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メディアアート系で重要な数式・概念 & p5.jsで遊ぶ

Last updated at Posted at 2015-03-29

高校数学がボロボロでも大丈夫です。(
もともと個人的にインプットし貯めていたものですが、書きなおして公開します。
地味ですが、派手な動きはこの地味な数式・概念がベースになってきます。

また、メディアアートとは言ったものの、ゲーム制作などにも役立つでしょう。
「ラジアンとは?」「サイン波を描く」「円軌道を描く」「弾幕(2点間の距離系&角度系)」「多角形を描く」「フラクタル」といったテーマです。

また、そのプレイグラウンドとしてp5.js(Processingのjs版)をご紹介します。2014年にリリースされたものでまだマイナーですがCodePenのような海外サイトでは人気が出つつあります。またProcessing公式プロジェクトなので安心感もありますね。ちなみに、Processing.jsとは別プロジェクトです。

ラジアンとは?

・ラジアンは単位
角度についてのもう一つの単位です。
角度とラジアンは、ドルと円みたいな違いと思っています。

・1ラジアンの定義
トリビアですが、ラジアンには弧をもとにした基準があって、
「弧の長さ = その円の半径」の時「1になる単位」だそうです。
まぁ、これ知ってもあんまり変わりません。(←)

・ラジアンの出し方
ラジアン = 角度 * π ÷ 180 です。
つまり角度ありきで出すことがほとんどでしょう。

JavaScriptだと
ラジアン = 角度 * Math.PI / 180;

var rad = 0;
var degree = 50;

rad = degree * Math.PI / 180;
console.log(rad); //0.8726646259971648

まずは、サイン波を描く

サイン波は最もプリミティブなものなので、ここでサイン波の描き方を覚えておきましょう。
深く原理は分からずとも使えるようになれば大丈夫です。

ちなみに、Sineを良く使う場面
「定期的に、ある値をふわふわ上下させたい時」
に良く使います。
ここらへんは言わずもがなかもしれません。

ここでは、うねる直線、つまりサイン波を作ります。
circlemoving3.gif

以下の動きを毎フレームするイメージです。
1 . まず、xをいくらか+します。いくらでもOK。
2 . 角度をいくらか+します。いくらでもOK。
3 . 角度をラジアンに変換します。
4 . yの座標をSin(ラジアン)で決定します。
5 . xとyを元にオブジェクトの座標をセットします。

・・・よく分かりませんよね?w
これだけでイメージすることは不可能かと思います。コードを書いて数値をいじってイメージを掴んでいきます。

コードにすると、

//xをいくらか+する
x += 1;

//角度をいくらか+する
degree += 10;

//角度をラジアンに変換
rad = degree * Math.PI / 180;

//y座標をsin(ラジアン)で決定。最後に掛ける値で振れ幅を調整
y = Math.sin(rad) * 30;

//ポジションをセット
setPosition(x,y);

+する値によってスピードや振れ幅を変えられます。
xに+する値を増やすとx方向のスピードが速くなり、

//x方向に速くする
x += 15;

circlemoving4.gif


角度に+する値を増やすとyの振れるスピードが速くなります。

//yの振れるスピードを速くする
degree += 30;

circlemoving5.gif


また、yに最後にかける値を大きくすると振れ幅が大きくなります。

//yの振れ幅を大きくする
y = Math.sin(rad) * 100;

circlemoving6.gif

円軌道を描く方法

プログラミングでどうやって円を描けばいいんだ?愕然としますよね、分かります。
そんな時に覚えておくとすぐに使える数式があります。しかも汎用性がとっても高いです。

毎フレーム、角度を+する
毎フレーム、角度をラジアンに変換する
X座標 = 円の中心のX座標 + 半径 × Cos(ラジアン)
Y座標 = 円の中心の中心Y座標 + 半径 × Sin(ラジアン)
オブジェクトを(X,Y)に移動させる

これは鵜呑みして損はありません。

JavaScriptだと、

    x = centerX + radius * Math.cos(rad);
    y = centerY + radius * Math.sin(rad);

で、これをどう使うか?
毎フレームこんな処理をします。
・角度を増やします
・角度をラジアンに変換します
・X座標 = 円の中心のX座標 + 半径 × Cos(ラジアン)を出す
・Y座標 = 円の中心の中心Y座標 + 半径 × Sin(ラジアン)を出す
・X,Yをもとに座標をセット

