はじめに
筆者はカスタマーサポート部のマネージャーを務めています。
自社でもコロナ禍でリモートワークが急激に進み、バーチャルオフィスを会社として利用することになりました。
カスタマーサポート部は計40人程在籍しましたが、そのうち退職者はここ3年で数人しかいません。
コールセンター業務を担うIT系のカスタマーサポート部にてこの退職率の低さは驚異的です。
そこに一役買っていたのがバーチャルオフィスの存在だと感じたため、利用方法についてまとめてみたいと思いました。
前提
本記事は「リモートワーク最高!」と謳うものではありません。
筆者もコミュニケーションという観点では、全員出社するのが一番良いと思っています。
表情がわからないとニュアンスも伝わりませんし、就業後に「軽く呑みいくか」なんてものは出社ありきですし、コミュニケーションを取らせたいのであれば対面が最強です。
ただ、以下の理由からリモートワークにせざるを得ないのであって、それによって失われるコミュニケーションを補完するものがバーチャルオフィスになるのです。
・席数が足りない
・隣の人と近いため会話中に雑音が入る
・遠方の方も採用したい
・強制的に出社をさせるとモチベーションが下がってしまう
3箇条
バーチャルオフィスを利用する際の必須となる心構えになります。
この3箇条をチームとして守れないのであれば、もはや使わない方が良いまであります。
【常にオンラインにする】
当たり前でありますが、リアルオフィスを再現するものであるのに、そこに自分以外の誰もいなかったら意味がありません。
これは出社していても同じことが言えます。
コロナ禍で出社してみたら誰もいなくて、「出社しても誰ともしゃべれないな...」と思ったことはないでしょうか。
この取り決めはMUSTであって、「自分は家近いし、毎日出社してるので大丈夫です。」とかではなく、出社していてもオンラインにしなければなりません。
また、「オンラインにすると話しかけられるから、落ち着いて仕事したいのでオフラインにします」という報告があるのですが、それはリアルオフィスでも通用する話ではないのでもちろんNGです。
この取り組みに関して最も意識しなければならないのは、相談役すなわち上長になります。
仕事上のコミュニケーションのほとんどは相談になるので、相手役がすぐそこにいなければ意味がなく、相談役がいないバーチャルオフィスはすぐに破綻します。
すぐに聞けるという安心感が大事なので、1時間以上誰からも話しかけられないこともしばしばありますが、それでいいのです。
【話しかけられたら必ず聞く】
バーチャルオフィス内でも心理的安全性を保たなければなりません。
リアルで話しかけたら「今忙しいから後にして」と言われ、以降話しかけるのが億劫になってしまったなんて話はよくあります。
そもそも、オンラインにしているということは話しかけても良い状態なはずなので、そこは優しく対応しましょう。
わざわざ話しかけに来るということは以下の理由が考えられ、後回しにすると不幸なことが起こります。
・内容が複雑で、テキストだと書く方や読む方に工数が生じる。
→読むのが大変で後々結果呼び出す。
・急ぎ案件なためすぐに報告したい。
→なぜもっと早く相談しなかったんだとなる。
・テキストに残すほどのことでもないが、サクッと聞きたい。
→聞かずに進行して、結果間違った方針に進む。
相談される側は逆に今聞かないと、後々自身の業務が増えることを理解しなければなりません。
【社内ミーティングはバーチャルオフィス上でおこなう】
バーチャルオフィスを利用していない頃に起きたのが、「相談しようと思ったら相手のカレンダー埋まってる問題」です。
蓋を開けてみると、実質10分で話が終わるミーティングを30分の枠で埋められており、意外と空いている時間がありました。
ただ、このスキマ時間は出社していないとわからないのです。
カレンダーを30分抑えることは良いですが、その場をバーチャルオフィス上に移すことによって、周りはミーティングが終わったことを認識できるようになります。
そうなると、相談者はスキマ時間を見つけて話すことが可能になります。
相談役は定時後しか時間抑えられないのは、結果的にチームの残業時間を増やしていることを自覚しなければなりません。
まとめ
いろいろ書いてきましたが、先述の通り全員が出社できるのであればそれが一番良いです。
ただ昨今それが難しいと思うので、もしバーチャルオフィスを検討することがあれば是非参考にしてみてください。
「いやいや、うちの業務はオンラインにする暇ほんとにないから無理だよ」という声が聞こえてきそうですが、それは仕事が一人でできる方の意見です。
特に新入社員の様な迷える子羊には手を差し伸べる姿勢が大事なのかも知れません。
日中はほとんど電話対応をおこなっている我々カスタマーサポートが利用できているのであれば、後は覚悟だと思います。