はじめに
Tableauという分析ツールを使ったことがありますでしょうか?
「使ったことがある!」といった方や「初めて聞いた!」といった方、様々だと思いますが
本記事ではTableauとはどういったツールなのか、どういったことが出来るのかを簡単に紹介したいと思います。
※初級者の方やそもそもTableauというものを初めて聞いたといった方向けの記事になります。
なぜ本記事を書こうと思ったのか
約半年前に社内でTableauを導入したのですが
どんな機能があるのか、設定方法はどうやるのか(簡単に出来るのか)などが分からず最初、苦労したので
導入初期に知っておくと便利だろうなという機能をまとめると、同じように困っている人の役に立つかもしれないなと思い執筆しました。
特に導入検討されている方や導入初期の方に、もちろんそれ以外の方でもほんの少しでも参考になれば嬉しく思います。
Tableauとは
Salesforce社が提供する分析ツールであり、日本のみならず世界でも多数の企業が導入しています。(ホームページはこちら)
昨今DXの必要性が叫ばれており、企業にとってデータを活用する重要性は高まってきていると思います。
データを分析/活用するにあたり、Tableauとはどういったものなのか、どういったことが出来るのかを簡単に紹介していきます。
〇 本記事で書くこと :Tableauで出来ることをざっくり紹介
× 本記事で書かないこと:Tableauの価格設定や導入手順、ライセンスの種類など
Tableauの画面を紹介
Tableau Desktopをインストールするとサンプルデータが準備されているため
こちらのデータを使って、まずはTableauの画面を紹介したいと思います。
サンプルデータを開くと、下のような画面が開きます。
(Tableauの契約方法、Tableau Desktopのインストール方法やデータの接続方法は本記事では割愛します。)
- 左側に表示されているのがデータペインと呼ばれるもので、取り込んだデータに入っている項目が表示されます。(各項目はフィールドと言います)
- 線で区切られているところの上がディメンション、下がメジャーです。
- ディメンションは種類とか区分けとかデータを分ける “指標“、メジャーは集計(合計や平均など)に使う数値とイメージして頂くと最初は分かりやすいかもしれません。
- 例えば数値としてみたいもの(「売上」や「利益」など)は下の画像を見て頂くと、線から下の部分に入っているのが分かります。
- 「売上」をどういう分けで見たいのか、例えば「オーダー日」ごとなのか「地域」ごとなのかみたいな分けるにあたっての指標が線から上の部分に入っています。
- この部分は触ってみると、よりイメージが掴みやすくなると思うので、最初はよく分からなくても問題ありません。
- また青色は不連続、緑色は連続を表していますが、触り始めてすぐのタイミングで説明すると混乱するかもしれないので本記事では詳細の説明は割愛します。(気になる方はヘルプをご参照下さい。)
- アイコンはデータの種類を表しています。(例えばAbc:文字列、カレンダーのようなアイコン:日付、#:数字など)
グラフを作成する①:棒グラフで描画する
では早速グラフを作ってみましょう!
ここでは地域別の売上を可視化したいとします。
左側のデータペインから「地域」と「売上」を列と行にドラッグ&ドロップで持ってくると棒グラフが描画されます。
横向きに棒グラフを作成したい場合は列と行にそれぞれ入れ替えても作成出来ますが
便利な機能をTableauは用意してくれていて「行と列の交換」を押すと一発で入れ替わった状態に変更出来ます。
グラフを作成する②:フィルター条件を設定する
地域ごとの売上は可視化出来たので、次にフィルターで条件を限定する方法をご紹介します。
ここでは「カテゴリ」の「家具」に絞って売上を見たいとします。
その時は左側のデータペインからフィルターとして設定したいフィールド(今回だと「カテゴリ」)をフィルターにドラッグ&ドロップすると条件の設定画面が表示されます。
今回は家具に絞りたいので家具のチェックボックスにチェックを入れ、OKをクリック
そうすると家具に絞った状態でグラフが描画されます。
またフィルター設定した部分の上で右クリックし、「フィルターを表示」をクリックすると右側に条件を表示させることが出来ます。
こうすると現在どの条件でフィルターを設定しているのかが分かりやすいですし、変更もしやすくなるのでオススメです。
(またここに表示させることでTableau Viewerという編集権限がなく、閲覧のみのユーザーでも変更出来るようになるというメリットもありますが、詳細は本記事では割愛します。)
グラフを作成する③:色分けで表示する
売上の構成割合を例えば「カテゴリ」別に見たいとなったときに、Tableauは色分けして表示してくれる便利な機能があります。
分かりやすいように先ほど設定したフィルター条件はここでは削除しておきます。
削除の仕方は複数ありますが、ここではフィルター条件の上で右クリックし、「削除」を選択して頂ければ削除出来ます。
削除出来ましたら、色分けしたい項目(今回だと「カテゴリ」)をドラッグ&ドロップで色に持ってくると自動で色分けして表示されます。
また色を変えたい場合は右側に出ている色の凡例から自由に選んで色を変更出来ます。
グラフを作成する④:平均線を表示する
Tableauでは平均線を描画する方法が用意されているので、紹介したいと思います。
現在、データペインが表示されている状態になるので、左側の「アナリティクス」というタブをクリックしアナリティクスペインを表示します。
「平均線」というフィールドがあるので、こちらをドラッグ&ドロップすると「リファレンスラインの追加」という項目が出るので今回は「表」に持ってきます。
すると平均線がグラフに描画されます。
また平均線の設定を変更したいときは、平均という文字の上か平均線の上でクリックすると編集という選択肢が出て来るのでそちらをクリックすると
書式設定を変えたり、平均の値を表示したりなど設定を変更出来ます。
ここでは名前を「平均」から「売上平均」に変更し、「実線」から点線に変えてみます。
設定が変更すればOKをクリック。
グラフを作成する⑤:計算フィールドを作成する
Tableauではフィールドの項目を使用して、計算フィールドを作成することが出来ます。(Excelの数式や関数のようなものと考えれば理解しやすいかもしれません。)
データペインの上の部分に▼マークがあるのでこちらをクリックし、「計算フィールドの作成」を選択します。
ここでは利益率という項目を作成したいと思います。
欄の上の部分がフィールド名を記入するところになるので、こちらに「利益率」と記載し、下の欄に [利益] / [売上] と記載します。
なお利益と売上は直接記載しても良いですし、データペインからドラッグ&ドロップで記載しても良いのですが、直接記載する場合は前後に[]を忘れずに付けましょう。
記載が完了すればOKをクリックすると作成画面が閉じ、データペインに今回作成した「利益率」が表示されています。
行に追加すると「利益率」もグラフに描画されていますが、少しおかしい部分があるのが分かりますでしょうか?