JavaScriptだと、

//角度を増やします
degree += 3;

//角度をラジアンに変換します
rad = degree * Math.PI / 180;

//X座標 = 円の中心のX座標 + 半径 × Cos(ラジアン)を出す
x = centerX + radius * Math.cos(rad);

//Y座標 = 円の中心の中心Y座標 + 半径 × Sin(ラジアン)を出す
y = centerY + radius * Math.sin(rad);

//X,Yをもとに座標をセット
setPosition(x,y);

そうすると・・・
circlemoving10.gif

使い方としては、毎フレーム、角度が増えるほど円における位置が進んでいくことをイメージしておくと良いと思います。

また、半径を毎フレーム長くすると螺旋を描いたり、

//半径を毎フレーム長くする
radius += 1;

circlemoving16.gif


さらに・・・さっきのサイン波が活躍しだします。今後ずっと活躍します。
半径をサイン波で上下させるとウネウネします。

//半径をサイン波で上下させる
sinFactor += 0.1;
radius += Math.sin(sinFactor) * 10;

circlemoving19.gif


あとは角度をサイン波で上下させるとこんな風になったり・・・

//角度をサイン波で上下させる
sinFactor += 0.04;
rad += Math.sin(sinFactor) * 3;

circlemoving20.gif

値を色々変えてイメージを掴んでいきましょう。
足す角度を増やすと速くなる、半径を足すと螺旋になる、ここらへんは分かりやすいのでやってみましょう。
イメージが掴めたら、テキトーに値をいじってみましょう。

関係なさそうな値もいじってみましょう。
たとえば中心の座標を毎フレームずらしてみるとかですね。

そして弾幕へ・・・

サイン波、円の描き方、弾幕へ行きましょう。
circlemoving24.gif

弾幕の仕組みは↓に書いたので割愛します。
こっちでは2点間の距離の公式とかも出てきます。

弾幕の初歩(距離系と角度系)
http://qiita.com/hp0me/items/1164bf9669a825d76ffa

多角形をどうやって描くか?

先ほどの円の公式を活用します。ここでは6角形を描くとします。
まず、円の1周すなわち360度を6角形の6で割ります。 = 60度
そして、先ほどの円の周り方で60度ごとにプロットを(座標で)打っていきます。
ここでプロットを配列にpushしていきましょう。

配列にはこんな感じで値が入るはずです。
配列 = [0度の座標,60度の座標,120度の座標,180度の座標,240度の座標,300度の座標]

これを結びます。
まずは、0度の座標と60度の座標を線で結びます。
その後は60度と120度の座標を結んで・・・
どうでしょうか?

今回、長くなってしまったのでコードは割愛します。
時間が出来たら加筆しますね・・・

そしてフラクタルへ・・・

先ほどの多角形の書き方(プロットを保存して、線でむすぶ)を応用してフラクタルを書きます。
ここでは三角形の中に三角形ができるフラクタルを作ってみます。
ここからはちょっとややこしいかもしれませんが

順番はこんな感じ
・三角形を描く (できたプロットはA,B,Cとする)
・A , AとBの中点 , AとCの中点の3点を結んで三角形を作る

ひたすらこれを入れ子(ネスト)で繰り返します。
これができていればどんなコードでもOKです。
これも需要があればコードを加筆する予定・・・

応用すればアニメーションもできるでしょう。
ちなみに「動くフラクタル 8角形」っていうのを作ってみました。
http://jsdo.it/hp0me_/ycrm
circlemoving9.gif

最新のプレイグラウンド = p5.jsで遊ぶ

Processingはなんか今っぽくない、かといってCanvasはなんかちょっと足りない・めんどい、Three.jsはちょっとめんどい、といったニーズを解決するのがProcessingから派生したp5.js(Processing公式プロジェクト)です。
ここで紹介したような数式・概念を試すにはぴったりです。

ちなみにp5.jsはProcessing.jsとは別プロジェクトです。所感としてProcessing.jsはなんかイケてないなと思っていたのですが、p5.jsはイケてます。
また、マイクのインプットなど、ちょっとしたAPIも多数あります。

公式サイトのGetStartedを参考にはじめます。
http://p5js.org/get-started/

p5.jsの基本はsetup()とdraw()です。
setup()は最初に呼ばれる関数です。
よくあるinit、またはUnityのStart()にも似ています。
draw()は毎フレーム呼ばれる関数です。何かを動かしたいときはここで操作します。
JSのSetTimeOut()、UnityのUpdateに似ています。

