###はじめに
前回はFastConnectの3つの接続モデルについてご案内しました。
3つの接続モデルはどちらもOCIに対応している環境(プロバイダ、コロケーション)からの接続を想定していますが
ユーザの既存環境が必ずしもOCIに対応しているとは限りません。というか非対応環境であることも多々あります。
今回はOCI非対応環境からの接続について考えてみたいと思います。
###OCI非対応環境
以下の通り、拠点とOCI間をFastConnect経由で接続したいが
FastConnect Locationにコロケーション環境を持っていなく、
利用中のプロバイダにもOCI接続サービスが存在しないケースが考えられます。
###OCI非対応環境からのOCI接続
【対策①】
ユーザ拠点の1ヵ所にOCI対応プロバイダ回線を新たに開通させ
既存利用のキャリア網と相互接続することによってOCIとの通信経路を確保する方法。
この方法を選択する場合は相互接続ポイントとなる拠点がきちんとしたデータセンターであることが望ましい。
【対策②】
Oracle Providerのデータセンターにコロケーション環境を設け、既存利用回線を新たに引き込む。
さらにOracle Provider回線を新規に開通させ相互接続することでOCIとの通信経路を確保する。
この方法はユーザの拠点としてきちんとしたデータセンターが存在しなく対策①での対応が不可の場合に有効である。
コロケーション環境を用意するためのコストが発生することと、コロケーション環境の追加により
ユーザへの運用・管理の負荷が増えるので検討時のネックとなる。
【対策②の構成例】
オラクルプロバイダのサービスを組み合わせてOCI非対応環境とOCI間の経路を構築した例です。
①ONUお預かりサービス
既存利用プロバイダ回線の引き込み先としてキャリア終端装置(ONU)やCPEなどを置くための
スペースと電源を提供します
②仮想マネージドルータ
既存利用プロバイダのCPEとの相互接続及びOracle EdgeとのBGPピアリングを行うための
装置のマネージドサービスです
③ネットワーク接続サービス(ATBeX)
コロケーション環境とOracle Cloud間の接続サービスです
###まとめ
今回はFastConnectいろいろの第2回目として接続モデルについてご紹介しました。
各接続モデルの特徴について簡単にまとめると以下の通りになると思います。
①Oracleプロバイダ
プロバイダ設備とOracle設備間がすでに接続されており
仮想回線の作成のみでOracle Cloud間の経路が確保できるため
申込から開通までの納期が短いことが特徴と言えます。
②サードバーティ・プロバイダ
プロバイダ設備とOracle設備間をユーザごとに専用の物理回線で接続するため
高いセキュリティとパフォーマンスが特徴です。
③コロケーション
FastConnect Location内の短距離における接続になるため配線のコストが安価な上、
接続モデルの中で最も高いパフォーマンスが出せるモデルになります