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組織とアーキテクチャの話

Last updated at Posted at 2023-12-25

自己紹介

はじめまして。JINSのITデジタル部(いわゆる情報システム部門)でシニアディレクターをしている布袋 @hotaken といいます。

はじめに

皆さんは「コンウェイの法則」を知っていますか?

最近ホットなGoogle Bardに聞いてみました。

スクリーンショット 2023-12-25 16.30.38.png

・部門ごとに分割された組織では、モジュール化されたシステムが設計される。
・機能ごとに分割された組織では、機能指向のシステムが設計される。
・チーム間のコミュニケーションが制限されている組織では、疎結合なシステムが設計される。

上記は一例ですが、要するに「組織の形がアーキテクチャに影響を与える」という法則です。

組織の分け方はいろいろとありますが、大きく2つのタイプがあります。

  1. 職能型組織(タテ)
  2. 機能型組織(ヨコ)

1はプロダクトやサービスなど、機能/Featureごとに組織を分ける形、2はアプリ、インフラ、データなど専門性ごとに組織を分ける形です。

team_structure.png

※わかりやすさのためにものすごく抽象的に描いてます!

ちょっと前のJINSのIT組織

私が入社した5年くらい前、名称はそこまでストレートではなかったものの、IT部門はどちらかというと職能型組織で、実態としては左のような「アプリ」「インフラ」「データ」など、ITの専門性の近いメンバーでチームを構成していました。

ところがVUCAの時代が始まり、クラウドがどんどん進化していくに伴って、プロダクトやサービスの開発にスピードやアジリティが求められるようになります。

職能型組織は専門性の境界に合わせてタテに疎結合なアーキテクチャになります。
特定のプロダクトやサービスがアジリティを高めようとしても、変更の影響がヨコに波及してしまうため思うようにスピードが出ず、外注やコストをかけて無理やりスピードを出そうとするとますますヨコに広がりが出てしまう、というジレンマを抱えてしまいます。

そしてもう1つの課題が、人材育成です。
内製チームをいくつも抱えてプロダクトやサービスの開発をしている大きな会社ならいいのですが、ジンズのようにまだそこまでIT部門の規模が大きくなく、比較的若いメンバーが活躍している会社ではスキルの広がりが専門性にロックされてしまうことも将来を見据えたときにボトルネックになる可能性があります。

タテからヨコへの変換

いろいろと思考を重ねた結果、昨年IT部門をタテからヨコに変えることを決めました。

ただ、組織の形をタテからヨコにしただけではもちろん何も変わりません。
アーキテクチャをタテからヨコに変えていくことも必要ですし、仕事のやり方、人もタテからヨコに変えていく必要があります。

過渡期をうまく乗り越えるために、職能型組織を一部「エンジニアチーム」として残しています。
ここにはアプリ、データ、クラウド、ネットワークなど、様々な専門性を持ったメンバーが所属しており、各プロダクトやサービスの開発プロジェクトに横断的に参画する、という動き方をしてもらっています。

team_structure_jins.png

他のチームメンバーの専門性の広がりをサポートすることはもちろん、自分自身もプロダクトやサービスの理解を深めることでお互いがタテにストレッチする楔になってくれています。

まとめ

いろいろと書きましたが、人はもちろん、組織は生き物なので思い描いた通りに機能するかどうかはわかりませんし、過渡期ということもあり、日々いろいろな課題が出てきています。
悩みながら、学びながら、でも本質的なポイントはブレずに進んで行こうと思っているので、また何か気づきがあれば記事を書きたいと思います。

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