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Day 15

【ChatGPT o1 pro の活用法】「最適化」と「なぜなぜ分析」を組み合わせた神プロンプト

Last updated at Posted at 2024-12-16

はじめに

 OpenAIが、「12 Days of OpenAI」と銘打って、日本時間の12月6日から12営業日連続で様々な発表・リリースしていますね。その初日で、「ChatGPT o1」がプレビューから正式版となり、さらに「ChatGPT o1 pro」も新たにリリースされました。o1 pro は、正直まだ何に使えるかよく分からないといった声をよく耳にします。そんな中、o1 pro思考の連鎖を活かした「最適化」と「なぜなぜ分析」を組み合わせた神プロンプトを見つけたので共有したいと思います。

ChatGPT o1 pro の実力

OpenAI公式情報

 OpenAI公式の o1 pro の紹介ページでは、「o1 pro は最も信頼性の高い応答をより長く考える、最もインテリジェントなモデル」と説明されていました。また、以下のような o1-preview, o1, o1 pro の実力を比較するグラフが記載されていました。

  • 問題を1回解かせた際の正答率
    image.png

  • 問題を4回解かせた際に4/4での正答率
    image.png

Qiitaでの情報

 上記のOpenAI公式情報に関して、@yu_ukさんが「超難問を8割以上の安定性で突破する「o1」&「o1 Pro」の凄さを徹底解説」でもっと丁寧に解説されています。以下のような、分かりやすい比較表もあるので、ぜひご覧ください。リンクは参考に記載しました。

image.png

Xでの情報

 また、XでのチャエンさんのLLMのIQ比較に関する投稿を見ると、Mensa Norway (yellow) では、 o1 のほうが IQ133 と高いスコアを出してるものの、Offline Test (black) では、o1 pro のほうが IQ110 と高いスコアを出していることを確認できます。

image.png

Noteでの情報

 プチponyさんの「o1 pro vs o1 比較検証 課金を考えている方へ」の記事では、以下のように様々な角度から、o1 proo1 の比較がされていました。大変面白かったので、ぜひご覧ください。リンクは参考に記載しました。

image.png

Chain of Thought:思考の連鎖

 o1は、ユーザーが入力したプロンプトに応じる際に、Chain of Thought:思考の連鎖を長く行った上で回答を生成します。思考の連鎖とは、与えられた設問に対して直接的に返答するのではなく、設問が意味する内容をAIが深掘りし、新たな問いを自ら立ててそれに答えるというプロセスを繰り返すことで、より優れた回答を生み出す手法です。この思考の連鎖により、o1 は、4o と比較して、より論理的で正確な回答を生み出してくれます。

「最適化」と「なぜなぜ分析」を組み合わせた神プロンプト

テンプレートプロンプト

 「最適化」と「なぜなぜ分析」を組み合わせたプロンプトで、o1 pro の深い思考の連鎖を活かせることに気づきました。以下がそのテンプレートプロンプトになります。

最適化xなぜなぜ分析のテンプレートプロンプト
〇〇を最適化タスクだと捉えると、△△は何を最大化すべきでしょうか。
また、「最大化される何か」に関連するのは、一体なんでしょうか。
「最大化される何か」と「最大化される何かに関連するもの」を5段階程度で階層的に説明してください。

注意:
- 項目、内容の構成を意識して記載してください。
- できるだけ網羅的に記載してください。
- できるだけ具体的にして分かりやすくしてください。

それでは、よろしくお願いいたします。

これを使用する際のポイントは以下の二つです。

  • 〇〇には抽象的な概念を入れること
  • 〇〇に合わせて△△を埋めること

使用例:人生について

人生について質問
人生を最適化タスクだと捉えると、我々は何を最大化すべきでしょうか。 
また、「最大化される何か」に関連するのは、一体なんでしょうか。
「最大化される何か」と「最大化される何かに関連するもの」を5段階程度で階層的に説明してください。

