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OpenWrtでリピータ機能(WDS)を使う

Last updated at Posted at 2020-09-12

部屋レイアウトなどの都合で、ルーター間のネットワークを有線だけで構成できない状況があるかと思います。例えば上記のような場合です。

image.png

このような場合、いわゆる二重ルーター構成にするしかないと考える人が多いのではないでしょうか。少なくとも私はそう思っていましたが、WDSやメッシュネットワークを使えば途中に無線区間があっても全体を1つのサブネットに収容でき、ネットワーク構成をシンプルに保つことができます。

このような構成は市販の無線LANルーターでも実現できますが、本稿ではOpenWrtルーターでのWDS構成について説明します。

WDSとは

WDS (Wireless Distribution System)は無線アクセスポイント間を接続し、両側のネットワークをシームレスに接続する技術の総称です。実現方法については規格化されておらず、概念に対する名称だというのが私の理解です。そのため、別会社の製品同士のWDS機能に互換性があるとは限りません1

この機能は多くの市販製品で「WDS機能」「リピータ機能」として提供されています。また、リピータ機能に特化した機種も販売されています。

OpenWrtでの設定

OpenWrtでのWDSの設定は若干わかりにくい気がしますが、端的に言えば「親APと子APの無線モードをWDSにする」のがキモです。

以下、LuCIから設定する手順を紹介します。

親AP

  1. 「Network」「Wireless」の設定で「Interface Configuration」「General Setup」「Mode」を「Access Point (WDS)」に変更

子AP

  1. 「Network」「Interface」のLAN設定「General Settings」で「Static address」にして親APのサブネット内の固定IPを設定
  2. 「Network」「Interface」のLAN設定「DHCP Server」「General Setup」で「Ignore interface」としてDHCPを無効に
  3. 「Network」「Wireless」で「Scan」をクリックして既存ネットワークに「Join Network」してPSKの設定などを行う。「Firewall zone」はlanに変更
  4. 無線の「Mode」を「Client (WDS) 」に変更、所属する「Network」をwwanからlanに変更
  5. 「Network」「DHCP and DNS」の「DNS forwardings」に親APのIPアドレスを設定
  6. 「Network」「Interface」のLAN設定「General Settings」「IPv4 gateway」に親APのIPアドレスを設定
  7. 「Network」「Interface」のLAN設定「Physical Settings」「Enable STP2」にチェックを入れる
  8. 他に必要なネットワーク設定を行う。例えばリピータ設定をする場合は同一のネットワーク設定でアクセスポイントを構成する(Client設定と両立できる)
  9. 「Network」「Interface」のWWANは不要なので削除

上記の設定にするとDHCPやDNSは親APが全部担当することになります。

構成例

我が家の場合は旧型PS4が有線LAN配線しにくい位置にあるのですが、このPS4は5GHz無線に非対応なので、無線LANルーターを介して5GHzネットワークに参加するのにWDSを利用しています。

image.png

シンプルな構成なんですけど、子APの無線モードを単に「Client」にしてしまうと無線インターフェースをブリッジインターフェースに参加させられず、どうしても二重ルーター構成になっちゃうんですよね。無線モードを「Client (WDS)」にすれば同一サブネットにできるので、二重ルーターにせずに離れ小島にネットワークを通せるというわけです。

余談ですが、最近のPS4は5GHz無線に対応しているのでこんな面倒な作業は不要です。

参考URL


  1. Wireless distribution system - Wikipedia 

  2. Spanning Tree Protocol。ブリッジループやブロードキャストストームを防止する。 

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