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Oracle Database をサブスクで利用する (AWS RDS for Oracle ・ OCI BaseDB)

Last updated at Posted at 2023-12-13

この記事は、JPOUG Advent Calendar 2023 Advent Calendar 2023 に参加して、13日目です。
本記事では Oracle Database をサブスクリプションモデルで提供するAWSとOCIで使う上で契約面や許諾面を解説するポストです。サービス選定の助けになるような記事にしています。技術的なところばかり注目して契約面が疎かになると、後に大きな問題を起こすこともあります。

【注意】 BYOLでのライセンスの取り扱いや条件は、そのお客様ごとの契約によって条件が異なる事があります。本記事では一般的に良くあるケースをご紹介をします。契約ごとのライセンスの扱い方は、日本オラクルの営業担当にお問い合わせください。調査して回答してもらえます。

このポストでは下記に略します。

  • ライセンス込み料金 = License Include (LI)
  • ライセンス持ち込み = Bring Your Own License (BYOL)

比較するサービスの定義

この記事では、下記のサービスを比較します。

AWS

  • AWS RDS for Oracle
  • AWS RDS Custom for Oracle (※ライセンス込み料金はありません)

OCI

  • Base Database Service
  • Exadata Cloud Service Dedicated(ExaDB-D)
  • Exadata Cloud@Customer
AWS RDS OCI-BaseDB
エディション SE (EEはBYOLのみ) SE EE (+Option)
バージョン 19c 21c (11g 12c) 19c 21c 23c
可用性 Multi-AZ(SE,EE) RAC / Data Guard(EE以上)
リージョン 東京/大阪 東京/大阪
サポート期間 AWSが定める PremiereSupport・ExtendedSupport期間
強制アプデ あり なし
個別パッチ NG NG(*ケースによっては)

サービスは両社特色があります。
AWS RDSはSEから可用性を確保できるMulti-AZに対応していますが、OCI-DBはEE以上からの対応となります。OCI-DBでSEでも可用性を要求したい場合は、是非とも株式会社コーソルにお問い合わせください!!!
OCI-DBでは、RACでActive/Activeなクラスター構成できる仕組みから、Data Guardでフィジカルレプリケーションまで検討することはできます。ライセンス込み料金ではData Guardもスタンバイ側は必ずしもプライマリーと同じCPUが必要では無く、REDOログをApplyできる処理ができれば稼働ができます。スタンバイ側のコストを抑えて構築することができます。

ライセンス込み料金(LI)の許諾比較

ライセンス込み料金で利用する場合のサービス仕様書は各社によります。AWS RDSを利用する場合はLIとBYOLで参照するAgreement(約款)が異なるところがありますので、留意してください。

ライセンス込み料金で利用する場合は、サービスの内容は下記を参照します。

  • AWS のサービス条件 <日本語版 最終更新:2023年10月31日>
  • Oracle Contracts
    OCIではAgreementのCSA(Cloud Service Agreement)と併せて、Service DescriptionとセットでContractを為しています。国と言語を選択すると、その国で利用できるAgreementが参照できます。

AWS RDS for Oracle

ライセンス込み料金での規約は 「10.3. Oracleソフトウェアの利用」 (p14)に記載があります。
全部を書くと大変ですが、運用例に併せた使い方としては下記が禁止されています。

  • ホスティングや他者へのサブスクリプションサービスの一部として貸出・利用はできません
  • 利用できる企業はAWSアカウントの企業に限られます。子会社や親会社などグループ利用はできません

BYOLでライセンス持ち込みをする場合、ライセンス側の規約でこの許諾方法を変えることはできます。

OCI Base Database Service

ライセンス込み料金での規約はCSAで許諾面が記載され、Service Descriptionで利用方法が記載されています。

  • ホスティングやグループ会社利用など、第三者や子会社利用拡大はCSAにAmendment(覚書)を締結することで利用ができます

具体的な方法については日本オラクルの担当営業にお問い合わせください。

BYOLの許諾比較

BYOLとして利用する場合は、Databaseとしての規約は持ち込んだライセンスに許諾されている内容が原則は承継されます。AWS RDSとOCIに差違は起きません。
両社ともにOracleのサポートが有効なライセンスのみを持ち込むことができます。(細かく書かないけど、サポート払っていないライセンスとか、第三者保守とかはNGですね)

但し、通常のFULL USE以外のライセンス(一例、ASFU アプリケーション限定・ESL(Embedded Software License))や、許諾時に特別条項が特記されたライセンスではクラウドのBYOLで利用できない場合があります。

ライセンス込み料金には含まれていて、BYOLには含まれていないものもあります。
代表的なのが、Extended Support(ES)の料金です。これはPremiere Support(PS)期間が終了したバージョンのサスティニングに入る前に定義されるサポート期間です。PS料金に上乗せをお支払い頂くことで、延長保守をする性格のものです。両社のライセンス込み料金にはESとして本来追加する料金も含まれていますが、BYOLではオラクル社に直接払わない限り、ESとしてのサポート受けることはできません。

おわり

両社間の許諾比較をするのが大変という声を受けて作成しました。
ご指摘ありましたら修正したいと思いますので、是非ともお問い合わください。

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