LoginSignup
0
0

【Web3.0】ブロックチェーン技術入門①

Last updated at Posted at 2023-10-12

今回はブロックチェーン技術について簡単にまとめたので、記事にしていきます。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンは、ネットワーク上の参加者全員が監視しながら、データを安全に、保存・共有・管理するための技術です。

ブロックチェーン技術の一連の流れとして、まずはスマート家電、センサー、車などのIOTデバイスからの実世界の情報がデジタルデータとして、収集され、クラウドサーバーに保管されます。

次に、保管されたデータの完全性と改ざんを防ぐためにブロックチェーンが管理し、その後、収集されたデータを解析しAIによって、洞察や予測を行います。

簡単に言えば、IOTデバイスを使って、データを集め、クラウド上でデータをまとめ、ブロックチェーン技術でデータを管理し、AIを使ってデータを活用していくという流れになります。

ブロックチェーンの仕組みについて

ブロックチェーンの仕組みは大きく分けて4つに分類されます。

  1. 暗号化技術
  2. コンセンサスアルゴリズム
  3. 分散型台帳技術
  4. P2P

これらの4つを詳しく説明をしていきます。

1. 暗号化技術

まずは、暗号化技術を引越しに例えて説明をしたいと思います。 あなたは荷物を新しい家に移動させたいと考えています。 この荷物は多く、一度に全てを運ぶのではなく、順番に運びたいと思っています。途中で他人に中身を見られたくない、また盗まれるリスクも避けたいと思います。 その時に以下の作業が行われます。
  1. 荷物の梱包 (平文のデータ)
    あなたの大切な荷物(データ)は、箱に詰められていますが、この段階では誰でも箱の中身を見ることができます。

  2. 特別な鍵付きの箱 (暗号化)
    あなたは、特別な箱に荷物を移し、その箱を特定の鍵でしっかりとロックします。この鍵はあなただけが持っています。鍵を使わないと、箱の中身は誰にも分からなくなります。

  3. 運搬とチェーン上の配置 (データの転送とブロックチェーン)
    鍵付きの箱は、トラック(通信路)に載せられます。
    運び終わった箱は、特別なロープで連鎖的に繋がれる場所(チェーン)に配置されます。これはブロックチェーンのブロックが連鎖的に繋がれる概念に相当します。

  4. 新しい家での荷物の解放 (復号)
    新しい家に到着したら、あなたは鍵を使って箱を開け、荷物(データ)を取り出します。鍵がなければ、箱の中身は取り出せません。

このように、暗号化技術はデータを安全に「運搬」するための「特別な鍵付きの箱」として、ブロックチェーン技術は運搬されたデータ(箱)が順番に「特別なロープ」で繋がれます。

2. コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムは、ブロックチェーンネットワーク内の参加者が一致した意見や合意を形成するためのルールや手法です。

コンセンサスアルゴリズムもまた、引越しに例えて説明をしたいと思います。

  1. 承認の合意 (Proof of Work, PoW)

    荷物を移動する前に、あなたは複雑なクイズを解かなければなりません。このクイズを最初に解いた人の意見が採用され、荷物の移動が許可されます。

    POWはブロックチェーン技術、特にビットコインなどの暗号通貨の中で、合意形成やトランザクションの検証を行うためのコンセンサスアルゴリズムの一つで、マイニング技術などがあります。

  2. 資産に基づく合意 (Proof of Stake, PoS)

    移動する荷物の価値に応じて、あなたは移動の優先権を得ることができます。多くの荷物を持っている人や、高価な荷物を持っている人が、移動の意見を強く持つことができます。

    POSは多くのトークンを賭けている参加者は、価値に大きく投資していると見なされるため、インセンティブが高まります。多くのトークンを保有している参加者には新しいブロックの生成権が高くなるようになっています。

  3. 代表による合意 (Delegated Proof of Stake, DPoS)

    アパートの住民が代表者を選び、この代表者が荷物の移動方法やタイミングを決定します。
    DPosは、PoSの改良版として考案されたコンセンサスアルゴリズムです。DPoSは、ネットワークの参加者が代表者を選出することで、トランザクションの検証や新しいブロックの生成を行います。

