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MUI (Material UI) の TextField のスタイルを整える ―― 例のチョコチョコ動くラベルを止める

Last updated at Posted at 2022-09-16

Material UI を使った開発で困ることと言えば、TextField の見た目ですよね?

Material UI 公式サイトの TextField のスクリーンショット  
(Material UI 公式サイト のスクリーンショット)

Material Design のガイドラインには準拠しているようですが、左上に縮こまったラベルはサイズが小さすぎて、日本語環境においては不便極まりなく、一般的にもあまりウケがよくないデザインだと思います。

動かない、読めるサイズのラベル・普通の枠線付きの入力エリア、これらが普通に縦に並んでいる入力フィールドが欲しいですよね?

Material UI のテーマ機能を使えば、TextField の各パーツの見た目をカスタマイズして、ラベルが動かない普通の見た目にできます。

これで MUI Base や Joy UI をプロジェクトに導入するまでの間をしのぎましょう。

実は、現在 Alpha 版の MUI Base (@mui/base) を使えば、スタイル抜きの入力フォームを使って見た目を自由自在にカスタマイズすることが出来ます。

また、現在開発が進められている Material UI の姉妹ライブラリである Joy UI (@mui/joy) には、ズバリ、マトモな見た目の TextField が含まれています。

Joy UI の TextField のデモンストレーションのスクリーンショット
(Joy UI 公式 のスクリーンショット)

使用ライブラリとバージョン

ライブラリ バージョン
@mui/material 5.10.2
@emotion/react 11.10.0
@emotion/styled 11.10.0

カスタマイズの方法

今回は MUI のテーマ機能を使って、TextField のスタイルを直接上書きしてしまいます。

▼ この記事の3番の方法になります。

他にも、TextField をラップしたコンポーネントを自作してそちらを使う方法もありますが、forwardRef, className, sx, controlled/uncontrolled の管理などを怠ると、各利用箇所(例:横幅を調整する、refから操作する)で問題が出て、対処が後手に回ることになると思うので、この方法を取りました。

(あと、フォーカスすると青くなったり、エラーだと赤くなったりする挙動は継承したい、要はラクしたいというのもあります。)

(同じ理由で、'@mui/material/styles' から利用可能な styled() も良い選択肢だと思います。)

まずは結論から

まともなスタイルが当てられたフィールド

まずは、

<TextField
  name="taskName"
  label="タスク名"
  sx={{ display: "flex", maxWidth: 360 }}
  helperText="ああああ"
  margin="normal"
/>

と記述したときに、上図のようなスタイルが得られるテーマの記述を挙げて、その後ろに解説を続けます。

デフォルトで display: inline-flex で、そこは上書きしていないので、フィールドを縦に並べたい場合には flex に変えましょう。


createTheme は、同名の関数が他のパッケージにもあるので、 "@mui/material" からインポートするように要注意!!

import { createTheme } from "@mui/material";

const theme = createTheme({
  components: {
    // TextField 関連のコンポーネントのスタイルを調整する
    MuiInputLabel: {
      styleOverrides: {
        formControl: {
          // 移動をクリック時に動かないように固定
          position: "static",
          transform: "none",
          transition: "none",
          // クリックを可能に
          pointerEvents: "auto",
          cursor: "pointer",
          // 幅いっぱいを解除
          display: "inline",
          alignSelf: "start",
          // タイポグラフィを指定
          fontWeight: "bold",
          fontSize: "0.75rem",
          // テーマの Composition を使えば以下のようにも書ける
          // base.typography.subtitle2
        },
      },
    },
    MuiOutlinedInput: {
      styleOverrides: {
        root: {
          // デフォルトだと、
          // ラベルをはみ出させるための小さなmarginがある
          marginTop: 0,
        },
        input: {
          paddingTop: "10px",
          paddingBottom: "8px",
          height: "auto",
        },
        notchedOutline: {
          // デフォルトだと、 position が absolute、
          // ラベルをはみ出させるため上に少しの余白がある
          top: 0,
          "legend" : {
            // 内包された legend 要素によって、四角の左側の切り欠きが実現されているので、
            // 表示されないように。
            // (SCSS と同様にネスト記述が可能です。)
            display: "none",
          },
        },
      },
    },
    MuiFormHelperText: {
      styleOverrides: {
        root: {
          // フォーム下部のテキスト、エラーメッセージ
          // お好みで左余白を無くしています。
          marginLeft: 0,
        },
      },
    },
  },
});

コメントアウトされている、typography.subtitle2 という形の指定には「テーマの Composition」という手法を用います。 公式ドキュメント の "Theme composition: using theme options to define other options" の項目に詳しく書かれています。

テーマ機能によるコンポーネントのカスタマイズ

テーマ機能を使ったコンポーネントのカスタマイズは、
components > Mui(コンポーネント名) > styleOverrides > (CSS ルール) > {スタイルの記述}
のような階層構造で記述します。

const theme = createTheme({
  components: {             // コンポーネントたちのスタイルを上書きする
    MuiOutlinedInput: {     // OutlinedInput コンポーネント
      defaultProps: {       // Prop のデフォルト値の上書き
        type: "text"
      },
      styleOverrides: {     // CSS によるスタイルの上書き
        root: {             // CSSルール "root" が対象
          marginTop: 0,
        },
        input: {            // CSSルール "input" が対象

InputLabel, OutlinedInput, FormHelperText って何?

「なんで TextField じゃないの? InputLabel, OutlinedInput, FormHelperText って何?」

とお思いと思います。

まず、 TextField インプットは、それ自体に何らかのスタイルが当てられているコンポーネントではありません。
次の複数の組み合わされたコンポーネントによって構成された Compound Component (複合的コンポーネント) です。

  • FormControl
    • InputLabel
    • OutlinedInput (variant="outlined" の場合)
    • FormHelperText

ドキュメントの下記の章に、それらのコンポーネントについて軽く説明されています。

CSS ルールについて

ところで、それぞれのコンポーネントについて、root, notchedInput のような「CSSルール」に対してスタイルが当てられているのですが、この「CSSルール」とは何なのでしょうか?

MUI のドキュメントには、Component のドキュメントと、APIのドキュメントとがあり、 Component のドキュメントの末尾には API という章が立てられて、複数のコンポーネントのAPIへのリンクが書かれています。

例: TextField コンポーネントの "API" 章
image.png

そして、それぞれのAPIページにある "CSS" の章を参照してみましょう。
例: OutlinedInput の "CSS" の章
image.png

"Rule name" のカラムに書かれているのが、今回の「テーマによるカスタマイズ」に使われている CSSルール名になります。
(それぞれの説明はDescription に書かれている英文を見れば何となく分かりますよね?)

DevTools を見ながら実際のスタイルを編集する

最後は作業です。根性です。

DevTools を使って実際の要素に当てられたスタイルを確認しつつ、テーマの CSS を上書きしていきましょう。
スタイルの確認には実際の class 名が必要ですが、これには CSS の表の Global class のカラムの文字列が相当します。

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