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Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2022

Day 7

OCIでOracle Databaseのライセンスモデルをお得に使い倒すTips

Last updated at Posted at 2022-12-06

この記事は、Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2022 に参加して、7日目 12/7です。
本記事ではオンプレミスで Oracle Database を利用していて、OCIに移行するときに料金体系をお得に使い倒すTipsをご紹介します。この記事は技術的な解説よりライセンスやサブスクリプションの組立て方の説明となります。

【注意】ライセンスの取り扱いや条件はお客様ごとに契約ごとに条件が異なる事があります。本記事では一般的に良くあるケースをご紹介をしますが、同様のことが可能なのかは 日本オラクルの営業担当にお問い合わせください。調査して回答してもらえます。

Database Cloud Serviceについては、Database Cloud Service VM/BM 技術詳細 の資料に詳細に説明があります。

アジェンダ

  • (1)Database Service の種類
  • (2)ライセンス込み料金 (LI)
  • (3)ライセンスの持ち込み (BYOL)
  • (4)リワードを貯めて、ライセンスのサポートコストを支払う(OSR)

(1)Database Service の種類

先ず始めに、OCIのデーターベースサービスについて簡単に説明をします。
OCIの PaasによるDatabase Serviceは大きく三種類あります。

Q_DB-Service.png

  • Base Database Service
  • Exadata Database Service
  • Autonomous Database

この画像のサービス群の右にいくほど、PaasとしてのAutomationが進みます。Base Database では、SE/EE と更にオプションを内包したHP/EPまでサービスされてます。
Exadata Database Service は ハイパフォーマンスが必要なワークロードに最適です。Exadataというデーターベースに特化されたアプライアンスのクラウド提供タイプですので、他社クラウドをご利用になっていて性能限界を迎えている場合は検討すると良いケースが多いです。
Autonomous Database はExadata上でサービスされているフルマネージドタイプのサービスで、垂直型スケールアップ・ダウンのオンラインでの適用と、自動的なパッチ適用・オートコンフィグレーション・オートチューニングなどデーターベースの管理をマネージドに任せることができます。

他社にない特徴としてデプロイメントモデルの選択ができます。パブリッククラウドで提供しているタイプと Cloud at Customer(C@C)というクラウドのサービス基盤をお客様のデーターセンターに設置することができるデプロイメントモデルが用意されています。

それぞれのサービスでの支払方式として、ライセンス込み料金(LI)・ライセンス持ち込み(BYOL) が選ぶことができます。本記事では各サービスの技術的な解説ではなく、料金体系を主に説明します。Autonomous Databaseについては今回言及は少なめにします。

(2)ライセンス込み料金 (LI)

Database Cloud service 群では、ライセンス込み料金(LI)でサービスを利用することができます。
Q_DB-ListLI.png

サービスによって適用される体系が異なります。

Base Database Service では、4つの料金体系が選べます。料金表はこちら

  • SE : Standard Edition \30.100/h
  • EE : Enterprise Edition \60.214/h
  • HP : High Performance \124.194/h
  • EP : Extreme Performance \188.174/h

Exadata Database Service では、1つの料金体系です。料金表はこちら

  • Exadata Cloud Service - Database \188.174/h

Autonomous Database では、1つの料金体系です。料金表はこちら

  • Oracle Autonomous Database \188.174/h

Base Database Serviceがエディション・オプションの内容により料金体系が選択肢があります。Exadata・Autonomousは基本的にすべてのDatabase Option が内包されています。(厳密に言うとAutonomousで非対応のオプションがあったりするけど、細かいことなので割愛...)
ライセンス込み料金を活用することで、既存のオンプレミスのサポート費用をクラウドに転換していくことができます。オンプレミスのサポート費を転換するときはサポートポリシーの抵触にはお気をつけ下さい。