注意:
- 項目、内容の構成を意識して記載してください。
- できるだけ網羅的に記載してください。
- できるだけ具体的にして分かりやすくしてください。

それでは、よろしくお願いいたします。
o1 pro の回答
以下は、「人生を最適化タスク」として捉えたときに「何を最大化すべきか」を示した上で、その「最大化されるもの」およびそれに関連する要素を、約5段階の階層で説明した一例です。ここでは、例示として「総合的な幸福度(ウェルビーイング)」を最大化すべき対象とします。もちろん、最大化対象は価値観によって異なり得ますが、ここでは汎用性のある方向性として「幸福度」を取り上げます。

-----------------------------------  
**第1階層:最大化される何か**  
1. **総合的な幸福度(ウェルビーイング)**  
   - 「幸福度」を単純な快楽ではなく、身体的・精神的健康、豊かな人間関係、経済的安定、自己実現、人生の意味などを総合的に考慮した「持続的な満足度・充実度」と定義します。

-----------------------------------  
**第2階層:幸福度に関連する大項目**  
総合的な幸福度を構成する主要因を、大きな要素に分解します。  
2-1. **健康(身体的・精神的)**  
2-2. **経済的安定(資産・収入・リスク管理)**  
2-3. **社会的関係性(家族・友人・コミュニティ)**  
2-4. **自己実現(キャリア・創造性・目的意識)**  
2-5. **内的充実感(生きがい・意味・価値観)**

-----------------------------------  
**第3階層:大項目を支える中項目**  
各大項目をさらに、より具体的な中項目へと細分化します。  
3-1. 健康  
   - 身体的健康:定期的な運動、栄養バランス、十分な睡眠  
   - 精神的健康:ストレスマネジメント、メンタルヘルスケア、趣味の充実  
3-2. 経済的安定  
   - 収入源の安定化:職業スキルの習得、複数収入源の確保  
   - 資産形成:貯蓄、投資、保険加入  
   - リスク対策:経済リスク分散、長期的な計画  
3-3. 社会的関係性  
   - 家族との関わり:定期的なコミュニケーション、サポート  
   - 友人・仲間との交流:共通の趣味、情報交換、協働活動  
   - コミュニティ参加:地域イベント、ボランティア活動、社会貢献  
3-4. 自己実現  
   - キャリア発展:目標設定、能力開発、継続的学習  
   - 創造性・学習機会:新スキル習得、アートや音楽への挑戦  
   - 成長指向:PDCA(計画・実行・評価・改善)の継続  
3-5. 内的充実感  
   - 意味・価値観の探求:哲学的思考、信念体系の確立  
   - マインドフルネス:瞑想、内省、自己対話  
   - 人生観・世界観の深化:読書、他者との議論、文化理解

-----------------------------------  
**第4階層:具体的行動・手段**  
中項目を実践へと移すための手段例を示します。  
4-1. 健康  
   - 運動:ジム通い、ランニング、ヨガ、スポーツチーム参加  
   - 食生活改善:栄養バランスの計画、レシピアプリの活用、自炊習慣  
   - メンタルケア:セラピー、オンラインカウンセリング、マインドフルネスアプリ  
4-2. 経済的安定  
   - 収入安定:転職サイト活用、新スキル講座の受講、副業チャレンジ  
   - 資産形成:オンライン証券活用、ファイナンシャルプランナーへの相談  
   - リスク対策:保険加入、緊急資金プールの確保  
4-3. 社会的関係性  
   - 家族交流:定期的な家族会議、食事会、旅行  
   - 友人交流:サークル活動、オンラインコミュニティ参加  
   - コミュニティ貢献:NPO活動、地域イベントの企画・参加  
4-4. 自己実現  
   - キャリア発展:オンライン学習プラットフォーム、コーチング、資格取得  
   - 創造性発揮:ワークショップ参加、新しい楽器やアートへの挑戦  
   - 成長指向:日々の目標設定と振り返り、ジャーナリング  
4-5. 内的充実感  
   - 意味追求:哲学書読書会、ジャーナリングで自己哲学の言語化  
   - マインドフルネス習慣:瞑想クラス受講、マインドフルネスアプリ利用  
   - 人生観深化:異文化体験、留学、ドキュメンタリー視聴

