今回は Lightning コンポーネントによって iframe で読み込まれた Visualforce ページと、呼び出し元の Lightning コンポーネントでメッセージのやり取りをする方法です。

Web Messaging API を使う

iframe を使って読み込まれた Visualforce ページとの通信には JavaScript の Web Messaging API が使えます。
(Web Messaging API の詳細については省きます)

基本的な方針は、まず Lightning コンポーネントで MessageChannel を作成し window オブジェクトの postMessage() を介して Visualforce ページに片方の MessagePort を渡します。それ以降は、それぞれの MessagePort の postMessage() を利用し通信する事で 1 対 1 のコミュニケーションを確立します。

window.postMessage() の問題点

Lightning コンポーネントと Visualforce ページ間のコミュニケーションは window.postMessage() だけでも実現できます。
しかし、これは window オブジェクトに対してメッセージを送信してしまうので、同じ window オブジェクトを共有している全員がメッセージを受け取れてしまうという点で注意が必要です。
Visualforce ページは、それぞれのフレーム内で異なる window オブジェクトを持ちますが、 Lightning コンポーネントは同じ window オブジェクトを共有しています。
つまり、 Visualforce ページから送信されたメッセージが予期せぬ Lightning コンポーネントによって読み取られる可能性があります。

サンプルコード

上記の基本方針に沿ったサンプルコードです。

MessageExample.cmp

<aura:component access="global" implements="flexipage:availableForAllPageTypes"  >
    <!-- User Interface -->
    <iframe aura:id="iframe" src="/apex/VFPage" onload="{!c.onLoad}" />
</aura:component>

MessageExampleController.js

({
    onLoad: function(c, e, h) {
        
        // MessageChannel を作成する
        const channel = new MessageChannel();
        
        // Lighting コンポーネントは port1 を利用する事として、メッセージハンドラーを登録する
        // このハンドラーでは、Visualforce ページから送信されたメッセージをコンソールに出力した後、
        // 同じメッセージを Visualforce ページに送信する
        const port1 = channel.port1;
        port1.onmessage = function(event) { 
            console.log('Lighting Component received: ', event.data);
            port1.postMessage(event.data);
        }
        
        // port2 は Visualforce ページに渡す
        const contentWindow = c.find('iframe').getElement().contentWindow;
        contentWindow.postMessage('', '*', [channel.port2]);
    },
})

VFPage.vfp

<apex:page>
    <script>
    // Lightning コンポーネントから window.postMessage() によって MessagePort が渡されるのを待つ
    window.addEventListener('message', function(event) {
       
        // MessagePort を受け取ったら、メッセージハンドラを登録し、
        // Lightning コンポーネントにメッセージを送信する
        // Lightning コンポーネントからメッセージを受け取ったら、コンソールに出力する
        const port2 = event.ports[0];
        port2.onmessage = function (e) {
            console.log('Visualforce Page received : ', e.data);
        };
        port2.postMessage('Hello!');
    }, false);
    </script>
</apex:page>