例を5つ用意しました

例1) DBSE One を利用していて、11gを利用
例2) DBEEと、チューニング目的に Diagnostics と Tuning Packsを利用
例3) DBEEと、RAC・Partitioningを利用
例4) DBEEと、表領域暗号化として Advanced Security を利用
例5) DBEEと、Data Guard を利用して、災害対策サイトを構築している

例1) DBSE One を利用していて、11gを利用

⇒ SEを選択すると良いです。ライセンス・サポート費用を完全にサブスクリプションに転換することもできます。DBSE Oneでは19cを利用することはできませんが、BYOLでもDBSE2にアップグレード(無償)をすることで、利用することができます(※詳細後述)

例2) DBEEと、チューニング目的に Diagnostics と Tuning Packsを利用

⇒ EEを選択すると良いです。EEの料金体系にはDiagnostics と Tuning Packsも含まれます。ライセンス・サポートも転換して完全にサブスクリプションに移行することもできます。

例3) DBEEと、RAC・Partitioningを利用

⇒ EPを選択すると良いです。Partitioning機能はHPまでに含まれていますが、RACオプションはEPのみとなりますので上位のEPを利用する形となります。ライセンス・サポートも転換して完全にサブスクリプションに移行することもできます。

例4) DBEEと、表領域暗号化として Advanced Security を利用

⇒ Base Database Service には、表領域暗号化機能が標準で搭載されていますので、SE・EEなども選択することができます。Databaseの処理量的に余裕があるのでしたらSEを選択することもできますし、他のオプションを利用している場合はEE/HP/EPを選択することもできます。

例5) DBEEと、Data Guard を利用して、災害対策サイトを構築している

⇒ EE/HP/EPのいずれも選択することができます。クラウドのサブスクリプションの特長を生かしてスタンバイサイトのCPUを最小限にして稼働させることができます。これによりDRサイトを従来よりライセンスコストを下げて構築することができます。最低限どれぐらいのCPUが必要かはREDOログの適用量によって変わってきます。

代表的な組合せパターンを用意しましたが、他にも組み合わせることでメリットが生まれるケースもあります。
Q_DB-LIdown.png

ライセンス込み料金は継続的に値下げが実施されてます。(2022/12/1に円安影響の為替変更で円では上がりましたが、ドルベースでは変わりません)

(3)ライセンスの持ち込み (BYOL)

正式なルールは公式サイトをご確認ください。
公式ドキュメント:よくある質問: Oracle Bring Your Own License(BYOL)

現在オンプレミスで所有・使用しているライセンスをOCIでも利用することができます。Iaas/Paasに持ち込みが可能ですが、若干適用できるルールが異なっています。ライセンス総量・計算方法自体は同一です。

Base Database Service・ Exadata Database ServiceのBYOL料金は1つです。料金表はこちら

  • Oracle Database All Editions - BYOL \27.09/h

変換比率や、組合せできる方法などご紹介します。

■変換比率

Iaas/Paas に持ち込みができます。但し利用できるオプションが異なります

ライセンス BYOL to IaaS BYOL to PaaS
Standard Edition 1 Processor = 4 OCPU (8vCPU) 1 Processor = 4 OCPU (8vCPU)
Enterprise Edition 1 Processor = 2 OCPU (4vCPU) 1 Processor = 2 OCPU (4vCPU)

■Oracle Database SE / SE One のライセンスを所持している場合

Oracle Database 12.1.0.2 以降のバージョンを利用する場合、SE/SE-Oneのままでは利用できないので、SE2へのマイグレーションが必要となります。よくこれを勘違いして「買い直しが必要」と思われる人が居ますが、マイグレーション手続だけで最新バージョンも継続して利用できます。マイグレーションに関わる追加費用は 2022/12/1現在かかりません。買い直しとなるとコストが掛かります。
但し、Autonomous Database へBYOLする場合は、SE-Oneのライセンス形式のままでもBYOLとして利用することができます。

■IaaSとPaaSのBYOL時の利用できるサービスの違い

ライセンス BYOL to IaaS BYOL to PaaS
Standard Edition オンプレミスと同等 表領域暗号化を利用可能
Enterprise Edition オンプレミスと同等 追加で無料利用可能なオプション(Data Masking, Diagnostics, TuningPacks, Real Application Testing)+表領域暗号化