-----------------------------------  
**第5階層:補助ツール・環境要因**  
具体的行動をさらに支援するツールや環境要因を挙げます。  
5-1. 健康支援ツール:フィットネスアプリ、ウェアラブルデバイス、栄養管理アプリ、オンライン診療システム  
5-2. 経済的安定支援ツール:資産管理アプリ、投資情報サイト、家計簿アプリ、フィンテックサービス  
5-3. 社会的関係ツール:SNSグループ、オンラインフォーラム、地域コミュニティSNS、グループチャットツール  
5-4. 自己実現支援ツール:Eラーニングプラットフォーム、スキルシェアサイト、コワーキングスペース  
5-5. 内的充実感サポート:瞑想アプリ、自己啓発書、オンラインワークショップ、哲学対話サービス

-----------------------------------

このように、  
- **最上位(第1階層)**では「総合的な幸福度」を最大化対象とし、  
- **第2~3階層**で幸福度を構成する要素を大項目・中項目に分解し、  
- **第4~5階層**で具体的な行動やツールへと落とし込むことで、  
「最大化される何か」と「それに関連するもの」を明確化・体系化できます。

このような階層的な整理を行うことで、「人生を最適化タスク」として捉えた場合に、何を最大化し、そのためにどのような関連要素が存在するかが、より理解しやすくなります。

使用例:会社経営について

会社経営の質問
会社経営を最適化タスクだと捉えると、経営者は何を最大化すべきでしょうか。 
また、「最大化される何か」に関連するのは、一体なんでしょうか。
「最大化される何か」と「最大化される何かに関連するもの」を5段階程度で階層的に説明してください。

注意:
- 項目、内容の構成を意識して記載してください。
- できるだけ網羅的に記載してください。
- できるだけ具体的にして分かりやすくしてください。

それでは、よろしくお願いいたします。
o1 pro の回答
以下は、会社経営を「最適化タスク」として捉えた場合、経営者が何を最大化すべきか、そしてその「最大化される何か」とそれに関連する諸要素を、可能な限り包括的かつ分かりやすく5階層程度で階層的に示した例です。

---

**第1層(最上位概念):「最大化される何か」**  
1. **企業価値の最大化**  
   - 最も基盤となる目標は、企業価値(株主価値)を長期的に最大化すること。  
   - 具体的には、持続的な収益の創出、資本効率性の向上、リスク管理による価値保持などが含まれる。  
   - ここでの「価値」は、株主価値(株価、配当)、企業のブランド価値、社会からの信頼・評価など定量・定性双方の観点を包含し得る。

---

**第2層:「最大化される何か」に直結する成果指標**  
1. **利益(純利益、営業利益)の最大化**  
   - 企業価値を高める基礎となる収益基盤。  
   - 売上増加とコスト削減、価格戦略の最適化、損益分岐点の引き下げなどが関連する。  
2. **キャッシュフローの安定的増大**  
   - 短期的収支だけでなく、長期的な事業継続性を支える安定的な資金流入。  
   - 投資回収率(ROI)の改善、資金繰りの最適化、資本コストの削減などが関与する。  
3. **リスク調整後リターン(リスクマネジメント)**  
   - 不確実性を考慮した場合でも、期待収益を最大化する。  
   - ポートフォリオ的な事業展開、新市場進出時のリスク評価、法規制対応などが関わる。

