目的
Windows 64 bit または 32 bitにPyMOLを入れる。
そのためにpythonのインストールからPyMOLのインストールまで解説する。
動機
PyMOLの公式ページで登録することによって、Educational版のインストーラが入手可能であり、簡単にインストールできるが機能の制限も多い。制限はバージョンによって違うようだが、たとえばv1.74のEducation版ではray機能(レンダリング、きれいな画像を生成する機能)が使えない。またモデリング時のundo(直前の操作を戻す)もできない。
それに、32bit版しかない。
オープンソース版のPyMOLは、Edu版よりもバージョンが新しいのに加え機能に制限がない。
Edu版よりもインストールに手間はかかるが、それでも使う価値はある。
(1) Pythonのインストール
anacondaおすすめ。(anacondaによるpython環境構築については、よく解説されています。良く使うモジュールも一緒にインストールしてくれるので、Pythonで他の解析等したい方は、anacondaの方が良いと思います。)
以下、Python公式ページからPythonをインストールした前提で解説する。anacondaを使った場合も、python.exeのPATHだけ変えれば良いので、ほとんど一緒。
Pythonの公式ページでPythonのインストーラ(.msi形式)をダウンロードする。
Python2.7とPython3.4の、2つのseriesがあるが,Python2.7をインストールする。なぜなら、これから紹介する方法ではオープンソースで公開されている最新版のPyMOLはPython2.7にしか対応していないからである(現在のところ)。ちなみに,Python3.4のほうが新しいが、まだまだPython2.7が使われることも多い。
(2018年3月27日追記)
Python3も使えるようになっていた。
Python3の場合も以下の方法でインストールできる。
pipというPythonパーケージのセットアップツールを使うが、Python3.4以上またはPython2.7.9以上のバージョンにしか含まれていないので注意。
コマンドプロンプトを開いて
C:\Users\hoge> C:\Python27\python.exe
C:\Users\hoge> C:\Python27\Scripts\pip.exe
でpythonとpipがちゃんと動くことを確認する。
C:\Users\hoge> C:\Python27\Scripts\pip.exe install wheel
でインストールツールであるwheelをインストールする。
(2)PyMOLに必要なパッケージをダウンロード
Pmw、numpy-mkl、pymol、pymol_launcherの4つをインストールする。
wheel(.whlの拡張子)のパッケージが以下のURLにある。
http://www.lfd.uci.edu/~gohlke/pythonlibs/
有志の方が非公式に公開しているサーバのようである(大学の研究室?)。結構頻繁にバージョンが更新されている。
pymol公式wikiでもこのサイトが紹介されている。
それぞれのパッケージをctrl+fで検索する。
現在見つかったのが、
Pmwは、
Pmw-2.0.1-py2-none-any.whl
Pmw-2.0.1-py3-none-any.whl
の2つ。
py2とpy3は、python2とpython3シリーズを表しているので、インストールしたpythonのバージョンに合うものをダウンロードする。
numpy+mklは、
http://www.lfd.uci.edu/~gohlke/pythonlibs/#numpy
numpy-1.11.0+mkl-cp27-cp27m-win32.whl
numpy-1.11.0+mkl-cp27-cp27m-win_amd64.whl
numpy-1.11.0+mkl-cp34-cp34m-win32.whl
numpy-1.11.0+mkl-cp34-cp34m-win_amd64.whl
numpy-1.11.0+mkl-cp35-cp35m-win32.whl
numpy-1.11.0+mkl-cp35-cp35m-win_amd64.whl
みたいな感じ。
cp27、cp34、cp35はそれぞれpython2.7、3.4、3.5を表す。
win32、amd_64はそれぞれ32bitと64bit版を表す。
したがって、適合するものをダウンロードする。
pymolとpymol_launcherも同様。
pymol-1.7.6.0-cp27-none-win32.whl
pymol-1.7.6.0-cp27-none-win_amd64.whl
pymol-1.8.2.0-cp27-cp27m-win_amd64.whl
と
pymol_launcher-1.0-cp27-none-win32.whl
pymol_launcher-1.0-cp27-none-win_amd64.whl
pymolは、現在python2.7の64bit版で、一番新しいv1.8.2が使える。
これら4つのwhlファイルをどっかのディレクトリに置く。
たとえばC:\Users\hoge\PyMOL_INSTALLATION
に置いたらコマンドプロンプトで
C:\Users\hoge> cd C:\Users\hoge\PyMOL_INSTALLATION
と打ってディレクトリを移動、
そこで
(3) pymolのインストール
C:\Users\hoge\PyMOL_INSTALLATION> C:\Python27\Scripts\pip.exe install Pmw-2.0.1-py2-none-any.whl
C:\Users\hoge\PyMOL_INSTALLATION> C:\Python27\Scripts\pip.exe install numpy-1.11.0+mkl-cp27-cp27m-win_amd64.whl
C:\Users\hoge\PyMOL_INSTALLATION> C:\Python27\Scripts\pip.exe install pymol-1.8.2.0-cp27-cp27m-win_amd64.whl
C:\Users\hoge\PyMOL_INSTALLATION> C:\Python27\Scripts\pip.exe install pymol_launcher-1.0-cp27-none-win_amd64.whl
以上でインストール完了。
C:\Python27\PyMOL.exe
がデフォルトで作成される場所。
ファイルをダブルクリックで実行。
参考