はじめに
2024年2月、MicrosoftはPower Automate Desktopに待望の「Picture in Picture」機能を搭載しました。
Picture in Picture機能とは?
Picture in Picture機能は、デスクトップフローをデスクトップ上の仮想ウィンドウ内で実行する機能です。これにより、ユーザーはデスクトップフロー実行中にも端末を占有されることなく作業を継続することができます。
今まではアテンド型にしろ非アテンド型にしろ、デスクトップフロー実行中は「さわるな危険」だったので、それが解消されることになります。
Picture in Picture機能を使う前提条件
- Power Automate バージョン:2.4.1以降
- ユーザーは、Power Automateプレミアムまたは従量課金プランが必要です
- Picture in Pictureでデスクトップフローを実行するユーザーは、次の Windows ポリシーの一部である必要があります。
- Computer Configuration\Windows Settings\Security Settings\Local Policies\User Rights Assignment\Allow Log On Locally
- Computer Configuration\Windows Settings\Security Settings\Local Policies\User Rights Assignment\Access this computer from the network
- Windows 10 (Pro または Enterprise)、Windows 11 (Pro または Enterprise)、Windows Server 2016、Windows Server 2019、または Windows Server 2022 を実行するデバイス。
Picture in Picture機能の使い方
Picture in Picture機能は、Power Automate Desktopのバージョン2.41以降で利用できます。この機能を使用するには、以下の手順に従ってください。
- Power Automate Desktopを開き、フローを作成します。
- フロー一覧画面に移動します。
- 画面右上の「⋮」をクリックします。
- 実行の「>」をクリックし、「Picture in Pictureで実行」を選択します。
フローデザイナー画面から手動で実行する場合は、メニューの「デバック」が「ピクチャインピクチャモードを有効にする」を選択する必要があります。後は今までどおり「ここから実行」を選択するだけです。
タスクスケジューラからPicture in Picture機能を使ってデスクトップフローを呼び出す方法
デスクトップフローはタスクスケジューラから呼び出すこともできますが、Picture in Picture機能を有効にした状態で呼び出すことも可能です。
フローのプロパティから「ローカルアテンド型の実行時の既定として設定」を有効にしておくと、PAD.Console.Host.exeをタスクスケジューラで起動した時にPicture in Pictureでデスクトップフローを実行してくれます。ちなみにこのプロパティ設定を有効にすると、フロー一覧画面での実行もPicture in Pictureで実行されることになります。
ではこの「ローカルアテンド型の実行時の既定として設定」を有効にせず、PAD.Console.Host.exeに渡すオプションなどでPicture in Picture機能が有効に出来るかというと、正直方法がわからなかったです。
Picture in Picture機能を使った所感
既存の複雑なデスクトップフローを試してわけではないですが、まず全体的に動作が重いです。仮想ウィンドウを起動するまでに時間がかかるのと、仮想ウィンドウを立ち上げた後にスタートアップで設定されているアプリも全て起動しますので、デスクトップフローが実行されるまでに時間を要します。そしてデスクトップフローの実行もメインで実行するより処理が重たいため時間がかかります。
Picture in Picture機能により確かにデスクトップフローによりりPCが占有されず他の作業ができるようになりますが、RPAとしてのデバッグ効率が非常に悪くなっているので、現状ではそれほどメリットは無いように感じます。
Picture in Picture機能まだプレビューとしての機能実装なので、今後改善されることを期待しましょう。