---

**第3層:「最大化のために改善・管理すべき企業内部要素」**  
1. **営業活動の最適化**  
   - マーケティング戦略(ブランド構築、顧客セグメンテーション、価格設定)  
   - 営業プロセス改善(顧客関係管理、販売チャネルの最適化)
2. **生産・オペレーションの効率化**  
   - 製造原価低減(自動化・生産性向上)  
   - サプライチェーン管理(在庫削減、物流最適化)  
3. **組織・人材マネジメント強化**  
   - 人材育成・モチベーション向上、適材適所の人員配置  
   - 組織文化改革、リーダーシップ強化、内部コミュニケーション改善  
4. **イノベーションの促進**  
   - 新製品・新サービス開発、R&D投資最適化  
   - 技術導入や外部連携、オープンイノベーション

---

**第4層:「内部要素を支える環境・資源・基盤」**  
1. **技術・情報基盤**  
   - IT基盤整備、データ分析能力強化、サイバーセキュリティ対策  
   - DX(デジタルトランスフォーメーション)推進によるプロセス可視化・自動化
2. **資本・財務基盤**  
   - 財務戦略(最適な資本構成、調達コストの低減)  
   - 投資計画の策定(M&A、設備投資、研究投資)
3. **ブランド・信頼性基盤**  
   - ブランドイメージ強化、ステークホルダーコミュニケーション  
   - CSR(企業の社会的責任)・ESG(環境・社会・ガバナンス)対応

---

**第5層:「周辺関係者や外部環境」**  
1. **顧客・市場要因**  
   - 顧客ニーズの変化・多様化への対応  
   - 市場競合分析、差別化戦略
2. **取引先・パートナーシップ**  
   - サプライヤー・ディストリビューターとの関係強化  
   - 戦略的アライアンスによるスケールメリット獲得
3. **マクロ環境要因**  
   - 経済情勢、為替・金利、原材料価格の変動対応  
   - 法規制動向への適応、政治的安定性の確保  
4. **社会・環境要因**  
   - 持続可能性(サステナビリティ)への取り組み  
   - 地域社会への貢献、環境負荷低減への投資

---

**まとめ**- **第1層**で「最大化されるもの」として「企業価値」を掲げ、その下に**第2層**で直接的な成果指標(利益・キャッシュフロー・リスク調整後リターン)を置く。  
- **第3層**ではそれら成果指標を改善するために直接手を加えるべき企業内部の活動(営業、オペレーション、人材、イノベーション)を示し、  
- **第4層**ではそれら活動を支える基盤として、技術・財務・ブランド・信頼性の確立を示す。  
- **第5層**では、企業外部の環境やステークホルダーとの関係性が最上位目標(企業価値最大化)に最終的な影響を及ぼす点を示した。

このような階層構造によって、経営者は最も上位にある「企業価値の最大化」を念頭におき、その下位階層にある各種要素(内部改善から外部環境対応まで)を整合的に最適化することが求められる。

まとめ

 以下の「最適化」と「なぜなぜ分析」を組み合わせたプロンプトで、o1 pro の深い思考の連鎖を活かせることができました。今後も o1 pro やその他新機能の活用法を探っていきたいと思います。

最適化xなぜなぜ分析のテンプレートプロンプト
〇〇を最適化タスクだと捉えると、△△は何を最大化すべきでしょうか。
また、「最大化される何か」に関連するのは、一体なんでしょうか。
「最大化される何か」と「最大化される何かに関連するもの」を5段階程度で階層的に説明してください。

注意:
- 項目、内容の構成を意識して記載してください。
- できるだけ網羅的に記載してください。
- できるだけ具体的にして分かりやすくしてください。

それでは、よろしくお願いいたします。

参照

  • OpenAI公式の o1 pro の紹介ページ

  • yu_ukさんの「超難問を8割以上の安定性で突破する「o1」&「o1 Pro」の凄さを徹底解説」

  • XでのチャエンさんのLLMのIQ比較に関する投稿
  • OpenAI公式の Chain of Thought の紹介ページ

  • Noteでのプチponyさんの「o1 pro vs o1 比較検証 課金を考えている方へ」

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