オリンピックの野球がダブルイリミネーション方式という変則的なトーナメントだった。これは様々な競技に取り入れられている方法らしい。
強いチームが1位になる確率が違うのか気になったので、簡易的にシミュレーションしてみた。
今回の野球だと6チームしかないので、単純なノックアウト方式のトーナメント(シングルイリミネーショントーナメント)だと試合数が少なくなってしまう。ダブルイリミネーション方式だと15試合となり、これは(組み合わせは違うが)総当たりと同じ総試合数となる。
なので総当たりと結果を比べてみることにした。総当たりだと同じ勝ち数で並ぶことがあるので、その場合は直接対決で勝った方を勝者とした。
6チームの強さをランダムに生成し、各マッチでは強さの比をもとにランダムで勝者を決めた。
強さが1位のチームが何回勝つかを100万回試行したところ、
総当たり: 374272回
ダブルイリミネーション: 377142回
となり、ダブルイリミネーション方式は、総当たりと同程度に、実力のあるチームが勝ちやすい方式だということがわかった。ダブルイリミネーションのほうがわずかに高い結果となったが、総当たりで同じ勝ち数のチームが3チーム以上の場合をちゃんと処理していない(強さ順の最初の2チームしか見ていない)ので、そこで差が出たかもしれない。
また、強さを[0, 1)のランダムにしたときと、[0.5, 1)のランダムにしたときでは特に差がないようだ。
この総当たり方式だと明確な決勝戦がなく、ダブルイリミネーション方式のほうが盛り上がりそうだ。また(将棋などとは違って)体を動かすスポーツだと勝つほうがより休めるので、そこの有利不利は影響しそうである。
ソースコード: https://github.com/firewood/test/blob/master/double_elimination.py