本日は、マイクロソフトのデータ可視化ツールPower BIを使った売上データ分析のプロジェクトをご紹介いたします。このプロジェクトでは、企業の売上実績データを効果的に視覚化し、経営陣や営業部門が素早く分析できるようなダッシュボードを少々簡単に構築しました。
プロジェクトの手順と内容は以下の通り
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データソースの接続と統合 まずはデータソースとなるERP、CRM、その他業務システムからデータを取得し、Power Queryを使ってデータの変換、クリーニングを行いました。
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データモデリングとDAXによる計算フィールド作成 次にPower Pivotを使って、売上データのデータモデルを構築しました。DAXという式言語を使って、売上金額、利益率、前年比などの計算フィールドを作成しています。
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レポートおよびダッシュボード作成 構築したデータモデルをベースに、様々な視覚化オブジェクト(棒グラフ、円グラフ、カードなど)を配置し、売上状況が一目でわかるレポートとダッシュボードを作成しました。
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デザインと機能性の調整 最後に、視覚効果が高く、かつ利用者にとって分かりやすいレポート・ダッシュボードになるよう、デザインの調整やスライサーなどの機能を追加しました。
BI分析ツールの導入においては、単に技術を使うだけでなく、戦略的なアプローチが重要視されます。ビジネス要件をしっかり把握し、段階を踏んだ体系的な開発プロセスを経ることが大切です。
一般的なBI開発の流れは以下の通りです。
- 事業・ビジネス要件の明確化
最初に経営層やユーザー部門と協議し、どのようなビジネス課題を解決したいのか、分析の目的や対象を明らかにします。 - データソースの選定と統合
次に必要なデータソースを特定し、ERP、CRM、その他システムからデータを抽出します。異なるソースのデータ統合も行います。 - データモデリング
取得したデータを正規化し、キューブやリレーショナルモデルなどの最適なデータ構造を構築します。 - ETLとデータ加工
抽出したデータを目的に合わせて変換、加工します。カスタム計算項目の作成なども行います。 - 分析レポートおよびダッシュボード開発
モデリングされたデータをベースに、ビジネス要件に合わせた視覚化レポートやダッシュボードを構築します。 - 運用とメンテナンス
ユーザーへの展開と並行し、定期的なモデルやレポートの見直しや機能拡張を続けていきます。
こうした一連のプロセスを経ることで、ビジネスニーズに適したBI環境が実現できます。要件に基づいた分析アプローチと、ユーザビリティの高い視覚化により、経営判断の質が大幅に向上するでしょう。