筆者の手元にあるFT232RLモジュールはディップスイッチで5V動作と3.3V動作が切り替えられます。これがあればArduino Pro Mini 3.3V/8MHzとのシリアル通信にRXD/TXDの両ピンが使えるはずです。
ところで、このモジュールのVCCをArduino Pro Mini 3.3V/8MHzの入力電源として利用して問題ないのか、疑問に思ったので調べてみました。
観察してみる
FT232RLモジュールのディップスイッチを切り替えて、VCCの電圧を測定してみました。
- ディップスイッチを5Vにしたときの電圧を測ると5.04V
- ディップスイッチを3.3Vにしたときの電圧を測ると3.51V
3.3Vのときの誤差が大きいような気もします。このモジュール大丈夫かしら…?
データシートを見る
FT232RLのデータシートを確認してみると、次のことがわかりました。
- FT232RLは3.3Vレギュレータを内蔵している
- 電圧はTypical 3.3V(Minimum 3.0V、Maximum 3.6V)
このアダプタの電圧切り替えはFT232RLの機能を使ったものでしょうから、上記測定結果はデータシートの通りということになりますね。
3.51VをArduino Pro Mini 3.3V/8MHzのVCCに繋いで大丈夫か
さて、3.51Vというのは3.3Vに対して6%ほどの誤差です。本当に電源として使って問題ないのでしょうか?
とはいえArduino Pro Miniの回路図を見るとマトモなデバイスはATmega328PとMIC5205(電圧レギュレータ)くらいなので、特に問題にはならない気がします。むしろ、他に接続する3.3Vデバイスがあるのであれば、それらが大丈夫かどうかが重要でしょう。
大抵のデバイスは±10%くらいマージンが取ってあるので、大丈夫なんだろうとは思います。
実際、この3.51VをArduino Pro Mini 3.3V/8MHzのVCCに接続してみましたが、特に問題はなさそうです。
3.51VをArduino Pro Mini 3.3V/8MHzのRAWに繋いでみる
ところで、Arduino Pro Miniは電圧レギュレータMIC5205を内蔵しており、電源がRAWに繋がれた場合にはMIC5205で3.3Vに降圧してVCCとして利用します。
また、MIC5205のデータシートを見るとドロップアウト電圧が0.1V程度(50mA、Typical)のようですから、3.51V入力でもギリギリ動作しそうな気がします。
実際にRAWにFT232RLのVCCを接続してみましたが、期待通りに動作しました。この際のArduino Pro Mini側のVCCの電圧は3.26Vでした。
もちろん、この結果はFT232RLの個体差によるもので、もっと電圧が低い場合には動かないと思います。