はじめに
2023年1月10日~13日に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターとオンラインのハイブリットで開催されたRegional Scrum Gathering Tokyo 2023(以下、RSGT2023)に、Day0含めて4日間オンサイト/オンラインで初参加してきました。
この記事では現地で参加したセッションとRSGT2023全体の感想をまとめます。
私とスクラムについて
昨年11月にビットキー入社以来、Work&Experience領域でチームでの開発に取り組んでいます。
スクラムやアジャイルソフトウェア開発について、以前から書籍やネットの資料に当たることはありましたが、これまでのキャリアで実践する機会になかなか恵まれませんでした。
そのような中、RSGT2023が開催されると聞いて迷わず参加することにしました。
4日間完走した感想
オンサイトでのイベント参加は久々だったのですが、会場のいきいきとした空気感や初めての参加者にもやさしいセッションに触れて、次回も絶対参加したいと思えるイベントでした。
廊下や懇親会で知り合った人との会話で、それぞれ課題や悩みに対して前向きに取り組んでいる話をたくさん聞くことができたのも印象に残っています。
以下、参加したセッション個別の感想です。
Day0
知り合いを増やしてRSGTへのドキドキをワクワクにする会
まずはDay0の夜に相互に自己紹介するオンラインのワークショップに参加しました。
RSGTがどのような集まりか詳しく知らなかったのですが、この場で会話したことで雰囲気が掴め、会場で積極的に話しかけていこうという意気込みになれました。後述するコーチズクリニックはこの場で紹介されてなければ参加してなかったと思うのでありがたかったです。
当初Zoomのブレイクアウトルームを利用する予定が権限周りのトラブルで急遽Discordに変更になったのですが、主催者と参加者がその場で協力してスムーズに会が進んでいたのは他ではなかなから見られない光景でした。
Day1
Five Practices for Building Software with Scrum
Day1は書籍レガシーコードからの脱却でおなじみDavid Scott Bernsteinさんの基調講演からスタート。
個人的な話をするとキャリアの中でレガシーコードと向き合ってきた時間が長いため目新しいトピックは多くはなかったのですが、スクラムと題したカンファレンスでいきなり技術プラクティスから始まる構成はロックだと思います。
Done(完成)の定義でステップが進むごとにDone、Done-Done、Done-Done-Doneと呼んでいるのはキャッチーですぐに取り入れたいです。
紹介されているプラクティスのうちプログラミングの技法については最近発売されたちょうぜつ本でピッタリ補完できると思うのでおすすめです。
初参加者同士が知り合いになりDay1からワクワク3倍ロケットスタートが切れるセッション
初参加者なので参加したらワクワク3倍ロケットスタートが切れました。
この時に知り合った5番チームのお二人と3日間一緒に回ったり回らなかったり様々なことを話すきっかけになったので、後からふりかえると個人的なベストセッションだったと言えます。
スクラムチームが自信をもってアウトカムとスプリント活動に集中するためのコツ
タイトルが気になっていたセッションですが、すでに機能しているスクラムチームの中から出てくる課題に対するノウハウのような印象で、こちらは自分には難しく感じました。
アーカイブが公開されれたら過去の資料とセットで確認して見返そうと思います。
コーチズクリニック
RSGTはコーチズクリニックが開催されています。
「コーチズクリニックは経験豊富なアジャイルコーチによる無料のコーチセッションです。」(原文ママ)
Day0でおすすめされるがまま参加してきました。直近で悩んでいるチームにどのようにスクラムやアジャイルな取り組みを持ち込むかについて、具体的で実践的なアドバイスを頂けました。
事前の打ち合わせもなくその場での質問疑問に対して的確に返答されているアジャイルコーチの知識と経験値に脱帽です。
ワクワク3倍ロケットスタートを切った3人それぞれコーチズクリニックを受けました。
