はじめに
プログラミング中は日本語を使うことは少なくても、仕様を書くなど、プログラミングの周辺で日本語入力する機会は多いです。
私の場合、ホームポジションを意識してタッチタイプしますけれど、[BackSpace]
などの離れたキーを押した後、ホームポジションが崩れがちでした。
そうならないよう、ひとつ前の記事を書くついでに練習してみました。
想定読者
TD;LR
-
[半角/全角]
は押しづらく、IME オン/オフ のトグル切り替えなら[英数]
、モード指定なら[無変換]
[変換]
がおすすめ -
[BackSpace]
[Enter]
[F6]-[F10]
は押しづらく、[Ctrl]
と組み合わせた同じ効果のショートカットを使うことをおすすめ - 画像の濃い黄色から順にショートカットを覚えていくと、そのうち日本語入力をホームポジションでだいたい完結できるようになります
日本語入力中に使うショートカット
個人的なおすすめ度を、3段階で書きます。
おすすめ度 | キーの色 |
---|---|
◎ とくにおすすめ | 濃い黄色 |
○ おすすめ | 薄い黄色 |
△ 可能 | 白 |
IME オン/オフ 切り替え
おすすめキー入力 | 他のキー入力 | コマンド | おすすめ度 |
---|---|---|---|
[英数] |
[半角/全角] |
IME オン/オフ 切り替え | ◎ |
[無変換] |
- | IME オフ | ◎ |
[変換] |
- | IME オン | ◎ |
日本語入力が主な人は、IME オン/オフ 切り替えに [英数]
がおすすめ。[半角/全角]
より押しやすいです。
よく日本語入力と英語入力を切り替える人は、[無変換]
キーを IME オフ、[変換]
キーを IME オンに割り当てて、英語を入力するときは [無変換]
を先に押す癖を付けることをよりおすすめします。しかし標準設定ではありませんし、慣れが必要です。
- Microsoft IME (Windows 10 Ver.2004 以降) の場合:
- [Windows の設定] > [キーとタッチのカスタマイズ] を開く
- 無変換の割り当てを IME オフ にする
- 変換の割り当てを IME オン にする
-
Google 日本語入力 – Google の場合:
- Google 日本語入力のプロパティから、キー設定の選択を編集
- 以下のように設定
モード | 入力キー | コマンド |
---|---|---|
入力文字なし | Muhenkan | IMEを無効化 |
入力文字なし | Henkan | ひらがなに入力切替3 |
直接入力 | Henkan | ひらがなに入力切替 |
変換前入力中 | Muhenkan | IMEを無効化 |
確定系
おすすめキー入力 | 他のキー入力 | コマンド | おすすめ度 |
---|---|---|---|
[Ctrl]+[M] |
[Enter] |
確定 | ◎ |
[Ctrl]+[N] |
[Ctrl]+[↓] |
1つ確定 | ○ |
[Ctrl]+[Z] |
[Esc] |
キャンセル | △ |
確定のために [Enter]
を入力するとホームポジションが崩れがちです。[Ctrl]+[M]
への乗り換えはとくにおすすめです。
1つ確定は、長い文章を一気に漢字変換しようとして、一部だけ変えたいときに使うことがあります。昔よりは使わなくなっています。
キャンセルは、英語を入力したいときにうっかり IME オンで入力を始めてしまったときに使うことがあります。一般的な元に戻すショートカットで分かりやすいです。でも、[Ctrl]+[T]
で半角英語にすれば十分なことが多いです。
削除系
おすすめキー入力 | 他のキー入力 | コマンド | おすすめ度 |
---|---|---|---|
[Ctrl]+[H] |
[BS] |
左を削除 | ◎ |
[Ctrl]+[G] |
[Del] |
右を削除 | △ |
うっかりタイプミスしたときに、[BS]
を使います。そうするとホームポジションが崩れがちで、次のタイプミスに連鎖しかねません。手の届きやすい [Ctrl]+[H]
への乗り換えはとてもおすすめです。