同じBYOLに見えますが、上記のように若干条件が異なります。BYOL to PaaSのほうが使用できるオプションが増えます。もし現在オンプレミスでこちらのサポートを契約している場合は、オプションを解約してDBEEのみをBYOLにしてコストを下げる事が期待できます。

■OCI BYOL 100日間特例

BYOLにて、オンプレミスからクラウドへ移行する時にライセンスを免除する特例があります。
BYOL to PaaS, BYOL to IaaSとして考える事ができます。

Oracle PaaS and IaaS Universal Credits Service Descriptions /23p あたり(この記事を書いたとき)

Oracle will allow you up to 100 days from the Cloud Services Start Date to transition from the applicable on premise Program licenses to the BYOL version of the Cloud Service(s)
(日本語訳)オラクルは、お客様が該当するオンプレミスプログラムライセンスからクラウドサービスのBYOLバージョンに移行するために、クラウドサービス開始日から最大100日間を許可します。

OracleのライセンスはPerpetual License なので、サポート料支払っている限りは永久に利用ができますが、システム移行時など一時的に2つのDBが存在しライセンスが必要な時があります。それを100日間免除させる規定が存在します。これを活用することにより、移行期間の1年間などの期間限定のライセンス(Term License)を削減してコストを下げる事が期待できます。

BYOL to IaaS は、Compute (VM,BM)と OCVS : Oracle Cloud VMware Solution で利用することができます。 VMware上でのOracleライセンスのカウント方法については言及しませんが、日本オラクルのライセンスの営業担当に確認されると良いでしょう。

100日間オーバーしたら?というのは、Database ServiceのPaaSを利用しているのであれば、次の対応ができます

■BYOL料金からライセンス込み(LI)料金への切替

Base Database Service でデプロイ済みのインスタンスの課金モデルを変更することができます。
Q_DB-BYOLtoLI.png

  • BYOL ⇒ LI
  • LI ⇒ BYOL
    両方に対応でき、即日適用されます。これによりデーターベースの停止や再起動などは発生しません。
    先述の100日特例を超えた場合はライセンス込み料金に変更することで、違反状態にならなくすることもできます。
    また逆として、構築期間中はライセンス込み料金のインスタンスとして稼働させて、本番移行完了してオンプレミスを停止させるタイミングでライセンス余剰となりますので、このライセンスモデルをLIからBYOLに切り替えてコストを下げる方法もあります。特に構築期間中はCPUを多く使用しないことから、この方法で移行コストを下げる事が期待できます。
    オンプレミスのサポート料金は1年契約ですので、契約期間内はBYOLにして終了後はLIに切り替えることなど、所有するライセンスの総量と相談しながらコストを下げる事が期待できます。
    Q_DB-BYOL100.png

(4)リワードを貯めて、ライセンスのサポートコストを支払う(OSR)

OCIの使用料金に併せてリワードが溜まり、サポートフィーへの支払いに利用できるプログラムがあります。
Q_DB-OSR.png
OCI利用料金の25%がRewardとして貯まり、サポート費用のお支払いに利用することができます。

公式サイト : Oracle Support Rewards
BYOL to PaaSの料金にも適用ができますので、ダブルでお得!!と言うことも実現できます。
利用方法は日本オラクルの営業に問い合わせ頂くのが一番良いです。

クラウド移行しても、どうしてもオンプレミスのシステムやPaasに乗り切らないDBは存在すると思います。それらのサポート費用の低減にこのプログラムをご活用なさってみてください。

最後に

2022/12/1現在で思いつく、技術によらないライセンス・ファイナンスでのコスト削減をテーマに本記事を作成してみました。皆さまの企業でコストダウンしてのクラウド移行が実現できますよう、心から応援しております。
価格は執筆時点のものです。 2022/12/1更新

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