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チームワークにおける Microsoft Teams のチャットの役割を考えてみる

私たちがアプリを開発したり、または、ドキュメントを書いたり、さらには、提案書を作成したり、そんな日常の仕事がひとりの作業や知識、知恵で完結する場面はほとんど無いように思います。そんな時、当人が意識するかは別として、「チーム」が存在し、「チームワーク」で物事を進めていくわけです。

そうした場面で、ここ最近では「ビジネスチャット」が話題になることが多く、Slack やら Chatwork やら Microsoft Teams やらが取り上げられるわけですが、どれも事例や宣伝文句で「コミュニケーションの活性化」といったキーワードが出てきます。

「コミュニケーションの活性化」が出来て、「アイデアを共有し」「議論のスピード感を上げて」「迅速な意思決定」みたいなシナリオになるのですが、それってなんだか崇高な感じがして取っつきにくいのが正直なところです。

もっと身近に感じられるチャットの用途や役割とはなんだろう?と考えてみたわけです。


「アイデアを共有しよう」は鉄板の失敗パターン

「わが社でも Microsoft Teams を利用して活発にアイデアを共有しようじゃないか!」そんな掛け声で利用がはじまることがあります。経験上、多くの場合にこのパターンは失敗します。なぜなら、多くの一般的な組織やチームの場合、メンバーにそんな欲求は存在しないからです。チャットを導入したからといって活発にアイデアが共有されるのであれば、それはすでに別のカタチで実現されているはずです。


「メールをやめてチャットにしよう」も失敗パターン

チャットを組織やチームに導入する目的として「メールをやめよう」も失敗しがちだと思います。なぜなら、これまでの「メール」の送信頻度や粒度と「チャット」の効果が表れる投稿の頻度や粒度が違いすぎるからです。チャットを導入したとしても、メールと同じ頻度や粒度でしか投稿しないのであれば「やっぱりメールでよかったんじゃない?」「なにが違うの?」となりがちです。

本来は、チャットを導入した結果として不要になったものがメールだったというのが成功のパターンだと思います。


共有すべきは「状況」ではないか

チームワークにおいてチャットで共有すべきものは、各メンバーの「状況」ではないかと思います。かっこ良く言うと「コンテキスト」でしょうか。

「今日もよろしく」からはじまり「今日はあの機能の設計でも考えてみようかな」とか「前から気になっていたあの API の検証してみよ」とか「今日はもう疲れたから帰るね」とかそういったことです。

情報やアイデアを共有するでも議論をするでもなく、各メンバーが「状況」を常にチームと共有します。

これはつまり、オフィスに集まり席を並べて作業を行っていた時に感じた「周りの人が今なにをやっているかがなんとなく分かる」という状態と同じです。いや、隣に座っている人がなにをやっているかなんて分からない時もあるので、それ以上に「状況」を共有することができます。


常に「状況」を共有することによる効果

常に「状況」を共有することで、自分が気づけなかったことに他のメンバーが気づいてくれる機会が生まれます。

「さて、API の検証しよ」という「状況」に対して、「ちょっとまって、それよりもアッチを先にやらないと」みたいなことであるとか、「あのサービスについて調べてみます」という「状況」に対して、「こないだ誰々さんがそれ調べてたよ」とかそういうやつです。

メンバーによる気づきによって常に方向を修正し合いながら作業を行っていくことができるのが、ひとりだけで作業を進めているときにはないチームワークの良さだと思います。

こうしたことは「状況」が共有されなければ生まれることがありません。


Microsoft Teams なら「状況」に様々な「情報」を付加できる

Microsoft Teams を利用すると、こうした「状況」に「情報」を付加して共有することができます。ドキュメントやリンク、そして Web 会議です。

「これからプレゼン資料作ります」と言って「作りかけの資料」を付け加えたり、「この API 検証します」と言って「公開されているリファレンスの URL」を付け加えたり、さらには、「設計書ちょっと見直します」と言って「その前にちょっと打合せしよっか」と言って「Web 会議」を始めたりといった具合です。

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さらに Microsoft Teams の特徴である「コネクタ」や「タブ」の機能も「状況」を共有するために利用できます。「コネクタ」では、他のシステムの「状況」をチームと共有できますし、「タブ」では、OneNote タブで議事メモを作成することで打合せの「状況」を共有できたり、Planner タブでチームのタスクの「状況」を共有できます。そして実際に OneNote などの中を見れば、しっかりと「情報」も共有されているわけです。

こうして、「状況」を共有しながら「情報」も共有できるのが Microsoft Teams の良さだと思います。


チャットを導入した結果、不要になった何かをやめる

コミュニケーションは大きなコストです。常に「状況」を共有しましょうと言っても「面倒くさい」というのが正直なところで、そのほかのコミュニケーションが変わらないのであれば単にコスト増となるだけです。つまりは何かをやめる必要があります。常に「状況」を共有しているわけですから、日次の「報告」とか週次の「報告」とか定例の「報告」ミーティングとか不要になるのであればやめる、または、最小限にとどめるべきです。そうそう、やめることのひとつにチーム内のメールがあるかもしれません。


Twitter のヘビーユーザーはなんとなく理解している

こうした体験は、普段から Twitter を好んで利用しているユーザーはなんとなく経験し理解しているのではないかと思います。

Twitter ヘビーユーザーは実にクレイジーな数のツイートをします。多くのツイートは単なる「状況」であって「情報」ではありません。そんななんの気なしにツイートした「状況」に対して、誰かが返信をつけてくれて何かの気づきや新たな情報を与えてくれる。そんな経験があるはずです。

おおよその一般的な企業におけるチャット導入の大きな課題は、そんな経験を持つ Twitter のヘビーユーザーのようなユーザーが、導入を推進する側にも利用する側にもほとんどいないということです。そうした企業では、チャットの用途のひとつとして「状況」を共有するということを意識してみてはどうだろうかと思っています。


Slack ユーザーの面白い取り組み

Twitter を眺めていて面白い取り組みを発見しました。次のようなものです。

この「ぷちょへんざタイム」も「状況」を共有するキッカケ作りとしてとても良いですね。しかも「困っている状況」を共有してもらうことができますので、そこからがまさにチームワーク(「せいほータイム」)の見せ所ですね。Microsoft Teams であれば、Microsoft Flow を利用することで同様のことができそうですかね?


さいごに

なんとなくチームワークに対してチャットが貢献できそうな用途や役割を考えてきたわけですが、これが正しいのかどうかは良く分かりません。ただ、ビジネスチャットの事例や宣伝文句に出てくる「コミュニケーションの活性化」「アイデアを共有し」「議論のスピード感を上げて」「迅速な意思決定」みたいなシナリオは、チャットをこれから導入してみようとする場合では現状から少し飛躍していて、その前になにかあるんじゃないかとモヤモヤしていた思いを書き出してみました。メンバーがそれぞれの「状況」を共有するだけであれば、今すぐにでも誰にでも試すことができますからね。

というわけで、チームワークにおける Microsoft Teams のチャットの役割は「状況を共有する」ことにあるんじゃないかなという話でした。

(最後まで書いて思ったのですが、別に Microsoft Teams じゃなくても出来ることだなー)