3. 分散型台帳技術

分散型台帳技術は、データ(取引や契約など)を複数のノード(コンピュータ)に分散して保存・管理する技術のことを指します。

分散型台帳技術もまた、引越しに例えて説明をしたいと思います。

あなたが複数の友人と一緒に荷物を新しい家に移動させたいと考えています。この荷物は貴重で、どの荷物が誰の手でどこに運ばれたかを正確に記録しておきたいと思います。

  1. 荷物のリスト作成 (台帳の記録)

    あなたは、移動する全ての荷物についてのリストを作成します。このリストには、荷物の名前、大きさ、重さ、所有者の情報などが書かれています。

  2. リストのコピー (分散型台帳)

    あなたと友人全員がこのリストのコピーを持っています。これにより、誰もが同じ情報にアクセスできる状態になります。

  3. 荷物の移動 (トランザクション)

    荷物が移動するたびに、その情報(誰がどの荷物を運んだか、新しい場所はどこか)をリストに追記します。

  4. 全員での確認 (合意形成)

    荷物が移動するたびに、その情報はすぐに全員のリストに追記されます。また、情報が追記される前に、全員でその情報が正しいかを確認します。もし誤りがあれば、それはリストに追記されません。

  5. 不変性の確保
    一度リストに情報が追記されたら、それは後から変更できません。このように、全員が同じ情報を持ち、その情報が変更されることがないため、荷物の移動に関する情報は透明かつ信頼性が高まります。

つまり、分散型台帳技術は中央の管理者やサーバーを必要としない、透明でセキュアなデータ管理システムを提供する技術です。

4. P2P

P2Pとは「Peer-to-Peer」の略で、P2Pは、ネットワーク上の各参加者(「ピア」または「ノード」)が同等の権限を持ち、直接相互にデータを共有または交換できる方式を指します。

P2Pもまた、引越しに例えて説明をしたいと思います。

あなたが大きな引越しをすることになりました。しかし、プロの引越し業者ではなく、友人たちの間で協力して引越しを行うことにしました。

  1. 友人たちの協力 (P2Pネットワークの形成)

    あなたは友人たちに連絡を取り、引越しの日に協力してもらうことになりました。ここでの各友人は、P2Pネットワーク上のノード(参加者)に相当します。

  2. 直接の交換 (P2Pの特徴)

    ある友人が大きなトラックを持っているので、それを使って家具を移動します。また、別の友人は包装材を提供し、また別の友人は手際よく荷造りを行います。彼らは直接、互いに協力し合って、必要なリソースや情報を共有します。これは、P2Pネットワークの特徴である直接的なリソースの共有に相当します。

  3. 中央のコントロールの不在

    この引越しのプロセスには、中央の指示やコントロールを行う人はいません。各友人(ノード)が自主的に行動し、互いに協力して引越しを成功させます。

  4. 改ざんや誤情報の問題

    もし、ある友人が間違った情報(例:新しい住所が違う、荷物の量が違うなど)を提供した場合、それは他の友人たちとの直接のコミュニケーションによって訂正されます。これはP2Pネットワークが持つ、ネットワークの透明性や誤情報の訂正能力に相当します。

P2Pは中央のサーバーや管理者のない、各ノードが平等に参加するネットワーク構造を持っています。

現在の仕組みとブロックチェーンの仕組みの比較

img_b4953ee4749f91a2979b160b3723ff0590022.jpg
参考:ブロックチェーンが世間から評価されない理由、研究の第一人者が語る

現在の仕組みは中央集権型の仕組みが多く、国やGAFAのような企業が大量のユーザーデータを独占的にコントロールしています。

中央集権型の特徴としては、中央の機関やサーバーがデータや取引の管理・監督を行うことです。

中央集権型の特徴も引越しを例に例えてみましょう。

  1. 一括管理
    あなたの荷物は、引越し会社の大きな保管施設に収納されます。他の多くのクライアントの荷物も同じ施設に保管されています。

  2. 効率
    引越し会社は、移動ルートや荷物の取り扱い方法などを最適化しており、効率的に引越し作業を進めることができます。

  3. 中央のコントロール
    引越しのすべての手続きやスケジュールは、引越し会社によって中央管理されています。あなたはそのスケジュールや手続きに従う必要があります。

