はじめに
WebサーバーとしてNginxを使用したサーバーで、3GBのsqlファイルをadminerでインポートする際、413 Request Entity Too Largeや504 Gateway Time-outのエラー対処に手間取ったため、方法をまとめます。
基本的に、データ量が多いと、データの送受信の時間を伸ばす、データファイル容量の上限を増やす必要があります。
sqlファイルのインポートに限らず、PHPで実行時の504 Gateway Time-outエラー対処に使用できる記事になります。
前提条件
- DB管理はadminerを使用。phpmyadminでも問題なし
- nginxを使用
- EC2にadminerを導入（以下の記事参考
sqlファイルのインポート方法
- adminer.php が配置されているディレクトリ内に、エクスポートしたsqlファイルをそのまま、アップロードします。私の場合、圧縮タイプの
.gzタイプだとインポートできませんでしたので、ファイルでアップロードしました。 - アップロードしたsqlファイルを
adminer.sqlにリネームします。 - 下記の画像のように、
サーバーから実行をクリックします。
実行すると、数十秒で以下のエラーが発生します。
504 Gateway Time-out
結論
以下の3つのファイルとELBを修正します。
- nginx.conf
- php.ini
- php-fpm.conf
- ELB（使用時のみ）
nginx.conf
$ sudo vim /etc/nginx/nginx.conf
以下の6つを記述します。
client_max_body_size 500m;
send_timeout 6000;
fastcgi_read_timeout 6000;
proxy_connect_timeout 6000;
proxy_read_timeout 6000;
proxy_send_timeout 6000;
| 設定 | 意味 |
|---|---|
| client_max_body_size | アップロードサイズ制限 |
| send_timeout | クライアント（ブラウザ）とのタイムアウトの秒数 |
| fastcgi_read_timeout | FastCGIプロセスへデータを送信するための待ち時間 |
| proxy_connect_timeout | バックエンドサーバとの接続タイムアウト時間の指定。バックエンドサーバに接続要求を送り、n秒間接続できない場合発生。 |
| proxy_read_timeout | バックエンドサーバからのデータ受信のタイムアウト秒数を指定 |
| proxy_send_timeout | バックエンドサーバへのデータ転送のタイムアウトの秒数を指定。 |
詳しくはこちら
以下は挿入箇所になります。
httpや server、 locationのどこでもよいです。
server {
listen 80;
server_name test.com;
root /usr/share/nginx/html/test;
location / {
location ~ \.php$ {
fastcgi_pass unix:/var/run/php-fpm/www.sock;
fastcgi_index index.php;
fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name;
fastcgi_param PATH_INFO $fastcgi_script_name;
include fastcgi_params;
client_max_body_size 500m;
send_timeout 6000;
fastcgi_read_timeout 6000;
proxy_connect_timeout 6000;
proxy_read_timeout 6000;
proxy_send_timeout 6000;
}
}
}
php.ini
まずphp.iniファイルを検索します
$ php -i | grep php.ini
Configuration File (php.ini) Path => /etc
Loaded Configuration File => /etc/php.ini
$ sudo vim /etc/php.ini
max_execution_time = 3000
memory_limit = 5000M
upload_max_filesize = 5000M
post_max_size = 5000M
| 設定 | 意味 |
|---|---|
| max_execution_time | PHPの最大実行時間(秒) 。「0」だと無制限になります。 |
| memory_limit | PHPのメモリ使用量の上限。「-1」だと無制限になります。 |
| upload_max_filesize | 1つのファイルアップロードサイズの上限値 |
| post_max_size | POST送信全体のデータサイズ上限 |
post_max_sizeは送信全体のデータサイズなので、upload_max_filesize=2Mの設定時、2Mのファイルを3つ同時に送信するためには、post_max_size=6M以上にする必要があります。
もちろんメモリ使用量は、送信全体のデータサイズ以上の量が必要なため、以下の設定にしましょう。
memory_limit ≧ post_max_size ≧ upload_max_filesize
php-fpm.conf
設定ファイルは、/etc/php-fpm.d 配下にあります。
私の場合は、/etc/php-fpm.d/www.confでした。
$ sudo vim /etc/php-fpm.d/www.conf
;request_terminate_timeout = 0
| 設定 | 意味 |
|---|---|
| request_terminate_timeout | 単一のリクエストを処理する際のタイムアウト。「0」もしくは「コメントアウト」にすると、無制限（タイムアウトされない）になります。 |
ELB(使用時のみ)
アイドルタイムをデフォルト60秒から4000秒（最大）にします。
アイドルタイムが早いと、Webサーバーからのレスポンスを完了する前に、セッションを切ってしまいます。
3つのファイル修正後、再読み込みします。
php-fpmとnginxを再起動します。
$ sudo service php-fpm reload
$ sudo service nginx reload
もしくは↓
$ sudo systemctl restart php-fpm
$ sudo nginx -s reload
なにも表示されなければ、問題なく再起動、読み込みできている証拠です。
sqlファイルのインポート再実行
再度、サーバーから実行をクリックします。
以下の画像のようにページに接続が中断されました。という表示がされますが、裏でsqlファイルがインポートしている最中です。
インポートしたDBのテーブル画面（下記の画像）に移動し、ページを更新すると、少しずつDBのテーブルやデータが増えてきます。
完了するのを待ちましょう！！
↓サーバーから実行後、この画面に遷移しても大丈夫です！
↓この画面で、ページを更新すると、少しずつDBのテーブルやデータが増えてくると思います。
エラー集
メモリ上限エラー
メモリ上限が少なく設定されていることが原因です。
memory_limitをふやしましょう。
Fatal error: Allowed memory size of xxxxxx bytes exhausted
以下のコマンドで現在のメモリ使用量設定を確認できます。
$ php -i | grep memory_limit
memory_limit => 128M => 128M
ファイル容量の上限エラー
アップロードするファイル容量が大きいことが原因です。
上記の方法を設定し、アップロードのデータ容量の上限を増やしましょう。
413 Request Entity Too Large
実行時間のタイムアウト
実行時間が多くかかったことが原因です。
php.iniファイルを内のmax_execution_timeを伸ばしましょう。
Fatal error: Maximum execution time of 60 seconds exceeded
upstream timed out (110: Connection timed out) while reading response header from upstream
recv() failed (104: Connection reset by peer) while reading response header from upstream
参考