はじめに
SAC(SAP Analytics Cloud)を開発する上でどういった構成がよいのか迷っている方の参考になればと考え、こちらの記事を投稿します。
概要
SACを導入する方で一番多いのは、SAPを導入済の方、または、導入する予定で、BIも付随して導入予定で検討している方が多いのではないでしょうか?
そういった中で候補に挙がってくる構成が、下記になります。
それぞれ、一長一短ございますが、どちらを選択すればよいかを検討していきましょう。
①S/4 HANA(CDS-VIEW)、SACの構成
※S/4 HANAの中で作成するCDS-VIEWと連携して、SACでレポート等を表示する構成。
②S/4 HANA、Datasphere、SACの構成
※S/4 HANAからデータをDatasphereに連携して、Datasphereを経由して、SACでレポート等を表示する構成。
③CSV、SACの構成
※S/4 HANAや別データベースからCSV形式でデータを連携して、SACでレポート等を表示する構成。
1.S/4 HANA(CDS-VIEW)、SACの構成
①S/4 HANAの中で作成するCDS-VIEWと連携して、SACでレポート等を表示する構成。
S/4 HANAの中で作成するCDS-VIEWを使用するため、開発の知識が求められます。
また、SACのメリットであるノーコード・ローコートの部分を活用したい方は、ベンダーに発注することによる費用を抑えたいやユーザ自身が取得したいレポートを表示したいという要望があると思います。
そのため、CDS-VIEWを開発する知識をユーザ自身に持たせるのは難しいかと思いますので、ベンダーに発注して開発してもらう形になります。
ベンダーへの開発費用は他のものよりかかりますが、その分、他の構成よりリアルタイムのデータ参照が可能であったり、細かな要望・仕様に対して対応できます。
2.S/4 HANA、Datasphere、SACの構成
①S/4 HANAからデータをDatasphereに連携して、Datasphereを経由して、SACでレポート等を表示する構成。
Datasphereは、CDS-VIEWを使用する構成よりも開発の知識が少なくても開発が可能です。
また、SACのメリットであるノーコード・ローコートの部分を活用したい方は、ベンダーに発注することによる費用を抑えたいやユーザ自身が取得したいレポートを表示したいという要望があると思います。
そのため、DatasphereとSACの導入は、要望と適合しております。
Datasphere導入には、ライセンス費用がかかるものの、他の構成よりユーザ独自で開発することが可能です。
最初は、ユーザのみでは難しいこともあるかもしれませんので、ベンダーを導入しつつ、ベンダーからの知見を吸収しつつ、徐々にユーザ開発を進めていくのがよいかと思います。
3.CSV、SACの構成
①S/4 HANAや別データベースからCSV形式でデータを連携して、SACでレポート等を表示する構成。
CSVでの構成は、どんなデータベースからの連携でもSACにCSVを連携させればよいため、網羅できる範囲が広いです。
ですが、CSVの連携のため、連携のさせ方にもよりますが、リアルタイムにデータを参照することは難しいです。
4.メリット・デメリット:比較
それでは、構成のメリットとデメリットの比較を表形式でしましょう。
まとめ
メリット・デメリットを紹介しましたが、結果的には、どういった企業にあっているのかということですが、下記のようになります。
実際導入していくとなると複合させて、導入する構成も十分に考えられますが、各企業で最もあった構成で導入しましょう。
S4/HANAを導入するだけも大きな転換期ですが、SACのBIレポートや予実管理、予測機能等を使って、より効果的な導入を図りたいと思うのが当然かと思います。
今回の記事を読んで少しでもお力添えできればと思います。