はじめに
社内でスクラム開発をする事になり、「プロダクトオーナー(以下、PO)」 に任命されました。対応するのが久しぶりすぎたのでPOについて改めて理解を深めたいと思います。
1. POとは?
プロダクトオーナー(Product Owner) は、アジャイル開発の代表的な手法「スクラム」で定義されている、とても重要な役割のひとつです。
ざっくり言うと
「誰に、どんな価値を、どんな優先順位で届けるか」 を決める人です。
開発チームが 「どう作るか」 に集中できるように、
POは 「何を作るか」 を明確にし、方向性を示します。
よくPM(プロジェクトマネージャー)と混同されがちですが、POはプロダクト(製品)の価値に責任を持つ立場で、開発の現場と非常に密接に関わるロールです。
2. スクラム開発とは?
スクラムは、アジャイル開発の中でも広く使われている開発フレームワークです。
開発チームが短いサイクル(スプリント)で成果物を繰り返し改善していく手法です。
スクラムには、次の3つのロールが定義されています。
- プロダクトオーナー(PO):プロダクトの価値を最大化する責任者
- スクラムマスター(SM):チームが円滑にスクラムを実践できるようサポート
- 開発チーム(Developers):実際にプロダクトを設計・開発・テスト
3. POのミッション
POのミッションとしては、
限られたリソースで、最大限の価値を生み出すこと
になります。
開発は時間・コスト・人に限りがあります。
その中で 「今、何を優先して開発するべきか」 を判断し、開発チームに方向性を示すのがPOの役割です。
また、プロダクトのビジョンを定めたり、顧客(今回はないが)やステークホルダーと連携してプロダクトの目指すゴールを明確にするのもPOの責任です。
4. POのやること
POが担う主な業務は以下のとおりです。
プロダクトバックログの管理
「何を作るか」 を整理したリスト(プロダクトバックログ)を常に最新の状態に保ち、優先順位の高いものから開発できるようにします。
リリース計画の策定
どのタイミングで何をリリースするのか、短期・中期のロードマップを設計します。
市場調査・顧客調査
顧客インタビューやデータ分析などを通じて、ユーザーのニーズを正確に把握し、優先順位の判断材料とします。
ステークホルダーとの調整
経営層、営業、マーケティングなど、さまざまな関係者と話し合い、要望を吸い上げて整理します。
開発チームとの対話
開発チームと一緒に実現可能性の検討や仕様のすり合わせを行い、共通認識を持って開発を進めます。
予算の管理
開発のコストを意識し、予算内で最大の価値を出せるように判断を行います。
スプリントレビューでの受け入れ判断
スクラム開発にはいくつかのスクラムイベントがあります。
その中でステークホルダーやPO向けに開催されるスプリントレビューなるものがあります。
「Doneの定義」に基づいて、開発された成果物が 目的を満たしているかを判断し、受け入れを行います。
5. 注意点
POという役割には、注意点もあります。
POを複数人で担当する場合
POは原則、1人で担当することが望ましいです。
複数人で担当すると、優先順位や判断の一貫性が失われる恐れがあります。
やむを得ず複数人で行う場合は、最終的な意思決定者を明確にしておくことが重要です。
POが「要件定義者」に終始してしまう
POは「何を作るか」を決めるだけの人ではありません。
「なぜそれを作るのか」「どう価値を届けるのか」まで踏み込んで判断できる存在であることが求められます。
現場によっては、単なる調整役や仕様担当にされがちですが、PO本来の役割に立ち返る意識が必要です。
おわりに
POは、スクラム開発において価値を最大化するための存在です。
何を作るべきかを判断し、チームと共に前に進んでいくためには、ビジネス視点・ユーザー理解・技術的な調整力がバランスよく求められます。
POは“何を作るか”を決めるだけでなく、“なぜ作るのか”を語れる人。
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