Google Cloud Storage(GCS)とは
Google Cloud Storage (GCS) は、Google Cloud が提供するグローバルで安全かつスケーラブルなオブジェクトストレージサービスです。 画像データ、テキストデータ、動画データ、音声ファイルなど、あらゆる種類の普遍的なデータを保管するために利用できます。Amazon S3 や Azure Blob Storage といった他のクラウドストレージサービスと同様の目的で提供されています。
GCS でのデータの保存方法
GCS では、バケットと呼ばれる箱のようなものを作成し、その中に**オブジェクト(データ)**を保存します。データを保存する際には、まずバケットを作成する必要があります。
バケットの作成と命名
バケットを作成する際には、グローバルで一意な名前をつける必要があります。世界中でまだ使われていない名前を選択する必要があり、もし既存の名前を使用しようとするとエラーが表示されます。バケット名には日付などを加えることで、一意性を確保する方法があります。
ロケーションタイプの選択
バケットの作成時には、データをどこに保存するかというロケーションタイプを選択する必要があります。ロケーションタイプには、主にリージョン、マルチリージョン、デュアルリージョンの3つがあります。
- リージョン: 単一のリージョン内のデータセンターにデータを保存するタイプです。東京や大阪といった特定のリージョンを選択できます。レイテンシが最も低いという特徴がありますが、そのリージョンで障害が発生した場合、データの可用性が懸念されます。
- マルチリージョン: 複数のリージョンにあるデータセンターにデータを保存することで、高い可用性を実現します。アジアや EU、US など、エリアを選択する形となり、ユーザーはどのリージョンにデータが保存されているかを指定したり把握したりすることはできません。
- デュアルリージョン: 2つの指定したリージョンにデータを保存し、高い可用性を保ちます。どのリージョンにデータを保存するかを指定できるのが特徴です。現在、選択できる組み合わせは限られており、例えば東京と大阪といった組み合わせが可能です。国内にデータを保管する必要があり、かつ保存場所を把握しておきたい場合に適しています。
ストレージクラスの選択
バケットの作成時には、ストレージクラスを選択します。ストレージクラスは、データへのアクセス頻度や保存期間によって使い分けることが推奨されており、主にスタンダード、ニアライン、ゴールドライン、アーカイブの4つがあります。
- スタンダード: 頻繁にデータへアクセスする場合に適しています。
- ニアライン: 月に1回未満の頻度でデータへアクセスする場合に適しています。
- ゴールドライン: 四半期に1回未満の頻度でデータへアクセスする場合に適しています。
- アーカイブ: 年に1回も満たない頻度でしかデータへアクセスしない場合に適しています。
保存料金は、スタンダードクラスが最も高く、ニアライン、ゴールドライン、アーカイブと順に安くなります。しかし、データ取得にかかる料金は、保存料金とは逆にアーカイブクラスが最も高くなります。そのため、アクセス頻度と料金のバランスを考慮してストレージクラスを選択することが重要です。
データのアップロードと確認
バケットを作成後、そのバケットにファイルをアップロードすることができます。Google Cloud コンソールの画面から、ファイルのアップロードを選択し、ローカルにあるデータをGCSのバケットに保存できます。アップロードしたデータはコンソール画面から確認することが可能です。
GCS の活用例
GCS は、以下のような様々な用途で活用できます:
- Web サービス提供のための画像や動画などのコンテンツの保存。
- データ分析のためのデータの保管。
- 障害復旧のためのバックアップデータの保管。
GCS を利用することで、多様なデータを簡単かつ安全に保存し、必要に応じてアクセスすることが可能になります。