するのも良いですね。
  • FaceIDに対応しているiPhone/iPad
  • iFacialMocap
    • iPhone/iPad側にインストールするアプリです。
    • ネットワーク越しに下記アプリにトラッキングデータを送ってくれます。
    • このアプリを起動したiOSデバイスをウェブカメラの代わりに卓上に設置することで、トラッキングできます。ウェブカメラの代わりに設置するようなイメージですね。
  • VRM対応アバター表示アプリ
    • トラッキング情報をもとに、VRM製のアバターを表示してくれるアプリです。様々なアプリがリリースされていて、色々と特徴があります。気に入ったものを選ぶと良いでしょう。
    • VMagicMirror
      • 今回はこちらを利用しました。同僚の baxter さん謹製アプリです!
    • Luppet
    • 3tene
    • waidayo
    • vear
    • Emosign
    • etc...
  • OBS
    • 上記アバターアプリの画面を取り込んで、仮想カメラとして出力します。
    • 仮想カメラを各テレビ会議ツールから、カメラとして設定することで、トラッキングしたアバターで Zoomやmeetに出ることができます。

さあ、後は好きな会議に出席するだけです!

おわりに

というわけで、今年もアバターについて記事を書きました。2018年にはじめてアバターを手に入れてから、色々なシーンで利用を重ねることで、すっかり愛着のある存在になりました。元々、ウェブサービスのIDやアイコンに対してアイデンティティを持つタイプの人間でしたが、まさにそうした概念が「受肉」することで、オンライン世界により深く没入できている感覚があります。

もちろんVRHMDやトラッカーを利用したフルトラッキングによるメタバース体験もとても良いモノですが、今回のようにモバイル端末とPCを使うだけでも、これだけのトラッキングによる仮想空間への没入体験が得られるという点は意外と見落とされがちです。
メタバースに存在するための「アバター」(操作する「キャラクター」ではなく、没入する「アバター」なのです、やはり。)を通して、人々が身体性をもったオンライン体験をする、というビジョンは、ゲームxUGCに次ぐメタバースが「今」面白い理由ではないか、と思っています。

また、逆に言うとまだまだ距離感ある「メタバース」や「アバター」といった体験も、身近な「テレビ会議」の場から身体感覚を伴ったオンライン体験として実感できるということです。まだ壁があるなーと思うあなたも、ぜひこの機会にトライしてみてはいかがでしょうか。

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▲どうでもいいけど、2018年->2022年でめっちゃ変わっててエモーい


明日は @noir_neo さんの「書く」です。楽しみですね!!

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