[Del]
はカーソルが右端のままだと使えませんから、使用頻度は [BS]
より低いです。
[Ctrl]+[G]
と [Ctrl]+[J]
はキーボード中央の隣同士です。[H][J]
の間にある文字をどちら側から消すか、のような位置関係になっています。
文字種を変更
おすすめキー入力 | 他のキー入力 | コマンド | おすすめ度 |
---|---|---|---|
[Ctrl]+[T] |
[F10] |
半角英数 | ○ |
[Ctrl]+[U] |
[F6] |
かな | ○ |
[Ctrl]+[I] |
[F7] |
全角カナ | ○ |
[Ctrl]+[O] |
[F8] |
半角 | △ |
[Ctrl]+[P] |
[F9] |
全角英数 | △ |
ファンクションキーを押すとホームポジションを崩しがちです。対応するショートカットを使うのをおすすめです。だいたいファンクションキーの2つ下のキーが対応します。 [F10]
だけは左手に引っ越します。
半角と全角英数が△なのは、半角カナと全角英数はプログラミング的にはトラブルのもとで、あまりお世話になりたくないという理由です。
カーソル・移動
おすすめキー入力 | 他のキー入力 | コマンド | おすすめ度 |
---|---|---|---|
[Ctrl]+[K] |
[Shift]+[←] |
文節を縮める | ○ |
[Ctrl]+[L] |
[Shift]+[→] |
文節を伸ばす | ○ |
[Ctrl]+[A] |
[Ctrl]+[←] [Home]
|
左端に移動 | △ |
[Ctrl]+[S] |
[←] |
左に移動 | △ |
[Ctrl]+[D] |
[→] |
右に移動 | △ |
[Ctrl]+[F] |
[Ctrl]+[→] [End]
|
右端に移動 | △ |
[Ctrl]+[E] |
[↑] [Shift]+[Space] [Shift]+[Tab]
|
前候補 | △ |
[Ctrl]+[X] |
[↓] [Space] [Tab]
|
次候補 | △ |
[Shift]+[↑] [PgUp]
|
前候補ページ | ||
[Shift]+[↓] [PgDn]
|
次候補ページ |
カーソルキーを使いたくなるときは、誤入力したまま漢字変換を始めた、というくらいで少ないと思います。たまに文節の伸縮をしたくなるくらい。
記号を入力したいときなど、1ページ目に変換候補が出てこないことがあります。このページ切り替えでホームポジションが崩れるのは難しそうです。
ショートカットのまとめ
再掲。ホームポジションでだいたい行えそうです。
おまけ
おまけ 1. Google 日本語入力の記号入力
Z は、ざ行の入力のほか、記号入力の入り口にもなっています。私が良く使うのはこちら:
キー | 出力 |
---|---|
ZH | ← |
ZJ | ↓ |
ZK | ↑ |
ZL | → |
Z/ | … |
ローマ字テーブルの編集から確認・編集できます。このカスタマイズを頑張ると
- 他のよく使う記号を空いている場所に登録したい
- 長音 ー はよく使う割には押しづらい場所にあるから
[;]
に割り当てたい - 「うん」 などよく現れるのに運指が難しいものについては、別のコンボでも入力できるようにしたい
みたいなこともできます。今回の記事では取り上げません。
おまけ 2. 絵文字パネルでの記号入力
Windows 10 Ver.1809 から [Win]+[.]
で絵文字パネルを出せます。絵文字以外の記号も選べます。「きごう」で漢字変換して100個以上の候補から目当てのものを探す、ということをしているなら、このパネルから探す方が早いです。
検索はこれを書いている Windows 10 Ver.20H2 時点ではできません 4。「≠」を入力するのに「きごう」を漢字変換するよりは [Win]+[.]
の方が早いですが、「ふとうごう」を漢字変換する方がより早いです。
おまけ 3. 絵素材作成
今回の絵素材は TypeScript で作りました。
See the Pen Drawing JIS Keyboard by hossie (@hossie) on CodePen.