使用している専用サーバを老朽化などにより新しい専用サーバに移行することになった場合の手順を書き起こしていきます。
サーバ構成、メールアドレス、メーリングリストについてはサーバー会社が提供する移行ツールの使用を想定します。
専用サーバの状態
複数ドメインでWEBサーバ、メールサーバとして使用されている
長い間使われていたため、稼働していない古いモノもある状態
移行前の準備
期間の設定
上記の通り複数の用途で使われている場合は半年間の期間を設けて作業を行う。
利用状況リストを作成
- 今存在しているサーバをドメイン名でリスト化
- 各ドメインごとに使用されているメールアドレスをリスト化
- リストを元に用途と稼働状況を調査する(状況が分からないものについては移行する方針)
- リストのドメイン名に稼働状況を元に移行するドメインを決める
バックアップを取る
- 移行するドメインのWEBサーバ内のファイルをダウンロード
- データベースを使用している場合はデータをエクスポート
移行前の作業を確認する
WEBサーバ
1. 新しいサーバにバックアップファイルをアップロード
2. 新しいサーバにデータベースを作成し、バックアップデータをインポート
3. hostsファイルを編集しドメインを新サーバipアドレスに変更
4. 表示・動作確認を行い、問題がある場合コードを修正する(古いバージョンのコードなど)
メールサーバ
サーバ移行のためドメイン切替後、2週間ほどドメインの浸透期間になります。
浸透期間中メールは古いサーバ、新しいサーバどちらにくるかわからない状態になります。
そのため、サーバ移行前にメールクライアントで新旧2つのメールアカウントを用意する必要があります。
1. メールクライアント(Thunderbirdなど)に今使用している同じメールアドレスでアカウントを作成。
2. 作成したアカウントの受信・送信メールサーバー名を新しいサーバーのドメイン名にする
3. 作成したアカウントでメールが送信できるか確認する
DNS
1. 各ドメインのAレコードを新サーバのipアドレス、MXレコードを新しいサーバ名にする
2. メールを使用するドメインにはSPFレコードを設定する
移行作業
利用者向けにメール設定の手順書を作成
- 全ての画面をスクリーンショット
- 画像編集で押すボタン、入力する項目などをわかりやすくする
作業開始前 全利用者に告知
- サーバが移行する旨とその理由
- サーバを完全に移行する日時
- 新しいメールアカウントの作成と設定のお願い
- メール設定の締め切り日時
を記載した告知を行い、メール設定の手順書を配布
WEBサーバ
リストを元にタスクを作成、上記の手順通り作業を実施
メールサーバ
利用者向けに手順書を作成し、設定をしてもらうよう通知する
不慣れな操作をしてもらうため、問い合わせを想定して余裕を持った仕事を行う
作業終了後 全利用者に告知
・忙しい中設定を行ってくれたお礼
・再度サーバを完全に移行する日時
・ドメイン浸透期間中に新旧どちらかのフォルダにメールが届くため、2週間ほど両方のフォルダを使用してもらうこと
・まだアカウント作成、設定を行っていない方は作業者宛に個人的に連絡のお願いを記載した告知を行う
ドメイン切替
万が一に備えて影響が少ない深夜にドメイン切替を行う
メールを使用しているドメインはSPFレコードを設定する
リストを元に全てのWEBサーバーの表示・動作確認
メール送信・受信の確認
ドメイン切替後
浸透期間終了後、利用者向けに新アカウントと旧アカウントのフォルダを統合するための手順書を作成し配布。
(例:Thunderbird アドオン ImportExportTools NG の使い方)
終わりに
利用者に忙しい中不慣れな操作を行ってもらうことをお願いするため、
手順書は編集した画像と文章で読解にストレスをかけないように意識して作成する必要があります。
手順書作成するときのソフトは時間をかけずにいい感じのデザインになるマークダウンエディタがおすすめです。
非常に使いやすく、マークダウンのため文字の大きさや位置を気にすることなく作成することができます。(昔は無料でしたが、現在は有料みたいです)