  4. リスク
    万が一、引越し会社の施設に火事や盗難などのトラブルが発生した場合、多くのクライアントの荷物が同時に影響を受ける可能性があります。

中央集権型のシステムが効率的な一方で、中央に存在する「ポイント」に何か問題が起きた場合、その影響が大きくなることを示しています。

さらに、中央集権型の組織やシステムは、権限やリソース、そして富が中心に集まる特性を持ちます。効率や統制の面で利点があることが多いですが、独占や不平等の原因ともなり得ます。

独占や不平等の原因を回避しようと台頭したのが、「分散型組織」です。

分散型組織は、従来の中央集権的な組織構造とは異なり、権限や意思決定、リソースが中央の一箇所に集中するのではなく、組織内の多数の個人やチームに分散している組織のことを指します。

分散型組織の特徴も引越しを例に例えてみましょう。

あなたが引っ越しをする際、地域の住民や友人たちに協力してもらい、各人が一部の荷物を自分の家や車で預かって移動・保管を助けてくれることになりました。

  1. 分散保管
    あなたの荷物は、複数の家や場所に分散して保管されます。それぞれの場所があなたの荷物の一部を預かっています。

  2. 協力と相互作用
    すべての参加者(友人や地域の住民)は互いに協力して引越しの作業を行います。情報やリソースを共有しながらタスクを実行します。

  3. デセントラライゼーション
    引越しのスケジュールや手続きは中央で決められていないので、各参加者が自主的に判断し、アクションを取る必要があります。

  4. リスクの分散
    一つの場所にトラブル(火事や盗難など)が発生しても、その影響は限定的です。他の場所に保管されている荷物は安全であり、システム全体のダウンタイムや失敗が起きにくい。

まとめると、現在、多くのシステムは中央集権型で、GAFAなどの企業が大量のデータを独占的に管理しています。中央集権型は効率的だが、中央のトラブルで大きな影響が出るリスクがあり、富や権力が一箇所に集中する傾向があります。

これを引越しに例えると、中央集権型は大手の引越し会社が全ての荷物を一箇所に集約・管理するイメージ。一方で、分散型組織は権限やリソースが多くの参加者に分散。引越しの比喩で言うと、地域の住民や友人がそれぞれの荷物の一部を自分たちの場所で保管・移動するイメージです。これにより、一箇所のトラブルが全体に影響するリスクが低減します。

現状の通貨と仮想通貨の比較

現在の通貨システムは、中央銀行や金融機関が中心となって、通貨の発行や取引の管理を行っています。これは中央集権型のシステムであり、金融機関が取引の仲介者となり、その仲介に対して手数料を取るのが一般的です。このようなシステムは効率的である一方、金融機関への信頼が不可欠であり、機関が不正を行った場合や経済危機の際のリスクが存在します。

これに対し、仮想通貨はブロックチェーン技術を利用しており、分散型のシステムを採用しています。仮想通貨の取引はP2P(ピア・トゥ・ピア)で行われ、取引の検証や記録はネットワーク上の参加者全員が共同で行います。これにより、中央の管理者や仲介者が不要となり、取引の透明性が高まります。

仮想通貨のブロックチェーン技術を引越しに例えると、各人が持っている貴重な荷物(データや取引情報)は、複数の友人や地域の住民(ノード)が確認し、その情報を共有し合いながら、安全に新しい場所(ブロック)に移動させるイメージです。この際、各参加者が取引の正確性やセキュリティを確認し、誤った情報や不正な取引はブロックチェーン上に記録されないようになっています。

簡単に言えば、現在の通貨は中央の機関が管理し、その機関に対する信頼が基盤となるシステムであり、仮想通貨は分散型のシステムを利用して、取引の安全性や透明性を確保する仕組みとなっています。これにより、仮想通貨は国境を超えた取引や、中央機関の影響を受けづらい通貨として、多くの人々に注目されています。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0