その後感想を語るために集まったら、みんなただよかったよかったと語彙を失った人になっていたくらいよかったです。
運用業務とスクラムは本当に組み合わせにくいのか?プロダクトオーナーから見た2つのプロダクトを担当するチームでの試行錯誤の軌跡とこれから
運用業務は各種バックログアイテムの外で管理する流派もあると思いますが、運用業務をスクラムに組み合わせるためにスクラムの型を超えて検査と適用のプロセスが紹介されていました。
自身のチームで運用業務を取り込む場合はどうしようかと、考えるキッカケになりそうです。
Day2
The Agilists’ Emerging Superpower and Our Planetary Challenge
Day2は最終的に地球の話まで広がるスケールの大きい基調講演から始まりました。
コンテキストの理解ができていなかったので正直内容はあまり頭に入ってきていなかったのですが、スピーカーのLyssa Adkinsさんが聴衆にやさしく語りかける姿が印象に残っています。
ログの書き方がチームの生産性を爆上げする話
お後は打って変わってログという運用仕事が多めな自分にとっては非常に身近なトピックでした。普段はDiscordで開始と終わりの拍手を投稿する程度ですが、このセッションではここぞとばかりにコメントしました。
シアトルで開発している牛尾さんでもログで切れそうになったりしてて、親近感がグッと湧きます。
リアルなエピソードとライブデモとを交えながら、伝えたい内容を理解しやすい短いメッセージにまとめていた構成も素晴らしかったです。
「第三者がログを使う場面と目的を想定し対象者が目的を達成できるような情報を提供する。」
デイリースクラムの”守破離” - 日々をより楽しく有意義にするヒント -
所属するビットキーのまさひろさんのセッションです。
前提と目線合わせをによる丁寧な導入でスクラムの初心者にも理解しやすい内容でした。(事前に発表資料を見ていないので率直な感想です)
デイリースクラムのWhyからチームのストーリー、提案・依頼、旅の報告などすぐに使えそうなHowまで参考になるところが多かったです。
The Stable Team - 機能する安定したチームをつくる -
安定したチームとはどのようなものか深掘りされており、機能する安定したチームに近づくための実例も紹介されていて1粒で2度おいしいセッションでした。
YOW(やったこと、起きたこと、分かったこと)とモブプログラミングの組み合わせは、私のようなビギナーには難しそうですがトライしてみたいです。
Day3
「教えない教え方」を活用してスクラムを理解して実践するワークショップ 〜Training from the back of the Room!〜
Day3はワークショップに参加しました。
これまでスクラムやアジャイルについて同僚に教える機会があり、教えることの難しさを感じる日々でしたので、複数あるプログラムからこちらのワークショップを選びました。
講師が「教えない教え方」について解説するのではなく、このワークショップ自体が「教えない教え方」を活用した構造になっているのは目から鱗でした。
自分の文章力では「教えない教え方」がどうのようなものかこの場でうまく説明できないのですが、ネタ元になっているTraining from the back of the Room!の翻訳出版のクラウドファンディングが始まっています!
興味のある方はプロジェクトを支援して本をゲットしましょう。私も早速支援しました。
なぜ変化を起こすのが難しいのか? - 数年以上に渡って難しさに向き合い考え取り組んできたこと
クロージングキーノートはfukabori.fmでお馴染みの岩瀬さんでした。
生で拝見するのは初めてでしたが、プレゼンの内容もプレゼン力も抜群で引き込まれます。
”味方を増やす「口説き」の技術”(絶版)がスライド紹介されたらAmazonやメルカリから出品が一掃されていたのが印象的です。(買いました)
What's Next?
クロージングキーノートで岩瀬さんが「明日から行動することを言語化してDiscordに書いてみましょう!」と話されていて自分は次のことを書きました。
つまり、この記事が明日から行動することの成果物です。
明後日からはこれで終わりにせず、RSGT2023で受け取った知恵や勇気を社内外に広めていきたいと思います!