はじめに
SAP S/4HANA cloud public edition(以降 SAP public cloud)は、SAPのERPソフトウェアであるSAP S/4HANAのクラウドベースバージョンです。
SAPの基幹業務プロセスをリアルタイムで管理するための、拡張性と柔軟性に優れたユーザーフレンドリーなソリューションを企業に提供するために設計されています。
本ブログでは、SAP public cloudの特徴を説明することで、ブログをご覧の方にSAP public cloud導入時のご参考にしてもらえたらと思います。
特徴
①SAP社の長年の経験の積み重ねが集約されたシステム
SAP社のERPのパッケージを導入してきた会社は、国内だけでも2000社前後(※1)あると言われています。
また、SAP public cloudは、SAP社が力を入れて開発していくと明言しているシステムになります。(※2)
そのため、SAP社が最適であると想定した実績を元に提示しているのがSAP public cloudと言えます。
※1:2025年問題、SAPユーザー2000社に迫る|日経クロステック Active
※2:SAP「今後はパブリッククラウド版のS/4HANAが第一の選択肢」
②既にシステムが存在
システムが既に存在しているため、机上の話ではなく、実際にシステムを操作して、何ができるのかを確認できます。
もちろん、システムが想定する業務フローも存在しています。
システムを導入する上で業務を考えることは、時間がかかりますが、システムが提案する業務フローに委ねることで検討する工数を削減できます。
また、SaaSでのサービス提供のため、サーバ費用が含まれており、サービス開始までの時間が短縮できます。
導入後もセキュリティパッチの反映等をSAP社に任せられるため、維持にかかる費用も削減できます。
このことにより、Total Cost of Ownership(TCO)削減につながります。
※TCO:システムにおける初期費用と維持・管理に関わるすべてのランニングコストの総額。
③社会の変化に追随
システム導入をした段階が最高到達点ではなく、今後のSAP public cloudの更新を適用して、システムが進化することをコンセプトとしております。
※各国毎の法律変更等にも随時更新することで、対応しています。
まとめ
ここまで、SAP public cloudの特徴を一部ではありますが、記載いたしました。
特徴(メリットと言い換えてもいいかもしれません。)を享受するためには、Fit to Standard(F2S)の考え方を全うする必要があります。
※Fit to Standard(F2S):SAP public cloudの標準機能を生かし、システムで提示されている業務に合わせるERPの導入方法です。
ですが、経営層が参照したい情報を出力する見える化や、別システムへの連携等、SAP社から業務フローをバリエーションも多く提供いただいているものの、標準機能だけでは、対応できない部分もあるかと思います。
その場合は、追加開発で補うことができます。
今までの業務フロー検討にかけていたコストを参照系を充実させることに使うことで、経営層がリアルタイム情報を参照し、現在の経営情報を判断する指針にすることも可能です。
弊社は、BTP(SAP Business Technology Platform)での開発に知見があるため、上記で記載したような機能を補うことができます。
今後は、こちらのBTPを使用して、何ができるのかをブログとして挙げていきたいと思いますので、ご参考になればと思います。
おわりに
ERPパッケージの導入といえば、会社の重要な転換期になります。
そこで、現行の業務内容に合わせたシステムの導入では、会社は、今までと変わりません。
そのため、Fit to Standardの導入手法を使い、業務をシステムが提案した内容に合わせることで、コストを削減しつつ、最新の業務を行えるシステムの導入を検討してはいかがでしょうか?