軸を見ると整数値で表示されていますが、利益率は%で表示する必要があるため設定を変更します。
利益率のフィールドの上で右クリックし、既定のプロパティ ⇒ 数値形式を選択します。
すると設定画面が開くのでパーセンテージを選択し、小数点は1を選びOKをクリックします。
この状態でグラフを見てみると、どうなったでしょうか?
まだ修正が必要な部分がありそうです。
ここでも軸を見ると、10,000.0%などかなり大きな値になっており、行を見ると合計(利益率)と表示されています。
利益率として見たいのは、合計値ではなく平均での値を見たいので修正していきます。
行の合計(利益率)の上で右クリックし、メジャー(合計)から平均に変更します。
変更し軸を見ると、利益率から平均利益率になっており、値を見てもそれほど違和感のない数値になっているかと思います。
グラフを作成する⑥:二重軸で表示する
売上と利益を一つのグラフ内に描画した状態で確認しても分かりやすいと思うので、その方法をご紹介します。
このままでも大丈夫なのですが、グラフの種類や色分けも合わせて変えていきます。
まずマークというところから平均(利益率)をクリックし、グラフの種類を円に変更し、色にカテゴリが入っているのを削除します。(ちなみにサイズという部分をクリックすると円のサイズも変更出来ます)
こうすると平均利益率がかなりすっきりしたグラフになったと思います。
続いて売上のグラフと平均利益率のグラフを一つのグラフで描画したいと思います。
やり方は複数ありますが、ここでは行の平均(利益率)の上で右クリックし、二重軸を選択します。
すると一つのグラフに売上と平均利益率が描画されます。
ただこの状態だと棒グラフ(売上)と円(平均利益率)が左と右どちらの軸を見れば良いのか分からないので、ラベルを付けたいと思います。
売上がカテゴリ別に分けていることもあり、両方にラベルを付けると数字が多くなり少し見にくくなるので、今回は平均利益率だけにラベルを付けます。
データペインから「利益率」を「マーク」の「ラベル」と書いてあるところにドラッグ&ドロップで持ってきます。
その際、「利益率」が合計になっているので右クリックから、「平均」に変えるのをお忘れなく。
また「マーク」の「平均(利益率)」が選択されているのも、念のためご確認ください。
こうすると「平均利益率」にラベルが表示され、%で表されるので少し見やすくなったと思います。
※今回は売上と利益率という整数とパーセンテージで見分けが付くもののため、ラベルで対応しましたが
両軸の単位が同じ時は軸の色とグラフの色を合わせるなどしても見やすいかと思います。
是非、色々と試してみて下さい。
このように二重軸で2つの要素を描画すると、売上が大きい地域が果たして利益率も高いと言えるのか、売上が小さくても利益率が高い地域はあるのかなどが一目で確認出来ます。
グラフを作成する⑦:シート名を変更する
現在「シート1」という名前になっているのでシート名を変更したいと思います。
変更の仕方は簡単で左下の「シート1」をダブルクリックもしくは右クリックし、「名前の変更」を選択すると名前が変更出来ます。
ここでは「売上と平均利益率」に変えてみます。
変更すると赤枠部分も自動的に変わり、またダブルクリックすると
ここでフォント名や色などフォント設定を変更出来ます。
グラフを作成する⑧:グラフからクロス集計表を作成する
Tableauでグラフを見ていて、クロス集計表としても詳細に数値を確認したいといったときもあるかと思います。
そんな時に使える便利な機能がTableauに用意されているのでご紹介します。
方法は簡単です!赤枠の部分の上で右クリックし、「クロス集計として複製」をクリックするだけでグラフで描画しているもののクロス集計表が作成されます。
クリックするとこのようにクロス集計表が作成されます。
視覚的にぱっと見て分かりやすいのはグラフですが、会議や商談などで詳細に数値を把握したいといったときに便利です。
まとめ
基本的な機能を確認していきましたが、Tableauだと非常に簡単にグラフを作成出来ることが理解頂けたのではないでしょうか。
今回ご紹介した機能は一部であり、Tableauにはまだまだ多数の機能が準備されています。
やはりまずは触ってみるのが活用への一番の近道かと思うので、是非Tableauのヘルプを見て色々な機能を試して頂ければと思います。
説明が冗長な部分や分かりにくい部分もあったかと思いますが、
最後まで確認頂きありがとうございました!
何か一つでもお役に立てる内容があれば嬉しく思います。