また、height(キャンバスの高さ)やwidth(キャンバスの幅)など便利な変数がグローバルで最初からセットされています。これは何気に便利。くわしくはリファレンス(http://p5js.org/reference/)にて。

var n = 0;

function setup() {
  //最初に呼ばれます
  console.log("スタート");

  //Canvasを作る
  createCanvas(500, 500);
}

function draw() {
  //毎フレーム呼ばれます。
  n++;
  console.log(n);
}

また、基本関数として、図形を描くために
ellipse(x,y,縦の大きさ,横の大きさ);
これで円を描けることはまず覚えておきます。

p5.jsで円軌道を描いてみましょう。先ほどの、

毎フレーム、角度を+する
毎フレーム、角度をラジアンに変換する
X座標 = 円の中心のX座標 + 半径 × Cos(ラジアン)
Y座標 = 円の中心の中心Y座標 + 半径 × Sin(ラジアン)
オブジェクトを(X,Y)に移動させる

を使います。

var circle;
var speed = 30;
var radius = 100;

//最初に呼ばれる
function setup() {
  createCanvas(500, 500);
  circle = new MyCircle();
}

//毎フレーム呼ばれる
function draw() {
  background(255);//再描画
  circle.move();
}

//円のクラス
function MyCircle(){

  this.x = width/2;
  this.y = height/2;
  this.degree = 0;
  this.rad = 0;
  this.radius = radius;

  this.move = function(){
    //角度を増やします
    this.degree += 3;

    //角度をラジアンに変換します
    this.rad = this.degree * Math.PI / 180;

    //X座標 = 円の中心のX座標 + 半径 × Cos(ラジアン)を出す
    this.x = width/2 + this.radius * Math.cos(this.rad);

    //Y座標 = 円の中心の中心Y座標 + 半径 × Sin(ラジアン)を出す
    this.y = height/2 + this.radius * Math.sin(this.rad);

    //X,Yをもとに座標をセット
    ellipse(this.x,this.y,30,30);
  };
}


さらに、p5.jsで弾幕を書いてみました。クリックで打ちます。
http://jsdo.it/hp0me_/zlLi


//弾が格納される配列
var circles = [];

//弾
var cir;

//初期座標(bulletX,bulletY)からangleの角度へ移動
var bulletX = 0;
var bulletY = 0;

//弾速
var speed = 3;


function setup() {
  createCanvas(500, 500);
}

function draw() {
  background(255);

  //弾の分だけループ
  for(var i = 0;i<circles.length;i++){
    circles[i].move();
  }

}

function mouseClicked() {
  //弾の分だけループ
  for(var i = 0;i<20;i++){
    cir = new MyCircle(i * 5 +45);
    circles.push(cir);
  }
  return false;
}


//弾幕クラス
function MyCircle(anglee){

  this.x = width/2;
  this.y = 10;
  this.angle = anglee;
  this.vx = Math.cos(Math.PI / 180 * this.angle) * speed;
  this.vy = Math.sin(Math.PI / 180 * this.angle) * speed;

  this.move = function(){
    this.x += this.vx;
    this.y += this.vy;
    fill(0);
    ellipse(this.x,this.y,10,10);
  };
}

p5.jsの最大のメリットは、面倒なCanvasの前準備をせずにいきなりCanvasのアルゴリズムに集中できるところです。余談ですが、意外にも(?)これに近いのはCocos2d-jsやenchant.jsといったゲーム系エンジンじゃないでしょうか?

そしてp5.jsで作ったコードはjsdo.itに投稿すれば面白いですね。
実際に投稿してみました。
http://jsdo.it/hp0me_

後記

これも重要かな、これは間違ってるよ、などあれば教えてください
こちらにコメント or mail : hp0isme@gmail.com

2015.11.27追記

p5.jsが3Dに対応したようです(10月)。軽くいじってまとめました。
「p5.jsがWebGL&3D対応。軽くいじってみます」
http://qiita.com/hp0me/items/1570694d9f61368f3ae6

p5.jsでグローバル汚染を回避するには(2015.12.22追記)

Processingスタイルのグローバル汚染が気になる場合、インスタンスモードで回避できるようです。
「p5.js を instance mode で使う」
http://qiita.com/turusuke/items/c92a13602523d6378cc0

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